毎週、馬体FOCUSにて馬体診断を披露している某大手牧場の元スタッフが、YouTubeで更に詳しい解説を公開中!今すぐ見る⇒

アイビスSD

クイーンS

カイザーメランジェ

(牡4、美浦・中野栄厩舎)

サクラオリオン
サクラジュレップ
母父サクラプレジデント
通算成績24戦5勝
重賞勝利 19年函館スプリントS(G3)
連対時
平均馬体重
459kg (最高:472kg)
(最低:446kg)
前走時馬体重472kg
POINT
父サクラオリオンは現役時代に2000m重賞を2勝と中距離で活躍したが、この馬は胴がやや詰まり気味の体型をしており、全体のシルエットは正方形に近い。クビの長さも短く、短距離で結果を残していることも納得できる馬体構造だ。飛節はやや折れ気味で角度が付いており、瞬間的に速い脚を繰り出すこともできる。前走時で馬体重472キロ。馬格は平均的だが、良い意味でコンパクトにまとまっている分、小回りコースのような器用さが問われる舞台が合っているイメージ。長く良い脚を使う必要のある新潟千直では脚の使いどころがカギになりそうだ。今回が初の立ち写真で過去との比較はできないが、後肢の下腿部には血管も浮いているように馬体に張りが感じられ、腹周りもスッキリ。問題なく力を発揮できる状態と見た。

ダイメイプリンセス

(牝6、栗東・森田厩舎)

キングヘイロー
ダイメイダーク
母父ダンスインザダーク
通算成績27戦6勝
重賞勝利 18年アイビスサマーD(G3)
連対時
平均馬体重
498kg (最高:508kg)
(最低:490kg)
前走時馬体重506kg
POINT
牝馬ながら500キロを超える大型馬で、迫力のある立ち姿を披露している。折りの深い曲飛で、後肢のピッチが利くタイプ。一般的に短距離馬は胴や脚が短めな馬が向いている一方、この馬は全体的にゆったりと見せる体型をしていて、胴周りにも伸びがある。特に当レース含め3勝を挙げているように千直競馬を得意としているが、このコースはテンの加速力とトップスピードを持続する能力を必要とするため、構造的に特性が活きる条件なのだろう。レース適性に関しては文句なし。馬体重こそ大きく変わらないものの、今年に入って全体にボリュームアップした印象。結果が出ていた昨夏はもっと細身な体型を披露していただけに、この馬はシャープな仕上げの方が合っているのかもしれない。毛艶や馬体の張りは問題なく、体調は良さそう。

ビップライブリー

(牡6、栗東・清水久厩舎)

ダイワメジャー
フローラルグリーン
母父フォーティナイナー
通算成績29戦6勝
重賞勝利 19年春雷ステークス(L)
連対時
平均馬体重
456kg (最高:466kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重476kg
POINT
発達した胸前の筋肉と、傾斜した仙骨の形状、丸みのある胴周りの構造は父ダイワメジャーと良く似ている。骨格に対して胴は窮屈とまではいかないものの、馬体のシルエットは正方形に近く、コンパクトにまとまっている。基本的にコーナーのあるコースで器用さを活かした競馬が合っているタイプなので、トップスピードを維持する必要がある千直競馬への適性は高くないと見た。繋ぎが短く立っており、時計が掛かる道悪馬場もこなせそうだ。前走は休み明けで馬体重を10キロ増やしていたが、1週前の立ち姿からも太いとは感じさせず、好仕上がりを示していた。大きな変わり身は感じないものの、デキはキープしている印象で力は発揮できるだろう。
今週のイチオシ

ライオンボス

(牡4、美浦・和田郎厩舎)

