一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
気持ちを新たにというタイミング
2023/5/25(木)
先週はダイチラファール(4人気2着)が最高着順。再ブリンカーで集中力が増しており、好枠から思っていたとおりの競馬はできました。勝ち馬が飛ばして理想的な展開ではあったのですが、上手く逃げ切られてしまったという印象。それでも一戦毎に内容と着順を上げており、あとは勝利だけという段階。何とか自分の手で勝たせてあげたいです。
この土曜は東京で6鞍に騎乗します。2Rのベルウッドアラシの前走は馬が苦しがってゲートの入りも良くなかった。競馬に行っても後ろ向きになっていました。この中間はゲート練習をこなしているので、前向きな気持ちで集中してくれさえすれば巻き返せると思っています。
3Rのヤマブキは先週の追い切りに乗せていただいて、大分しっかりやりました。態勢が整って今週デビューの運びとなりましたが、使ってからのほうが体も締まってきそう。次に繋がるようなレースをしてあげたい。5Rのベルウッドタイガーの前走は、芝の走りは良かった。それよりも1400mが忙しかった印象なので、1800mへの距離延長はマッチすると思います。上手く流れに乗せてあげたい。
8Rのタイキマクスウェルは前2戦ともしっかり走れています。自分の中で手の内に入った感覚があるので、モマれずリズムを大切にしつつ前進を狙います。11Rのメイショウダジンは休み明けがどうかですが、3走前に乗せていただいたイメージが残っています。東京1400mがベストの印象なので、改めていただけたチャンスを活かしたい。
日曜も東京で4Rのコスモコルトレーンに騎乗します。続けて追い切りに乗せていただいており、動けるようになったタイミングでデビューを迎えます。いい素質を持っていますが、まだスイッチが入っていないと言いますか、使いつつ上向いてくれるタイプだと思います。
ダービーⅮAYはもう何頭か騎乗予定もあったのですが、スライドなどで予定がかみ合わず一頭だけになってしまいました。来週からは2歳新馬が始まり、来年のダービーに向けて新たなスタート。トレセンで2歳馬ゼッケンが目立つようになり、自分も新たな気持ちで何頭かに跨っています。今年はダービー騎乗の目標が叶わずも、雰囲気を味わいつつモチベーションを上げる一日です。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。