一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
土曜最初のレースが1万2千回騎乗です
2024/2/9(金)
今週月曜は東京競馬場近郊が凄い雪だったようですね。こちらも牛久や筑波あたりはなかなかの降りだったのですが、幸い美浦はそれほどでもなかったようで、覚悟して向かった火曜の調教に影響がなくホッとしました。ともあれ馬場が重くなって、ウッドで追い切った馬は軒並み時計がかかっています。数日ずれていれば開催中止だったであろうことを思えば、その程度であれば幸運だったといえるかもしれません。
この土曜は東京で5鞍に騎乗します。2R(新馬)のマイネルメダリオンは、ゲート試験や先週も追い切りに乗せていただきました。なかなか時計が詰まってこない現状も、馬は一生懸命です。毎週しっかりやって気持ちはあるので、その分でどこまで頑張ってくれるか。使えば変わっていくタイプだと思います。
4Rのフジフォンテは、もう少しありそうなところで馬が加減してしまっているという走り。今回は刺激を求めてブリンカーを着用します。その効果でピリッとしてくれればもっとやれるはず。5Rのアムンラーは前走の敗因が掴みきれないところがあるため芝を試します。2走前を思えばキッカケひとつだと思っています。
8Rのタイキマクスウェルはここのところスイッチが入らない感じ。ただ、2戦続けて1200mを使ってからの1400mなので、追走が楽になって少し気持ちが乗ってくれませんか。力は隠し持っている馬です。9Rのコルデアニルは久々に乗せていただきます。芝ダートは問わない馬なので、ハンデ51キロを活かすような乗り方をしたい。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。4R(新馬)のパナマテソーロはずっと調教に乗せていただいています。2度除外になった分でゲート練習もしっかり積んで万全の態勢。レースに行って気の小さい面を出さなければ初戦から勝負になっていい馬です。
6Rのマイネルキングも続けて追い切りに乗せていただいています。競馬に行くと集中できない面があるようですが、調教の感じからは去勢効果を感じます。この休み明けでそろそろ変わってきてくれませんか。8Rのネバーゴーンアウトは状態が上がっていたはずの前走が案外。頭数が少なくなるのはいいと思うので、オッというような見せ場くらいは作ってあげたい。
タイトルにもさせていただきましたが、今週は土曜最初のレースで1万2千回騎乗になります。先週息子に「もう1頭乗ってればメモリアルだったのに」と言われて気がつきました(笑)。そんなことから家族が応援に駆けつけてくれることもあり、密かに力が入っています。まさかここまで乗せていただけるとは思っていませんでしたが、今となってはまだまだ頑張るぞという意欲しかありません。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。