一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
福島コース向きの馬が揃っています
2023/7/6(木)
福島開幕週は2頭の4着が最高着順。エクメディゴールド(9人気)はやはり馬体重が減っていましたが、最後はしっかり差を詰めて頑張っています。使ったことでピリッとすると思うので、次走はより楽しみですね。ペリプルス(6人気)も休み明けで気持ちが抜けてしまっていたような感じ。その分でエンジンのかかりが遅かったです。次走はメンコを外す提案をさせていただいたので、そのあたりもかみ合ってほしい。ミシシッピテソーロ(2人気5着)はコーナー4つの競馬だったこともあり、開幕馬場で前めのインにいた馬を捕えきれませんでした。初めてと思えば上手に走れていたので、以降に向けてはいい経験になりました。
この土曜は福島で5鞍に騎乗します。1Rのスノーピーコックは使った分の上積みがあるはずで、東京1400mなら福島1200m向き。牝馬同士で少頭数もいいですね。
2Rのアオイラリュヌも初戦は競馬と分からずに走っているような印象でした。今週の動きも良かったので、コース替わりと相まって前進を見込んでいます。7Rのシャルトタークは今週の追い切りに乗せていただきました。デビューの遅れが惜しまれますが、それでも初戦から通用して不思議ない能力を感じます。既走馬相手にどれだけやれるか楽しみです。
10Rのマイネルステレールは毎回一生懸命に走ってくれる馬。時計がかかってくれたほうがいいタイプなので当日の天候は気になるところです。11Rのオンリーオピニオンはここのところ走りきってない印象があるためブリンカー着用。福島1800mはデビュー勝ちした条件で、この距離なら崩れたこともありません。最後まで気持ちが途切れず走ってくれれば巻き返せると思います。
日曜も福島で7鞍に騎乗します。2Rのターコイズデューの初戦はここからという所で止まってしまいましたが、使われて順調に良くなっています。小回りコースも合いそうなイメージがあるので前進できるはず。7Rのエクチュールは今週の追い切りに乗せていただきましたが、デビュー戦2着も納得という背中。11ヶ月ぶりの実戦勘と、モマれていない点がキャリアのあるメンバーに入ってどう出るか。使えばより良くなりそうですが、この緒戦は持ち得る能力に期待しています。
8Rのマイネルヒッツェも気持ちの問題がありますがコース替わりは悪くないはず。平坦小回り向きの先行力を活かしてあげたい。9Rのエリダヌスは福島コースで2着を外したことがありません。スイートピーS挑戦(6着)もいい経験になっているので、自己条件で3歳馬の勢いを見せたいところ。
10Rのスズノイナズマは去勢して4戦目の休み明け。能力自体は高い馬なので、嫌々走る面が改善してくる頃合いを楽しみにしています。12Rのアラクレは12着とはいえ前走の感触が悪くなかった。福島向きと思っていた一頭で、このタイミングでの前進を見込んでいます。
ここのところは夏時間で調教スケジュールがタイトになっており、当コラムの小ネタに困ってしまうくらい慌ただしく過ごしています。週末も移動時間が長くなるので、それを含めれば有難くも競馬漬けの毎日。開幕週は荷物も多かったため車で向かいましたが、今週からは時間を活かすために電車で移動する予定。Netflixで気になっているドラマもあるので、いい息抜きにしたいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。