G1馬5頭の中山記念と阪急杯から合計11頭を馬体診断!
2019/2/17(日)
中山記念
阪急杯
ウインブライト
(牡5、美浦・畠山吉厩舎)
父 | ステイゴールド |
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母 | サマーエタニティ |
母父 | アドマイヤコジーン |
通算成績 | 16戦6勝 |
重賞勝利 |
19年日刊スポ賞中山金杯(G3) 18年中山記念(G2) 17年フジTVスプリングS(G2) 17年福島記念(G3) |
連対時 平均馬体重 | 471kg (最高:490kg) (最低:460kg) |
前走時馬体重 | 490kg |
POINT | |
母父アドマイヤコジーン、その父コジーンから遺伝した立派な腹袋。内蔵面が発達していることの証明で、イコール基礎体力に優れているとの見方も可能。デビュー時には450キロだった馬体重が、前走では490キロ。消化器が発達しているからこそ、食べた物をしっかりと身にすることが出来、豊かな成長力を示しているのだろう。全体の重心がやや下寄りなことからドッシリとした立ち姿で、スピードよりもパワーに秀でた造り。中山コースで好成績を挙げている点も納得、レース適性に関して言うことはなし。中山金杯は多少なりともゆとりを感じる仕上げだったが、今回は一度使った効果か腹周りはこの馬としてはスッキリと見せており、ムダ肉が削げた印象。相手は強くなるが、1週前でこの状態なら前走以上のパフォーマンスを発揮することが出来そう。引き続き好勝負に期待。 |
エポカドーロ
(牡4、栗東・藤原英厩舎)
父 | オルフェーヴル |
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母 | ダイワパッション |
母父 | フォーティナイナー |
通算成績 | 8戦3勝 |
重賞勝利 |
18年皐月賞(G1) |
連対時 平均馬体重 | 493kg (最高:498kg) (最低:490kg) |
前走時馬体重 | 490kg |
POINT | |
クビさしが太く、骨格全体に対する筋肉量も豊富。コンパクトにまとまった父オルフェーヴルよりも、母方の特徴が強く出た体型をしており、特に短く立った繋ぎ、蹄の構造は母父のフォーティーナイナーに近いものがある。道悪・荒れ馬場も苦にしない造りと言えるだろう。これまでも当コラムで取り上げたように、胴がやや詰まった体付き。ダービーで2着、秋は菊花賞にも出走したが、やはり本質的に適距離は1600~2000m辺りと見る。ただ腹袋が立派でパワーや底力に秀でており、胸の深さもあって心肺機能も高そう。ある程度、距離には融通が利くタイプと考えて良いだろう。菊花賞以来のレースとなるが、太め感も無く仕上がりは上々。磨き込まれた雰囲気ではないものの、力は出せる状態に整っている。 |
ステルヴィオ
(牡4、美浦・木村厩舎)
父 | ロードカナロア |
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母 | ラルケット |
母父 | ファルブラヴ |
通算成績 | 9戦4勝 |
重賞勝利 |
18年マイルチャンピオンS(G1) 18年フジTVスプリングS(G2) |
連対時 平均馬体重 | 464kg (最高:478kg) (最低:456kg) |
前走時馬体重 | 478kg |
POINT | |
ロードカナロア産駒は父に似た筋骨隆々なタイプと、比較的なだらかな筋肉の付き方をする馬に大別されるが、この馬は後者に分類される馬体構造。筋肉量は豊富だが、バランスの良さもあり非常に素軽い立ち姿を披露している。背中がやや短く、腹側が長く見える胴のライン。飛節の折りも深く、一瞬の切れ味、瞬発力に秀でた形だ。東京競馬場のような広いコースは勿論合っていると言えるが、近年は中山でも上がりの脚が問われるレースが多く、また頭数も少ないのであればより決め手の活きる展開になりそう。キ甲が伸びて骨格が成長したこともあり、脚質にも自在性が出て来た。今回は休み明けになるが、前走同様に肩周り、トモの下腿部には血管が浮き上がって馬体の張りは抜群。勝ち負けが期待出来る、良い状態でレースを迎えられそうだ。 |
馬体診断における基本ポイントを伝授!奥が深い馬体の世界に足を踏み入れてみよう!
