毎週、馬体FOCUSにて馬体診断を披露している某大手牧場の元スタッフが、YouTubeで更に詳しい解説を公開中!今すぐ見る⇒

中京記念

函館2歳S

カテドラル

(牡3、栗東・池添学厩舎)

ハーツクライ
アビラ
母父Rock of Gibraltar
通算成績6戦2勝
連対時
平均馬体重
472kg (最高:480kg)
(最低:464kg)
前走時馬体重476kg
POINT
母アビラの仔は大型馬が多く、半兄ジェベルムーサは550~560キロ、父が小柄なドリームジャーニーのアルカサルですら520キロほどの雄大な馬格を有していた。それらと比較するとコンパクトにまとまった体型をしているからこそ、マイルのスピードにも対応できるのだろう。ただ、父ハーツクライの影響もあり、背中の造りは骨格に対してゆとりがあるため、本質的には中距離が合っているタイプと見ている。2カ月ぶりのレースとなるが、前走時よりも筋肉の輪郭がハッキリと浮き上がっており、徐々にトモ高な面も解消されてきた。背中からトモにかけて銭型も浮き始め、毛艶も良好。代謝の良さが感じられる好仕上がり。
今週のイチオシ

グルーヴィット

(牡3、栗東・松永幹厩舎)

ロードカナロア
スペシャルグルーヴ
母父スペシャルウィーク
通算成績4戦2勝
連対時
平均馬体重
492kg (最高:500kg)
(最低:486kg)
前走時馬体重488kg
POINT
短く太いクビさしと盛り上がるように発達した胸前、トモの横幅も広く、筋肉が前面に主張したパワータイプの体つき。全体にどっしりとした、重心の低いフォルムをしており、高速決着よりも時計が掛かるような馬場・コース・展開で力を発揮しそうな体型だ。中京記念はマイル重賞の中でも比較的時計の掛かりやすいレースのため、前走よりも条件は合うだろう。繋ぎが短く立っており、ダートで2勝を挙げたことも納得できる脚元の造り。雨が降って道悪になっても問題なく能力を発揮できるだろう。腰高でキ甲のあたりを見てもまだ成長の余地が感じられるが、後肢の下腿部を始め前腕やひ腹周辺にも血管が浮き上がっており、馬体の張りが素晴らしい。腹周りも引き締まり1週前にしてキッチリ仕上がった印象。初の古馬相手でも注目の1頭だ。

プリモシーン

(牝4、美浦・木村厩舎)

ディープインパクト
モシーン
母父Fastnet Rock
通算成績10戦3勝
重賞勝利 18年関屋記念(G3)
18年フェアリーステークス(G3)
連対時
平均馬体重
485kg (最高:498kg)
(最低:470kg)
前走時馬体重498kg
POINT
真っ直ぐに伸びた直飛と、傾斜している斜尻は父ディープインパクト譲り。背中が短く腹側のラインが長く見える形で、後躯に向かって右上がりに引き締まっている。優れた瞬発力を長く発揮することのできる造りで、中京記念は末脚勝負になりやすいため脚質的に合うレースといえる。牝馬ながら前走時の馬体重が498キロと馬格に恵まれており、肩周りの筋肉は盛り上がるように発達している。パワーの必要な馬場にも対応可能な一方、素軽さを感じさせるシルエットのため、本質的には高速決着のほうが良さそうな印象。良馬場希望のタイプだ。栗東滞在で臨む一戦となるが、シルエットも変化することなく、ボリュームを感じさせる体つきで体調面は問題なさそう。銭型も浮き始めて代謝の良さを感じさせる。勝ち負けまで期待できる好仕上がり。

馬体FOCUS スペシャル

▲セレクトセール2019 現地で馬体診断!

