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京成杯AH

セントウルS

クリノガウディー

(牡3、栗東・藤沢則厩舎)

スクリーンヒーロー
クリノビリオネア
母父ディアブロ
通算成績7戦1勝
連対時
平均馬体重
488kg (最高:492kg)
(最低:480kg)
前走時馬体重480kg
POINT
前走時の馬体重が480キロ。デビュー戦が492キロでの出走だったので徐々に減っている形にはなるものの、腰高な印象が目立った春先の立ち姿と比較して、バランスが良くなってきた。現状でも十分な肉付きを披露しているが、トモの筋肉はまだまだ膨らみが出てきそうな印象がある。今後さらに逞しい体つきへと変化していくのではないだろうか。飛節は、くの字に折れている「曲飛」で、背中側よりも腹側が長く見える胴の造りをしている。瞬間的に速い脚を繰り出せる構造で、溜めて末脚を活かす競馬の方が合いそうだ。この中間も坂路で一杯に追われている効果か、1週前の時点で腹周りはスッキリと見せている。レース当日に大きく体を減らしていないようなら楽しみだ。

グルーヴィット

(牡3、栗東・松永幹厩舎)

ロードカナロア
スペシャルグルーヴ
母父スペシャルウィーク
通算成績5戦3勝
重賞勝利 19年トヨタ賞中京記念(G3)
連対時
平均馬体重
492kg (最高:500kg)
(最低:486kg)
前走時馬体重490kg
POINT
父ロードカナロア、その父キングカメハメハから遺伝したキングマンボ系特有の横幅が広いトモ。骨格が横に広い=より多くの筋肉を携えることができるため、後躯は力強い印象がある。ただ、元々後肢が長い馬とはいえ、腰高なシルエットが目立つ。キ甲もまだ伸びそうな雰囲気があり、筋肉量が豊富で立派に見せている一方で、骨格面では成長の余地がありそうだ。直線に坂のある中京で勝利を収めているが、中山は中京よりも急勾配かつ直線も短いため、瞬間的に速い脚を繰り出して坂を登る必要がある。前走はエンジンが掛かるまで追っ付けて加速していたように、しぶとい脚を武器とする馬のため、今回は勝負どころでのポジション取りがカギになりそうだ。引き続き後肢の下腿部には血管が浮き上がり、筋肉の張りは上々。仕上がりに関して不安点は見当たらない。

ディメンシオン

(牝5、栗東・藤原英厩舎)

ディープインパクト
ミスペンバリー
母父Montjeu
通算成績12戦5勝
連対時
平均馬体重
449kg (最高:458kg)
(最低:440kg)
前走時馬体重462kg
POINT
飛節が真っ直ぐに伸びた直飛の父ディープインパクトとは対照的に、この馬は飛節がくの字に折れた「曲飛」で後肢の回転が速い。ただ、長方形に映るシルエットを見ても分かるように、胴やクビの長さが主張している造り。身のこなしが軽い牝馬であるため一定レベルの切れは秘めているが、瞬発力に特化している印象はあまり受けない。京成杯AHは瞬発力タイプに向いているレースのため、ある程度の位置を確保したいところ。トモも横幅より縦幅が長く、爆発的な加速よりも、長く良い脚を使うような展開が向きそう。また、本質的には平坦向きの印象もある。前腕や後肢の下腿部には網目のように血管が浮いていて、皮膚を薄く見せているように、馬体の張りは申し分ない。状態の良さで上位進出を狙う。

トロワゼトワル

(牝4、栗東・安田隆厩舎)

ロードカナロア
セコンドピアット
母父ハーツクライ
通算成績13戦4勝
連対時
平均馬体重
461kg (最高:468kg)
(最低:458kg)
前走時馬体重466kg
POINT
横幅が広く、膨らむように発達したトモの筋肉が目を見張る。父ロードカナロア譲りのキングマンボ系らしい構造で、後躯で大きなエネルギーを生み、推進力を得ることができる造りだ。飛節もカーブを描く曲飛で、後肢はピッチが利くタイプ。この構造のおかげでスプリント戦でもサッと好位置に付け、鋭い決め脚を繰り出すことができる。近走は1400m以下の短い距離を使われているが、マイル戦で新馬勝ちしており、骨格に対して胴がやや長めに映るため今回も距離自体はこなせるだろう。ただ回転力の速い後肢で得た推進力を胴の長さで生かしているため、この距離で近走同様の脚が使えるかどうか。1200~1400mのスプリント戦でこそ決め手が活きてくる印象もある。背中に銭型が浮いており、デキの良さが伝わってくる。溜めが利いた時の食い込みに警戒しておきたい。

プロディガルサン

(牡6、美浦・国枝厩舎)

ディープインパクト
ラヴズオンリーミー
母父Storm Cat
通算成績23戦3勝
連対時
平均馬体重
506kg (最高:520kg)
(最低:486kg)
前走時馬体重514kg
POINT
筋肉量、骨格とも雄大なディープインパクト産駒で、トモの横幅も広く容量が大きい。東京や新潟で活躍している印象が強いが、後躯のパワーに優れているため、中山の急坂でも減速せず一気に駆け上がることができそうだ。背中が短く、腹側が長く見える胴周りは伸縮性に優れており、瞬間的に速い脚を繰り出せる瞬発力を秘めている。上がり勝負になりやすい近年の京成杯オータムハンデでは有利に働きそう。飛節は真っ直ぐに伸びている「直飛」で持続力に長けている造りをしているため、勝負どころで脚を余すことなく使うような、スムーズな競馬が理想的。前走時も背中に銭型が浮いていたように体調面の良さが目立っていたが、今回も毛艶が良く、馬体の張りも上々。引き続き良い状態をキープしており、力を十二分に発揮できる仕上がりだ。
今週のイチオシ

