
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
3日間開催は土曜に京都遠征します
2025/10/9(木)
東京開幕週の感想はとにかく馬場がいいですね。最近は中山でも時計が速いのですが、芝生がじゅうたんのように敷き詰められており乗っている感触が違います。2週目もなかなか前が止まりそうもありません。そんなことを言いながらも土曜が京都遠征で月曜は全てダート騎乗なので、それぞれのコース傾向もしっかりと見極めて臨みたい。

この土曜は京都で3鞍に騎乗します。8Rのユメシルベは狙っていた少頭数の関西遠征。コースは選ばないタイプで、一戦毎に課題をクリアしてきました。昇級でも何頭か未勝利馬がいる組み合わせなので頑張ってほしいところ。今週の調教にも乗せていただきましたが元気一杯です。
10Rのホークマンは自分から動くと持ち味が削がれるタイプ。最後の脚が活きるような流れになってほしい。11Rのスズノテレサは近走苦戦していますが、2勝クラスを勝たせてもらった馬で思い入れがあります。競馬が上手いタイプなので、51キロのハンデを工夫して立ち回りたい。
日曜は東京で2鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のコスモアマデウスは毎週追い切りに乗せていただいています。使いながら良くなりそうなタイプですが、しっかりやれており仕上がりは悪くありません。現時点でどこまで頑張れるかという楽しみを持っています。
祝日開催の月曜も東京で4鞍に騎乗します。2Rのアイアンブランドは中間乗っていませんが、厩舎サイドから使って素軽くなったとお聞きしました。1ハロン延長も歓迎なので、一歩前進を見込んでいます。7Rのマインドミーは使いつつ上向いてきたというタイミングで前走勝たせていただきました。まずは時計の短縮が課題になるので、昇級緒戦で次に繋がるような競馬ができればと思います。
8RのリネンタイリンはサウジアラビアRCにも登録しましたが、初ダートの自己条件という選択。夏を越して精神的に大人になった感があり、調教どおり冷静に走ってくれれば全然足りる馬。使いたかった番組かつ組みしやすい頭数なので楽しみですね。12Rのヴェレノージは中央再転入の緒戦。地方では短い距離を使ってきたので、この条件に慣らすところからになると思います。

自分が取材を受けた経緯もあり、相馬眼が見た夢という岡田繁幸さんの生涯が記された本を読み進めています。完成まで2年半かかっての発売になりますが、これまで知らなかった繁幸社長の考えも知れました。牧場に行った時のことなどを思い出して、もう一度話がしたいなと。著者の河村清明さんとも牧場でよくお会いしていた間柄なのであの頃が懐かしく、鼓舞されるような気持ちにもなっています。
プロフィール

柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。