バトルプラン
ウーマンインレッド
母父ステイゴールド
通算成績12戦4勝
連対時
平均馬体重
527kg (最高:538kg)
(最低:518kg)
前走時馬体重538kg
POINT
馬体重530キロを超す大型馬。胸前の筋肉は丸みを帯びて肉付きが良く、トモも横幅があって容量が大きい。後肢下腿部も膨らみを感じるほど発達している。昨年スプリントG1を2勝したファインニードルも同様の造りをしていて、現役トップクラスのスピード能力を秘めていることが分かる。飛節の折りが深い曲飛のため、瞬間的な加速も得意。過去に逃げて全4勝を挙げているが、テンの速さはこの後肢の造りによる部分が大きい。全体のシルエットに対し胴周りは窮屈に見せない構造をしているため、トップスピードを維持したまま走り切ることができる。千直競馬で求められる要素を満たした馬体で、このレースへの適性はピカイチ。2か月ぶりの実戦になるが、肋骨も薄っすらと浮いてムダ肉無く仕上がっている。馬体の張り・毛艶も申し分なく、勝ち負けに期待。

ラブカンプー

(牝4、栗東・森田厩舎)

ショウナンカンプ
ラブハート
母父マイネルラヴ
通算成績16戦2勝
連対時
平均馬体重
429kg (最高:436kg)
(最低:424kg)
前走時馬体重442kg
POINT
牝馬らしい華奢な体型をした馬。パワーよりも軽快なスピード・素軽さが持ち味で、トップスピードの絶対値は高い。蹄の角度も平たく、良馬場・高速決着向きの構造をしている。背中が短くピッチの利いた走りをすることができる=加速力に優れている一方で、飛節は真っ直ぐに伸びており、後肢自体も長いため、得たスピードを余すことなく維持することも可能。昨年も2着に好走しており、レース適性に関しては文句なし。今年に入って3走連続シンガリ負けを喫しているが、シルクロードSでは余裕残し+冬毛が出ており、高松宮記念でもまだ良化途上といった雰囲気だった。今回も昨夏の好調期と比較すると物足りなさは残っているが、腹周りはスッキリして、より動ける状態には仕上がっている。

レジーナフォルテ

(牝5、美浦・佐藤吉厩舎)

アルデバラン2
ナイキトライアンフ
母父ボストンハーバー
通算成績29戦5勝
連対時
平均馬体重
491kg (最高:500kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重498kg
POINT
牝馬ながら500キロ近い立派な馬格を有しているが、シルエットも前後に伸びがあって窮屈に見せず、重苦しさも感じない。トモの筋肉にもスジが浮き上がり、横幅もあって容量が大きい。豊かなスピードを生み出すことが可能だ。曲飛節でピッチが利くためテンのダッシュ力にも優れており、ゆとりある胴でそのスピードを維持することができる。速いスピードを維持する必要のある千直競馬への適性は馬体がハッキリ示していると言っても過言ではない。中1週で昨年よりもハードなローテーションでの参戦となるが、腹周りはスッキリとムダ肉なく仕上がっており、下腿部にも血管が浮き上がってデキは今年の方が良さそうな印象。左前蹄に小さな補修跡が窺えるものの、競走能力に影響するレベルではなく、上位争いが期待できる好仕上がりだ。
今週のイチオシ

オールポッシブル

(牝5、栗東・高橋亮厩舎)

ダイワメジャー
シーズインポッシブル
母父Yankee Victor
通算成績20戦5勝
連対時
平均馬体重
483kg (最高:494kg)
(最低:464kg)
前走時馬体重494kg
POINT
※立ち写真は2歳時
今回、立ち写真の撮影はなかったものの、馬体構造から注目したいのがこの馬。父ダイワメジャーから遺伝したと考えられる曲飛節で、瞬間的な加速を得意とする形。トモは横幅があって容量も大きく、スタート直後のダッシュ力はかなりのモノを秘めていそうだ。今回は初の千直競馬となるが、スタートセンスが良いのでスピード負けはしないはず。馬体重が前走時で494キロと牝馬の中でも馬格に恵まれており、骨格も大きい。胴周りの造りもゆったりとしていて、初速で得たスピードを持続する競馬が合っているイメージ。近走は2~3ヶ月に1走というペースで出走しているが、今回は中1週と間隔を詰めて使って来た。休み明けでも動けるタイプとはいえ、順当に一度使った上積みも期待できる。高配当の使者として覚えておきたい1頭だ。
今週のイチオシ

