一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
3日間開催は4頭の新馬に騎乗します
2023/10/5(木)
中山最終週はキャントウェイト(5人気2着)が最高着順。調教に比べると返し馬からテンションが上がっており競馬でも行きたがる面を見せましたが、なだめつつ我慢できたことが最後の脚に繋がりました。今後を見据えられる内容だったと思います。ゴールウェイガール(9人気5着)も好位で我慢して最後にもうひと踏ん張りしています。逃げた2走前から進歩してくれて、レースの幅が広がりました。
開幕週の土曜は東京で5鞍に騎乗します。4R(2歳新馬)のフローティンローズはゲート試験から乗せていただいています。集中力に欠ける面が課題も、ここにきてグッとハミを取ってからの反応は良くなってきました。初めての場所に戸惑うかもしれませんが、集中して走らせられれば最後はいい脚を使ってくれそう。
5R(2歳新馬)のパーセルペーパーも続けて乗せていただいています。十分に本数をこなしており、気持ちが前向きで初戦から力を出してくれそうなタイプ。開幕週も向きそうなので楽しみにしています。6R(2歳新馬)のコスモマチュアーは今週の追い切りに乗せていただきましたが、おっとりして穏やかな印象を持ちました。自分からハミを取って行くタイプではないので、使ってからのほうが気持ちや体も締まってきそう。
7Rのフジフォンテは初めて乗った前走で気持ちを途切らせずに走らせることができました。今回はスタート後の躓きにも気を付けて流れに乗せてあげたい。それが叶えば十分に対応できるコースだと思っています。9Rのマイネルニコラスの前走は休み明けの部分が大きかった。今回は1勝クラスを勝っている舞台。使って良くなるタイプでもあるので前進を見込んでいます。
日曜も東京で4R(2歳新馬)のクルシナに騎乗します。木曜の追い切りに乗せていただきましたが、まだ気持ちと体のバランスがかみ合っていない印象。それでも素質を感じたので、まずは次に繋がるような競馬をしてあげたい。
祝日開催の月曜も東京で2鞍に騎乗します。11Rのメイショウダジンはまた乗せていただけることが光栄です。プロキオンSでも好走しているように力がありますし、前回も休み明けで頑張ってくれたのでそのあたりも心配していません。道中フワフワしてしまう面を手の内に入れているので、1600mに延びる分は問題ないと思います。結果で恩返しできるように最善を尽くします。
今週は月曜朝に調教に乗って、火曜はペリプルス (2人気7着)に乗りに盛岡の交流に行きました。美浦も涼しくなってきましたが、やはり東北は気候が違いますね。16時40分のレースでしたが晩秋を感じましたし、返し馬を終えて3コーナーからゲートに向かって行くとコースの外に野生の鹿が歩いてるんです。さすがに中央の競馬場の中で見たことはないので、微笑ましくも驚きました。月曜に南部杯もありますが、また現れるかもしれませんよ。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。