スワーヴリチャード
(牡5、栗東・庄野厩舎)
父 | ハーツクライ |
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母 | ピラミマ |
母父 | Unbridled’s Song |
通算成績 | 13戦5勝 |
重賞勝利 |
18年大阪杯(G1) 18年金鯱賞(G2) 17年アルゼンチン共和国杯(G2) 17年共同通信杯(G3) |
連対時 平均馬体重 | 504kg (最高:520kg) (最低:492kg) |
前走時馬体重 | 510kg |
POINT | |
まず目に付くのが骨格に対する胴の長さ。父ハーツクライもサンデー系種牡馬の中では胴長の部類であり、長丁場を得意とする馬も多い。胴が長いと必然的にストライドも大きくなるため長く脚を使える一方、瞬間的な加速はやや苦手とされるが、この馬は飛節の折りが深く、500キロを超える大型馬ながら小脚も使うことが出来る。広いコースが合っているのは確かだが、大阪杯では早めに先頭に立って押し切るような心肺機能の高さを活かす競馬も見せているだけに、小回りコースでも割り引く必要は無いだろう。注目すべきは仕上がり。休み明けながら皮膚を薄く感じさせるほど馬体の張りを感じさせ、全身に血管が網目のように浮いている。銭型が出ているように代謝も良さそうで、昨秋のG1・2戦よりも良い状態に見える。当然、ココも主役級の評価を与えて良いだろう。 |
ディアドラ
(牝5、栗東・橋田厩舎)
父 | ハービンジャー |
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母 | ライツェント |
母父 | スペシャルウィーク |
通算成績 | 20戦7勝 |
重賞勝利 |
18年アイルランド府中牝馬(G2) 18年クイーンステークス(G3) 17年秋華賞(G1) 17年紫苑ステークス(G3) |
連対時 平均馬体重 | 476kg (最高:498kg) (最低:452kg) |
前走時馬体重 | 498kg |
POINT | |
背中側が短く、腹側が長く見える胴周り。このような体型をした馬は伸縮性に優れていることが多く、瞬間的に速い脚を使うことが出来る。2走前の府中牝馬Sでマークした上がりは32秒3、現役屈指の瞬発力を秘めている馬だ。骨格に対して胴の長さにゆとりがある馬なので、本質的には広いコース、直線の長いコースがベストだが、コーナーから加速する競馬もこなせる、今回の舞台でも問題なく力を発揮してくれるだろう。また、繋ぎが立っているため馬場不問で末脚を繰り出すことも出来るだろう。仕上がりに関して言えば、ドバイ遠征へのステップレースということもあって、馬体の張りや毛艶にはまだ良化の余地が感じられる。ココを使っての変わり身に期待したいところ。 |
ラッキーライラック
(牝4、栗東・松永幹厩舎)
父 | オルフェーヴル |
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母 | ライラックスアンドレース |
母父 | Flower Alley |
通算成績 | 7戦4勝 |
重賞勝利 |
18年チューリップ賞(G2) 17年阪神ジュベナイルF(G1) 17年アルテミスステークス(G3) |
連対時 平均馬体重 | 486kg (最高:494kg) (最低:480kg) |
前走時馬体重 | 510kg |
POINT | |
バランスの良さが光る、見栄えする立ち姿。折りの深い飛節は父オルフェーヴルから遺伝した特徴で、サンデー系に多く見られる形。瞬間的な加速を得意とする構造と言えるだろう。500キロ近い馬格があり、牝馬ながら迫力のある馬体を披露している。今回は初の中山コースだが、急坂にも力負けしないパワーを秘めていそうだ。秋華賞以来の実戦となるが、過去の立ち写真と比較して今回はややふっくらと見せる体付きで、目一杯仕上げて来たという雰囲気は感じられない。下腿部も昨春はもっと膨らみがあって、筋肉が盛り上がっていた印象がある。一叩きしてガラッと変わってきそうなイメージだ。少し辛口な評価になってしまったが、能力的には牡牝関係なくトップクラスとも渡り合える実力の持ち主。器用さ、レースセンスを活かした競馬が出来れば上位進出も。 |
中山記念
阪急杯