ウラヌスチャーム

(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)

ルーラーシップ
アメジストリング
母父フジキセキ
通算成績13戦4勝
連対時
平均馬体重
494kg (最高:500kg)
(最低:484kg)
前走時馬体重496kg
POINT
父ルーラーシップから遺伝したゆとりのある胴周りと、長い後肢が特徴的。3歳時は骨格が未完成でトモ高な面が目立っていたが、キ甲が伸びてバランスの良いシルエットに変化してきた。デビュー時と前走時の馬体重はほとんど変わらないものの、見た目に完成度が高まった印象で、着実に成長していることが窺える。500キロ近い馬体重で、肩周りの筋肉が盛り上がるように発達。牡馬にも見劣らない力強さ溢れる好馬体を披露しており、中央場所よりもパワーが必要とされる札幌の洋芝も問題なくこなしてくれるだろう。実際、クイーンSは2年連続で490キロ台の馬が勝利を収めており、馬格のあるパワータイプが強い。4か月ぶりのレースとなるが、下腿部には網目のように血管が浮き上がり、腹周りにも緩さを感じない好仕上がり。勝ち負けに期待したいところ。

サトノガーネット

(牝4、栗東・矢作厩舎)

ディープインパクト
ビートリックスキッド
母父Victory Note
通算成績12戦4勝
連対時
平均馬体重
430kg (最高:438kg)
(最低:424kg)
前走時馬体重428kg
POINT
前走時の馬体重が428キロ。胴の造りを見ても細身に映り、牝馬らしい華奢な体型をした馬だ。3走前には上がり32秒9をマークしているように素軽い瞬発力が武器である一方、純粋な筋肉量が少ないため、高速決着よりも時計がある程度掛かる条件が合っているイメージ。繋ぎの角度は立ち気味で、多少の馬場悪化ならこなせると見た。父ディープインパクトは真っ直ぐに伸びた直飛が特徴的だが、この馬は飛節が緩やかに傾斜した曲飛で、より瞬間的な加速も可能。コーナー4つで器用さの問われる舞台が良さそうだ。決して見栄えのする馬体の持ち主ではないものの、トモの筋肉にもスジが浮き、引き締まりつつ細すぎない好仕上がりだ。

スカーレットカラー

(牝4、栗東・高橋亮厩舎)

ヴィクトワールピサ
ヴェントス
母父ウォーエンブレム
通算成績13戦2勝
連対時
平均馬体重
444kg (最高:464kg)
(最低:436kg)
前走時馬体重470kg
POINT
父譲りの折りが深い曲飛で、サッと速い脚を使える回転力を秘めている。牝馬の中ではやや硬めでしっかりとした筋肉の質をしているだけに、究極の上がり勝負では分が悪いものの、前走のようにペースが流れる展開ならしっかりと差し脚を伸ばすことができる。洋芝の札幌は中央場所よりもやや上がりが掛かりやすいので、条件的には合っている印象。体型的にはマイル向きの構造だが、前走では2000mの距離も克服。1ハロンの距離短縮は好材料と見ていいだろう。繋ぎは短く立っているが、蹄がとにかく薄い。水分を含んだ馬場はノメってしまいそうで、雨は降って欲しくない。デビュー時から30キロ以上馬体重を増やしており、全体にボリュームアップした印象があり、成長著しい。筋肉の張りや引き締まった腹周りもキープしており、引き続き注目の1頭。

ダノングレース

(牝4、美浦・国枝厩舎)

