
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
手の内に入れている馬達と頑張ります
2025/3/20(木)
先週日曜は悪天候で凄い馬場でした。とりわけ芝のレースでは塊が飛んできて前が見えないというレベル。中山は連続開催で4月20日の皐月賞当日が最終日。何とか良馬場でやれそうな今週はともかく、次開催は枠順や馬場適性に左右されるシーンが増えてきそう。桜のシーズンと相まって天気予報とにらめっこです。


この土曜は中山で4鞍に騎乗します。3Rのアイアンオバーカムの前走はしっかり走れていますが、東京コースが合わなかった印象。2走前の内容からも中山1200mに戻って力が入ります。
4Rのパトリオティズムは少しずつこの馬なりに成長しています。距離を延ばして初の2000mがいいほうに結びついてくれませんか。
6Rのバンブトンプロは少し間隔が空いたものの、活気があって中間が好ムード。展開に左右されてしまいますが、かみ合えば何時でも着順が上がっていい態勢です。9Rのマイネルトルファンの前走は小倉最終週で荒れ馬場の影響があったかもしれません。道中進まなくなってしまいました。今回はブリンカーを着用して臨むので、その効果でハミを取ってくれませんか。
日曜も中山で4鞍に騎乗します。1Rのカイトヴィントは中間からブリンカーを着用して動きが良くなりました。調教どおりならもう少し走れてもと思います。3Rのヒロノビックバンは2走前に乗せていただきましたが、着順ほど感触は悪くなかった。一連の内容から中山1800mはマッチしそうなイメージです。
7Rのペリプルスの前走は道中前が下がってきて、外も壁になって動けなくなってしまいました。申し訳ない競馬をしてしまったので、続けて乗せていただける恩義に応えたい一戦です。10Rのコスモフリーゲンは10ヶ月振りの復帰戦になりますが、しっかり動けており動かしてもいます。3勝クラスだけに競馬勘と1800mのペースが気になるところではありますが、対応してくれるだけの地力がある馬。ブランク明けでどこまで頑張れるか楽しみです。

日曜の馬場状態も然り、今週水曜のトレセンもなかなかでした。前半の馬は順調に追い切れたのですが、段々とみぞれになってきたと思えば大雪へと変化。乗っていて前が見えなくて手の感覚もなくなり、地下馬道では馬がツルツルと滑ってコースも閉鎖になってしまいました。
雨に変わってから一瞬でとけてくれたのは幸い、木曜に追い切っている馬が多いのはそんなアクシデントからのスライドです。3月後半にこれだけ降るのには驚きですが、今週末は競馬日和でそろそろ目黒川の花見も計画したい時期になってきました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。