ミエノサクシード

(牝6、栗東・高橋亮厩舎)

ステイゴールド
ハピネスフォーユー
母父A.P. Indy
通算成績27戦6勝
連対時
平均馬体重
450kg (最高:464kg)
(最低:442kg)
前走時馬体重466kg
POINT
前走時の馬体重が466キロ。ステイゴールド産駒らしくコンパクトにまとまった骨格をしているが、付くべきところに筋肉が付いているため、華奢な印象は感じない。背中側が短く、腹側が長く見える胴周りの構造で、後躯に向かって腹側のラインが引き締まっている。伸縮性に優れた追込馬に良くみられる体型で、安定した末脚はこの構造によるところが大きい。母父エーピーインディから遺伝したと考えられる立ち繋ぎで、クッション性にはやや欠ける一方、時計の掛かる荒れ馬場や道悪を苦にしない造り。中京芝は基本的に時計の掛かりやすいコースであり、最終週という点を考慮しても馬場はマッチしそう。中京記念は500キロ前後の馬格をした馬が強いため、本音を言えばもう少し馬格が欲しいところだが、侮れない1頭。下腿部には血管も浮き上がり、馬体の張りも申し分なし。

ロードクエスト

(牡6、美浦・小島茂厩舎)

マツリダゴッホ
マツリダワルツ
母父チーフベアハート
通算成績28戦4勝
重賞勝利 18年毎日放送賞スワンS(G2)
16年京成杯オータムハンデ(G3)
15年新潟2歳ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
451kg (最高:460kg)
(最低:444kg)
前走時馬体重464kg
POINT
全体のシルエットに対し、やや胴が詰まった体型をしている。トモに大きなスジが浮き、中身が詰まってきた。筋肉量が増加したことでより短距離志向が強まった雰囲気があり、現状ではマイルよりも1400mが合っている印象を受ける。元々の骨格が大きい馬ではないので、パワーよりも素軽さ、一瞬の切れ味で勝負するタイプと考えている。馬格の大きい馬が強い中京記念は本質的に合うレースとは言い難い。今回も右前蹄に充填剤を施されており、蹄自体も薄いので良馬場希望。栗東滞在で調整されているが、馬体の張りはG1の後で若干の緩さを感じさせる。ここを使って良くなりそうだ。

アザワク

(牝2、北海道・角川秀厩舎)

カレンブラックヒル
ヒバリエクスプレス
母父アグネスデジタル
通算成績2戦2勝
前走時馬体重472kg
POINT
腰高な面が目立つシルエットで、骨格はまだまだ成長段階。それでもデビューからの2連勝はともに圧倒的な内容で、能力の高さを感じさせる。前走時の馬体重が472キロ、父とほぼ同程度の馬格を有しているが、筋肉はココから更に発達する余地を秘めており、完成された暁には500キロ近くまで成長する可能性が高い。父よりもパワー寄りの印象があり、短距離志向も強い。飛節の折りが深いため、瞬間的に速い脚を使うことも可能。小回りの函館も苦にしないはずだ。問題は芝適性だが、脚元単体の造りを見る限り、繋ぎが立ち気味でダートが合う印象。ただ父カレンブラックヒルも同様に立ち繋ぎでありながら砂はからっきしだったため、こなせる下地は十分にある。下腿部にも血管が浮き馬体の張りは上々だ。

ケープコッド

(牝2、美浦・高柳瑞厩舎)

ダイワメジャー
ハーロンベイ
母父Elusive Quality
通算成績2戦1勝
連対時
平均馬体重
458kg (最高:458kg)
(最低:458kg)
前走時馬体重458kg
POINT
※抽選により除外
父ダイワメジャー譲りの発達した肩周りの筋肉が目を引く。母父にも米国ダート血統のイルーシヴクオリティが入っている影響で、筋肉が前面に主張した体つき。クビさしも短めで、短距離向きのスピードとパワーを生み出せる馬体構造だ。後肢の管がやや短く、サッと速い脚を使って抜け出す競馬が合っているイメージ。仙骨の角度も瞬発力型に多いとされる傾斜した「斜尻」で、前走は先行策で勝ち上がっているが、多頭数で控える競馬になっても鋭い末脚を発揮することができそう。函館2歳Sは意外に差し馬が健闘しており、このレースへの適性は高いはずだ。中1週続きになるが下腿部に血管が網目のように浮き上がっており、素晴らしい馬体の張りを見せている。腹周りはスッキリとしているものの細くはない。上位争いに期待したいところ。
今週のイチオシ

パフェムリ

(牝2、栗東・岡田厩舎)

