一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
テン乗りが多いので研究して臨みます!
2024/4/4(木)
先週は勝てずとも多くの馬が頑張ってくれました。コスモフリーゲン(2人気2着)は戻っていた馬体が輸送で減ってしまったものの、追い切りの感触どおりに中身が全然違っていました。自分の競馬はできましたが、今回に関しては勝ち馬が一枚上だったという印象。それでも交わされてからしぶとく抵抗しており、予定している東京開催にもう一段上げて向かいたい。ダイチラファール(5人気3着)はもうひと押しでしたが、着順以外は文句なしという内容。力どおりに走ってくれれば相手関係ひとつです。
モルトマエストーソ(6人気4着)はブリンカー効果もあって操縦性が良くなっていました。さすがの良血という乗り味で、先々が楽しみな一頭です。フローティンローズ(7人気5着)は強い馬に4角から来られて苦しい展開になりました。それでも最後までしぶとく頑張っており、距離延長にも対応しています。
この土曜は中山で4鞍に騎乗します。1Rのクーデピンヌは一戦毎に内容が良くなってきました。使いつつ馬もしっかりしてきたので更なる前進が見込めます。8Rのリネンマンボは中間に何度か乗せていただきました。スタートが上手ではないので、まずはゲートに集中します。展開待ちのタイプではありますが、もう少し流れに乗せていきたい。
日曜も中山で8鞍に騎乗します。1Rのキタノジョンヌはもう少し走れていいはずなのが、馬の雰囲気は平行線です。同じコースの続戦なので、ひと工夫して着順を上げてあげたい。3Rのシェリングフォードの前走は砂を被って道中頭を上げてしまいました。この中間はパシュファイヤー装着で慣らしているので、キックバックに我慢できるかがカギになります。
4Rのホウオウルーセントは今回がデビュー戦。木曜の追い切りに乗せていただきましたが、少し気難しいタイプです。いい背中をしているので、気分良く走ってくれさえすれば既走馬相手でも差は感じません。5Rのスズノアムールもよく調教に乗せていただいている馬で元気一杯。牝馬限定戦の2000mで良馬場なら掲示板以内を確保したいところです。
6Rのミルトパワーは今週の追い切りに乗せていただきましたが、一生懸命に走ってくれて乗りやすい馬。競馬に行くとまた違った一面がありそうなので、しっかり研究して持ち味を引き出したい。10Rのアルファウェーブも今週の追い切りに乗せていただきましたが、素直で真面目なタイプです。距離延長で久々の2000mになりますが、先行力もあるのでマッチしそう。馬場状態を見極めつつ一発を狙います。
美浦近郊ではようやく桜が咲き始めました。今週末の競馬場は東西とも見頃でしょうし、レース後は恒例の目黒川に足を運んでみようかなと思っています。成績いかんでテンションも全然違ってくるので、まずはレースに集中して全力を尽くします。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。