一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
楽しみな馬が揃っています
2024/10/17(木)
3日間開催はシグムンド(8人気2着)が最高着順。本当に馬が良くなってきました。勝ち馬が強すぎましたが、昇級緒戦とすれば満点の内容で今後が楽しみ。次走も同じ東京2100mを予定しています。レペンテ(4人気5着)はバランスが難しい面を矯正しつつも上手に走らせることを意識して、最後はしっかり脚を使ってくれました。現状の走りで掲示板を確保できたのは収穫で、競馬を教えながら持っている能力を発揮させてあげたい。
この土曜は東京で3鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のチャールズテソーロは2週続けて追い切りに乗せていただきました。今週は気持ちも前向きになり、幼さを残しつつも時計的に走れています。使えば良くなりそうなタイプです。7Rのコウセイマリアの前走はスタートが決まりませんでした。この馬とすれば速い馬場も合わなかったという印象。ダートは良さそうだったので、乾いた馬場の距離延長ならもう一歩前進できるはず。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。2Rのブラックティンカーの前走は思っていたよりもキツい展開となり、押し出されるような形でのハナ。中1週でも状態は変わらず順調で、もう少し脚がタメられれば前進が見込めます。3Rのコスモグリッターはデビュー前の追い切りで一度跨ったことがあります。使いつつ良くなりそうなタイプと感じていたので、3走目の上積みに期待。距離短縮もいい方に向いてくれませんか。
4R(2歳新馬)のイグニススピリタスは続けて追い切りに乗せていただいています。まだ幼さを残しつつもしっかり乗り込んで、ゲートの出が速いです。素質を感じる馬で、初戦からどこまで頑張ってくれるか楽しみ。6Rのミライヘノブーケは福島の新馬で勝たせていただいて以来。中間の調教には乗っていませんが、少頭数のほぼ牝馬同士という好条件。スピードを活かせそうな舞台で力が入ります。
7Rのトルーマンテソーロは先週スムーズなレースができた割にいつもの粘りが発揮できず。ダメージがないという判断の連闘で、今週は強気に運んでみようかと考えています。こんなはずではないので、休み明けを使った効果に期待して巻き返したい。8Rのキタノライジンの前走は、2走前ゲートに突進した面をクリアすることはできました。その反面でスイッチが入らないままゴールしてしまったという印象。乗り心地は凄くいい馬なので、キッカケを掴めれば大きく変われて不思議ありません。
昨日(水曜)はCSファイナルステージ第1回戦でDeNAベイスターズを応援しに東京ドームへ。緊張感ある試合を2対0で制してくれて元気をもらいました。三浦監督も馬主さんなので、そのあたりを含めて応援している競馬関係者は多いかもしれません。このまま勝ち上がりに期待して、日本シリーズもまた現地に足を運びたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。