ディープインパクト
チェリーコレクト
母父Oratorio
通算成績11戦4勝
連対時
平均馬体重
424kg (最高:432kg)
(最低:414kg)
前走時馬体重422kg
POINT
バランスの整った正方形のシルエットで、骨格的にはマイラーのイメージが強い。前走時で422キロと小柄な馬だが、全体的に筋肉の輪郭が明瞭に浮き上がっており、肩周りにも血管が浮いて見えるように皮膚の薄さを感じさせる。フレームに対してしっかりと筋肉が付いているので、非力な印象は感じない。斜尻直飛で長く良い脚を使える後肢の造りをしているが、小柄で機動力があるので、コーナー4つの舞台も苦にしない。毛艶に光沢があり代謝の良さを感じさせ、体調は文句なしに良さそうだ。シャープな馬だけに仕上がりやすく、1週前の段階で肋骨が薄っすら感じ取れるほど。このまま馬体を維持できれば本番も楽しみだ。

フロンテアクイーン

(牝6、美浦・国枝厩舎)

メイショウサムソン
ブルーボックスボウ
母父サンデーサイレンス
通算成績26戦3勝
重賞勝利 19年中山牝馬ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
461kg (最高:480kg)
(最低:444kg)
前走時馬体重480kg
POINT
父譲りの大きな腹袋を持っており、全体にどっしりとした印象のある立ち姿。上がりの掛かる展開やコース・馬場向きで、底力を要する舞台を得意とするだけに、究極の瞬発力が問われる前走のヴィクトリアマイルは厳しい条件だった。今回は時計の掛かりやすい洋芝の札幌で、条件替わりは大幅プラスだろう。前走時の馬体重が480キロと牝馬の中でも馬格があり、昨年は2着と好走。典型的なクイーンS向きのタイプだ。6歳牝馬で今回がキャリア27戦目とコンスタントに数を使われているが、馬体を見る限り筋肉の張りも上々で、全く消耗している雰囲気は感じられない。2か月ぶりの実戦でも太め感なく仕上がっており、毛艶も光って体調の良さを示している。巻き返しは必至だ。

ミッキーチャーム

(牝4、栗東・中内田厩舎)

ディープインパクト
リップルスメイド
母父Dansili
通算成績10戦4勝
重賞勝利 19年サンスポ杯阪神牝馬S(G2)
連対時
平均馬体重
449kg (最高:458kg)
(最低:436kg)
前走時馬体重446kg
POINT
均整の取れたシルエットで、バランスが整って見栄えする立ち姿。飛節の角度が折れている曲飛で、直飛の父ディープインパクトとは似ていない。父の産駒にしては後肢のピッチが利き、テンのスピード乗りが良く、安定した先行策を取ることができる。曲飛はサッと速い脚を使うことも可能な造りのため、勝負どころで後続を突き放す瞬発力も兼ね備えた理想的な逃げ先行タイプ。前走時の馬体重が446キロ。昨夏にこのコースで勝利を挙げているが、このレースは馬格のあるパワータイプが有利。できればスピード勝負に持ち込みたいところ。中内田厩舎は細身な仕上げを施してくる傾向が強いが、今回は腹周りをふっくらと見せており、全体的にボリュームアップしてきた印象。元々シャープな馬でもあり、造りが変化したことによる変わり身に期待したい。
今週のイチオシ

ウインファビラス

(牝6、美浦・畠山吉厩舎)

ステイゴールド
サマーエタニティ
母父アドマイヤコジーン
通算成績29戦2勝
連対時
平均馬体重
455kg (最高:478kg)
(最低:444kg)
前走時馬体重484kg
POINT
※立ち写真は2016年オークス時
今回、立ち写真の撮影はなかったものの、馬体構造から注目したいのがこの馬。デビュー当初から3歳春までは440~450キロほどと牝馬らしい華奢な体つきをしていたが、前走の巴賞では自己最高馬体重の484キロを計測したように、30キロ以上ボリュームアップした。父ステイゴールドは自身が小柄だったこともあり産駒もコンパクトにまとまった馬が良く見られる一方で、同時に成長力にも長けているため、古馬になってからもう一段階パワーアップすることも多い。昨年暮れに中山芝1800mで勝利を収めているようにパワーを要する舞台向きのタイプで、他場よりも時計を要する傾向にある洋芝の札幌芝は合いそうなイメージ。6歳でも力は衰えていないはずで、一発に期待したいところ。
競馬ラボに掲載されている記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。