一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
土日とも兄弟馬に期待しています
2023/12/14(木)
先週は2頭の5着が最高着順。ヴォーグアルタイル(9人気)は返し馬からいい感触があり、競馬に行ってもゲートを出て、そこからしっかり進んでくれました。初戦とすれば言うことがない内容で、タイプ的に使ってグンと上向きそう。次走が楽しみです。キガサ(8人気)は、やはり長い距離が合っていますね。多くない条件ではありますが、2000m超のダート戦に合わせていけばまた頑張ってくれると思います。
この土曜は中京で5鞍に騎乗します。4Rのマイネルエムロードは前走良くなっていたのですが結果が伴わなかったので、今回はブリンカー着用。久々を使った上積みと相まって一歩前進がありませんか。
7Rのフジフォンテは3走前の転厩緒戦に乗せていただいてから崩れずにしっかり走れています。中間の動きも悪くないので、走り慣れた条件で今回も頑張ってくれるはず。9Rのコスモフリーゲンはこのレースを照準にしてから、毎週調教に乗せていただいてコンタクトを取ってきました。大型馬の久々ではありますが、好仕上がりで力を出せる態勢。初戦が不良馬場での勝利だったので、予報どおりなら恵みの雨になってくれそうです。
日曜は中山で3鞍に騎乗します。1Rのヨッコサンは使う毎に時計が詰まっており、前走もヨシッと思ったタイミングで歩様が乱れてしまいました。その分で間隔が空いてしまいましたが、しっかりと乗り込んでいます。この馬の力だけ走ってくれれば改めて勝ち負けになるはず。
7Rのヤルダバオトはどうしてもスタートが得意ではないんです。少しでも上手く出して流れに乗せていければ、大きく着順を上げられるだけの能力は持っています。12Rのマイネルニコラスはコスモフリーゲンのお兄さん。前走が長い休み明けを叩いてきた3走目で、やっとこの馬らしい走りができました。新馬を中山で勝っているように、状態さえ伴えばコースは問いません。土日ともこの兄弟馬には期待しています。
先週日曜は弟の未崎が中山へ臨場に来ており、約束していたわけではないのですが、競馬が終わってから一緒に宇都宮の実家へ帰りました。彼は栗東で頑張っているので、二人揃って両親と顔を合わせたのは本当に何年振りだったでしょうか。好き勝手に色々な話で盛り上がり、翌日はお墓参りにも行けて、とても有意義な時間でした。チャンスある兄弟馬に乗せていだだく前に、双子の兄弟でこんなエピソードもありました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。