一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
4連勝を狙って乗ります!
2024/2/29(木)
中山開幕週は2頭の3着が最高着順。ヨッコサン(4人気)は中間から調子が良く、自分の時計だけはしっかり走れました。相手関係ひとつという段階まできています。アムンラー(4人気)は凄く従順で性格がいいので、1F延長に問題なく対応してくれました。初勝利に向けたチャンスが近づいています。ダイチラファール(4人気5着)は乾いた馬場がマッチするタイプなので、この馬とすれば時計が速かった。それでも力は出し切っており、馬場状態ひとつで改めてチャンスがあるはず。
この土曜は中山で6鞍に騎乗します。2Rのスプランドゥールの初戦は調教の良さが全く出せず、馬が戸惑っているような感じでした。ダート替わりは問題ないはずなので、レース慣れして調教どおりに走ってくれればと思います。
3Rのマンマミーアも初戦は期待していたほどの走りではありませんでしたが、レース後も順調で追い切りは好感触。同じコースの2戦目でもっともっと時計を詰めてくれるはず。4Rのクーデピンヌの前走は道悪で時計が速くて追走に苦労しました。使いつつ上向いていくタイプに思えるので、極端な馬場でなければ前進が見込めます。
7Rのヴォンヌヴォーは昨夏に芝のレースで乗せていただきました。その後、ダート短距離で悪くない内容が続いており、中山コースもマッチしてくれませんか。10Rのカランセは今週の追い切りに乗せていただきましたが、スッと動けて調子の良さを感じました。気難しそうな面も手の内に入れたので、勝負所で嫌気が差さないように走らせてあげたい。
日曜も中山で2鞍に騎乗します。7Rのフジフォンテは東京なら中山コースでこそというタイプ。ブリンカーが効いており少頭数もかみ合いそうなので、ここは改めて期待しています。9Rのコスモフリーゲンは帰厩してからもしっかり乗り込んで、このレースを目標に順調にきました。続戦だった前走は馬がピリピリしている面があったのですが、少しの放牧でもリフレッシュ効果が出ていい意味で馬が落ち着いています。それでも追い切りは動けているという態勢なので、条件クラスのここまでは4連勝で突破したい。
今週は調教師さんの引退と新人ジョッキーのデビューが被るという珍しい年度替わり。定年を迎えられる先生方との思い出はつきませんが、中でもデビュー時からお世話になってきた高橋裕厩舎が解散するのは寂しいですね。先週のマイネルニコラスを勝たせられなかったのは悔いが残りますし、その兄であるマイネルラフレシアは自分の礎になっている馬。まだ新人ジョッキー達とは接点がないのですが、この週になるとデビューの頃を思い出して身が引き締まりますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。