一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
少数精鋭というラインナップ
2023/9/14(木)
中山開幕週はヨッコサン(9人気3着)が最高着順。使われて順調に良くなっており、調教の動き良さがレースにも繋がった格好。あの内容なら初勝利へのチャンスが近づいてきました。ミニョンルミエール(5人気4着)は馬体が減っての帰厩だったそうで、プラス体重で出走できたことは厩舎サイドの努力の賜物。今回は地力で踏ん張ったという掲示板で、次走に向けての上積みは小さくないはず。中山コースも合っていますね。
この土曜は中山で2鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のテイキットイージーは2週続けて調教に乗せていただいています。先週より今週と動きは良くなりましたが、レースを使われつつ調子を上げていきそうなタイプ。組みしやすい頭数の分で頑張ってほしいです。8Rのキガサの前走は交流(浦和3着)で内容あるレースができて、自分的にもイメージを掴めています。展開がかみ合えば中央場所でもチャンスがあるはず。
日曜も中山で3Rのフィリップに騎乗します。タフな馬で、新潟からの中1週でも元気一杯。初めてでも中山コースは合いそうな先行力があるので、このタイミングで初勝利を掴みたい。
祝日開催の月曜も中山で3鞍に騎乗します。4Rのコガネノソラの前走は終わって見れば相手(キャットファイト)が強かった印象。アスター賞をレコードで圧勝しましたからね。今回も楽な相手関係ではなさそうですが、しっかり力を出せれば結果はついてくるはず。
7Rのフジフォンテは調教に何度か乗せていただいたことがあります。追い切りの感触は悪くありませんので、コース替わりでキッカケを掴んであげたい。10Rのマイネルニコラスは休み明けの分がどうかも、地力は2勝クラスで引けを取らないはず。中間の調教には乗っていませんが、返し馬の感触を実戦に結びつけたい。今後を楽しみにしている一頭でもあります。
調教時間が来週より6時からになるのですが、後半はまだまだ暑さが残っており、馬も例年になく堪えています。時間を切り詰めて早めにやりたい厩舎が多く、坂路も閉鎖していることから、まだまだハロー明けの時間帯はウッドの混雑が目立ちます。坂路主体でやってきた馬は走り方が変わってしまうため、一刻も早いリニューアルが待たれます。それに伴ってレースの出走頭数も戻ると思うので、美浦のホースマンは今月までが辛抱時です。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。