ヴィクトワールピサ
タイヨウパフューム
母父ジャングルポケット
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
420kg (最高:420kg)
(最低:420kg)
前走時馬体重420kg
POINT
馬体重420キロと小柄な牝馬だが、胸前から肩にかけて立派な筋肉がついている。トモも横幅があり、大きなスジが浮いているように張りも十分。骨格はコンパクトだが、数字以上に迫力のある立ち姿を披露している。四肢・クビさしが短めで重心が低く、胴も詰まり気味で全体のシルエットが正方形に近い。スプリント向きの体型で、距離は1200mがベストの印象。函館2歳Sは開催最終日ということもあって、芝コースは時計の掛かる、パワーを要する馬場状態になる可能性が高い。馬格は小さくても力強いシルエットを披露しているこの馬にとって絶好のコンディションになるだろう。後肢の下腿部は血管が浮いているだけでなく、膨らみを感じさせるほどの張りを見せており、薄っすらと肋骨が感じられるように腹周りも引き締まっている。勝ち負けが見込める好仕上がりだ。

馬体FOCUS スペシャル

▲セレクトセール2019 現地で馬体診断!

ビアンフェ

(牡2、栗東・中竹厩舎)

キズナ
ルシュクル
母父サクラバクシンオー
通算成績2戦1勝
連対時
平均馬体重
504kg (最高:506kg)
(最低:502kg)
前走時馬体重506kg
POINT
前走時の馬体重が506キロ。2歳7月にして雄大な馬格を見せており、半姉ブランボヌールとは全くイメージが異なる。姉はこのレースを432キロで制したように、前脚も短く母父サクラバクシンオーの短距離適性が随所に感じられる体型をしていたが、この馬は前肢をスラっと見せており、胴周りの構造も比較的ゆったりとしている。飛節も真っ直ぐに伸びた直飛で、本質的には広いコースが合っているのではないだろうか。1200m戦を二度使われて勝ち上がっているが、本質的にはもう少し距離が延びて持ち味が活きそうな体つき。裏を返せば適性外の条件であってもスピード能力が高いが故にこなせているとも考えられ、素質的には重賞でも十分通用して良い。繋ぎが長めで、できれば良馬場希望のタイプ。皮膚を薄く感じさせるほど馬体の張りも上々で、問題なく力を発揮できる状態だ。

リュウノゲキリン

(牡2、栗東・牧田厩舎)

グランプリボス
ケイアイミサイル
母父スペシャルウィーク
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
482kg (最高:482kg)
(最低:482kg)
前走時馬体重482kg
POINT
全体のシルエットを見る限り、胴の造りは窮屈とは感じないが、肩のラインが立っているため、前肢の可動域はそう広くないと見た。その代わり、掻き込みは強そうなタイプのため、ダートで新馬勝ちを挙げた点も納得できる。繋ぎは短めで角度も地面と垂直に近く、砂から脚を抜き上げることに対してロスの無い構造をしている。ダート向きで、芝の荒れ馬場にも対応できそうな造りをしているため、最終週の洋芝ならノーマークにはできない。飛節の折りが深い曲飛で、ピッチが利く分小回りの函館は得意な部類に入るはず。青鹿毛の馬体が黒光りしており、毛艶の見栄えはこの馬が一番。全身に血管が浮いていて筋肉の張りも申し訳なく、一発あっても驚けない。

レッドヴェイパー

(牝2、栗東・安田隆厩舎)

キンシャサノキセキ
レジェンドトレイル
母父フレンチデピュティ
通算成績1戦1勝
連対時
平均馬体重
412kg (最高:412kg)
(最低:412kg)
前走時馬体重412kg
POINT
デビュー戦の412キロという馬体重が示すように、立ち写真からも細身な印象が伝わってくる。牝馬らしいシャープな体つきをしているが、肩周りの筋肉にはスジが何本も浮き上がっているように水準以上の筋肉量も秘める。キンシャサノキセキ産駒はボリューム感があって胴も詰まり気味の馬が多い印象だが、この馬は伸びがあって距離延長も問題なさそう。これは近親の活躍馬キングストレイルにも見られた特徴で、母系の影響が強く発現している体型だ。飛節の折りが深いため小脚も使えるが、本質的には持続力で勝負するタイプの胴周りと考えられる。前走のように早め先頭の競馬が現状ベストか。腰高な面が目立つため、本当に良くなってくるのはまだまだ先になりそうだが、ムダ肉の無い仕上がりで自身の力は発揮できるはずだ。
競馬ラボに掲載されている記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。