
2016年の阪神JSでJRA史上初の同一重賞7年連連対記録などJUMPレースの顔として活躍する高田潤騎手。 そして、ファンサービスの積極性は競馬界一とも噂される熱き男の生の声をお届けします!
関西馬が出馬投票できない⁉︎
2020/8/14(金)
高田潤です!!
今週からいよいよ夏の小倉競馬が始まります!! 僕的には、小倉開催を迎えてやっと夏が始まったな!って感じです(^^)
本来なら今年は日本でオリンピックが開催されているはずでしたので、今年の競馬番組の編成は少し例年と変わっています。
その為、ここ3週間では障害レースの未勝利戦が1レースも組まれていませんでした。
障害未勝利馬は2〜5着に入ると次走の優先出走権が与えられます。 その優先出走権が使えるのは1ヶ月(4週間)だけです。
しかし、3週間も未勝利戦がありませんでしたので、出走するレースが無く、この優先出走権を使うことが出来ずに権利が消滅してしまった馬が多数でてきてしまいました。。
そして、ここからが大事なポイントなんですが、
7/18と7/19に優先出走権を獲得した馬は、今週の未勝利戦にだけその権利を使えるわけなんですが、ここでもまた問題が発生しました。
本来、優先出走権をもっている関西馬は当然、新潟の未勝利戦に出走できるはずなのですが、そのレースに出馬投票すらできないという事態が発生しました。
これはどういうことかと言いますと、
関西馬が関東圏の競馬場に出走するときには、その競馬場の馬房を確保した上で出馬投票をしなくてはいけないのですが、
その馬房の割り当てにも優先順位がありまして、上のクラスから割り当てられます。
オープン→3勝クラス→2勝クラス→新馬→障害未勝利クラス→1勝クラス→平地未勝利クラス
となっております。
今回なぜ関西の障害馬が投票できなかったかと言いますと、、
3勝クラスと2勝クラスのレースに関西馬の出馬投票が殺到したためです。 しかし、フルゲートは16頭もしくは18頭ですので実際に出走できる馬は限られています。
その為、出走しない馬にまで馬房が割り当てられることになります。その煽りで関西の障害馬には馬房がまわってこず、出馬投票すらさせてもらえませんでした…
その結果、優先出走権を持っている馬や、出走したい馬がたくさんいるにもかかわらず新潟の障害戦はフルゲート頭数割れ…ということになりました。。
当然ながら、新潟競馬場の関西馬用の馬房には空きがたくさんできてしまっています。
馬房が余っているなら出走させて欲しい…
そうなることがわかっているんだから、そのシステムをなんとかして欲しい…
というのが関西馬陣営の率直な意見です。。(T_T)
3勝クラスの場合は出走馬の確定方法は抽選ですのでまだわからなくもないですが、2勝クラスの場合は優先出走権とレース間隔が長い順に出走馬が確定しますので、確実に出走できない馬もわかっていますので、ここは是非とも見直して改善していただきたいと思います。
僕は騎手会の役員でもありますので、当然JRAの競走課とも話をしてきました。
いきなりすぐにシステムを変更することは難しいと思いますので、今後のためにも是非とも検討して欲しい旨を伝えてきました。
ちょっと皆さんにはわかり辛い説明かと思いますが、出馬投票に関しましてさらに詳しく言えばもっと細かく複雑なシステムになっており、それを説明すれば、頭がこんがらがると思いますので簡単に言うとこんな感じです。
競馬番組に関しましては、あらゆる事態を想定しなければなりませんので本当に複雑で難しい問題だと思いますが、東西両陣営が納得して出走できる、より良い編成を願っております。
プロフィール
高田 潤 - Jun Takada
1980年11月3日生まれ、大阪府出身。
1999年に松田博資厩舎所属から騎手デビュー。デビュー当初から、平地・障害の垣根を越えた活躍を続けると、2006年にはドリームパスポートで神戸新聞杯を制覇。これが平地重賞初勝利となった。
一方、2008年にはキングジョイとのコンビで中山大障害を制し、キャリア初のJG1勝ち。2013年には待望の障害リーディングに輝いた。
また、2009年には師匠である松田博資師の元を離れ、フリーに転向。2012年にも生涯の伴侶を得るなど、公私ともに充実期を迎え、障害競走の次代を担う存在として更なる活躍が期待される。