一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
蔵王で英気を養ってきました
2023/7/27(木)
先週はペリプルス(8人気3着)が最高着順。メンコを外すなど工夫して臨んだところ、行きっぷりが大分改善してくれました。クラス脱出に目途が立ついい内容だったと思います。グレンノアラシ(8人気4着)はスタートこそもうひとつでしたが、リカバリーが上手くいって脚がタマったことでしっかり伸びてくれました。次走に向けてレース運びの幅が広がりました。
バイデンテソーロ(6人気4着)は中間に練習していたゲートは決まりませんでしたが、4角から最後まで気を抜かずに脚を使っています。この経験を経てあらゆる面でもう一段上がってくれそう。跳びが大きな馬なので、広いコースのほうが向きそうな感触です。フィンガーズクロス(8人気4着)は調教の感触よりも頑張ってくれました。実戦向きと理解できましたし、この馬も使った上積みが大きそう。
開幕週の土曜は新潟で3鞍に騎乗します。2Rのベルウッドタイガーの前走は着順ほど悪い感触ではありませんでした。道中好位でタメが利くようであれば、もうひと伸びできると思います。この距離での続戦がいいほうに出てくれそう。
6R(2歳新馬)のヨッコサンは今週の追い切りに乗せていただきましたが、素晴らしい反応でした。まだ体ができあがってない中でも、調教だけ走ってくれれば初戦からいい競馬になると思います。9Rのマイネルズーメンは常に自分との戦い。どれだけリラックスして走ってくれるかですね。能力は秘めている馬です。
日曜も新潟で4鞍に騎乗します。1Rのアカリリッキーの初戦は戸惑って前半ハミを取ってくれませんでしたが、最後の直線の伸びは一番でした。道中流れに乗せて行ければ自ずと前進があるはず。3Rのシャルトタークの初戦は競馬と分かっておらず、気持ちが乗っていなかった印象。使ったことで気持ちが入ったと聞いているので、次に繋がるような2戦目にしてあげたい。
4Rのターコイズデューの前走は今回に繋がるいい内容だったと思います。使った上積みもあるので、最善の結果を出したい一戦です。5R(2歳新馬)のマイネルディレクトは兄弟のほとんどに乗せていただいている思い入れがある血統。そんな中でも緩さがあるので初戦は何とも言えませんが、先々を見据えつつ、いい内容のデビュー戦にしてあげたい。
福島最終週だったこともあり、日曜のレース後から車で山形に向かって蔵王の御釡を見てきました。これまで行った2回は天候に恵まれず、3度目の正直でやっと全景を臨むことができました。帰りに蔵王温泉にも寄ったのですが、真っ白な強酸性泉で温泉好きにはたまらない最高のお湯。真夏の新潟開催を充実させるべくいいリフレッシュができました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。