一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
台風の影響がないことを願います
2024/8/29(木)
先週日曜は新潟最終レースが雷で中止になりました。僕は8R以降の騎乗がなかったので競馬場を出ていたのですが、そのタイミングから空が真っ黒になり雨も強く降ってきて不吉な予感がしました。数ヶ月前から安全対策のマニュアルができたので、それが適用されて判断も早かったようです。一難去って今週は台風……。思っていた以上に速度が遅く、新潟開催は影響を受けなそうなムードになってきました。天気予報を信じて、金曜朝の調教をつけてから競馬場に向かいます。
最終週の土曜は新潟で3鞍に騎乗します。2Rのリネンフラッシュは気持ちが途切れて集中できないところがあったのですが、段々と調教で動けるようになってきました。かねてからダート向きかもというイメージがあるので、楽しみにしている条件替わりです。
5R(2歳新馬)のドピエッタはゲート試験から追い切りにも乗せていただいています。しっかり調教を詰めており仕上がりが良く、少頭数でデビューできるのもいいですね。9Rのライヴァルは走路試験明けも乗り込んできました。1勝クラスに目途をというところからですが、何とかその先に繋げてあげたい。
日曜も新潟で3鞍に騎乗します。2Rのマイネルボスは前走2着後も順調にきており、今週の追い切りの反応が素晴らしかった。同じコースの続戦かつ頭数も手頃なので、とりわけ力が入る一戦です。
4Rのコスモバタールはゲートから出したりと、普段の調教に乗せていただいています。助手さんには追い切りも動けたと聞いており、ラストチャンスだけに精一杯の騎乗を心掛けたい。8Rのシグムンドは前走勝ってから間隔こそ空きましたが、中間も乗り込めて暑さにヘタれず頑張っています。ブリンカーを着けてからの反応が良く、相手なりに走ってくれるタイプ。昇級緒戦でも楽しみにしています。
遅ればせながら、話題作の地面師たちを一気見しました。普段はあまり観ないタイプのドラマですが、実話を元にしたストーリーということで、あんな詐欺が実在したことを思うとゾッとしますね。また、豊川悦司さんを初めとするキャストの演技がとにかく凄まじい!これぞNetflixというなかなかのインパクトでした。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。