ロードクエスト

(牡6、美浦・小島茂厩舎)

マツリダゴッホ
マツリダワルツ
母父チーフベアハート
通算成績30戦4勝
重賞勝利 18年毎日放送賞スワンS(G2)
16年京成杯オータムハンデ(G3)
15年新潟2歳ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
451kg (最高:460kg)
(最低:444kg)
前走時馬体重462kg
POINT
飛節がくの字に折れた「曲飛」で、後肢の回転力に優れた形をしている。背中が短く、腹側が長く見える体型は胴の伸縮性に長けている証で、瞬発力という点では今回立ち写真のある馬の中でも一番と言える。瞬発力勝負になりやすい改修後の京成杯オータムハンデにマッチした馬体構造だ。前走時の馬体重が462キロと牡馬の中では平均的、オープン馬ということを考えると比較的コンパクトにまとまっているが、骨格全体に対してトモの大きさが目立つ。中山の急坂も苦にせず、一気に駆け上がることができる。2016年の勝ち馬で、昨年は4着に敗れているが直線で捌き切れなかったことが主な敗因か。過去、他に好走した馬体との共通点も多く、レース適性は文句なし。気になるのは状態面だが、トモは近走で最も膨らみがあり、衰えは感じない。得意の舞台で復活に期待。

アンヴァル

(牝4、栗東・藤岡健厩舎)

ロードカナロア
アルーリングボイス
母父フレンチデピュティ
通算成績15戦4勝
連対時
平均馬体重
458kg (最高:470kg)
(最低:446kg)
前走時馬体重474kg
POINT
全体的に筋肉量が豊富なこともあり、胴が詰まり気味に映る正方形のシルエット。前脚も短めでピッチが利き、立ち姿からはいかにも短距離馬といった印象を受ける。セントウルSは直線に坂があり一般的に時計がやや掛かる傾向にある阪神コースで行われるため、純粋なスピードだけでなくパワーも必要なレース。この馬は骨格に対して肉付きが良く、十分上位を狙える力があるはずだ。1年ぶりの立ち写真となるが、昨年よりも全体的にボリュームアップした印象があり、馬体はほぼ完成された印象だ。腹袋が立派なタイプで太目に映りがちな馬ではあるものの、皮膚の張りツヤは上々で、仕上がりに関して不安はない。繋ぎは立ち気味だが蹄がやや薄いため、雨は降らないで欲しいところ。

イベリス

(牝3、栗東・角田厩舎)

ロードカナロア
セレブラール
母父ボストンハーバー
通算成績7戦3勝
重賞勝利 19年アーリントンカップ(G3)
連対時
平均馬体重
453kg (最高:454kg)
(最低:452kg)
前走時馬体重450kg
POINT
アンヴァルと同じロードカナロア産駒だが、コチラは全体的にシャープな印象を与える立ち姿。付くべきところには筋肉がしっかり付いているものの、クビさしやスッキリとした腹周りは牝馬らしい素軽さがある。背中が短く、胴の長さ自体も詰まっている。アーリントンCでは逃げ切り勝ちを披露したが、サッと速い脚も繰り出せる造りをしているので、流れ次第では控える競馬をさせても面白い。肩周りから前腕、そして後肢の下腿部には網目のように血管が浮いており、皮膚を薄く見せるほど馬体の張りが良い。NHKマイルC以来4ヶ月ぶりの実戦となるが、腹周りを見てもキッチリと仕上がっており、能力発揮に不安はなさそうだ。

カイザーメランジェ

(牡4、美浦・中野栄厩舎)

サクラオリオン
サクラジュレップ
母父サクラプレジデント
通算成績26戦5勝
重賞勝利 19年函館スプリントS(G3)
連対時
平均馬体重
459kg (最高:472kg)
(最低:446kg)
前走時馬体重462kg
POINT
父サクラオリオンは現役時代に2000m重賞を2勝と中距離で活躍したが、この馬は胴がやや詰まり気味の体型をしており、全体のシルエットは正方形に近い。クビも短めで、短距離路線で結果を残している点も納得。函館スプリントSを472キロで制しているようにスプリンターの中ではずば抜けた馬格ではないものの、付くべきところにしっかりと筋肉が付いており、バランスの良さを感じさせる。比較的コンパクトにまとまっているので、2走前の千直のような持続力を問う舞台よりも、器用な立ち回りを活かせるコーナー2つの半周コースが合っているイメージ。キーンランドCは馬体減もあり12着と敗れたが、舞台としては悪くなかった印象。コンスタントに出走を重ねているためさすがに大きな上積みまでは感じないが、毛艶や馬体の張りは悪くなく、力は出せるはず。

ダイメイプリンセス

(牝6、栗東・森田厩舎)

キングヘイロー
ダイメイダーク
母父ダンスインザダーク
通算成績29戦7勝
重賞勝利 19年TV西日本北九州記念(G3)
18年アイビスサマーD(G3)
連対時
平均馬体重
498kg (最高:508kg)
(最低:490kg)
前走時馬体重500kg
POINT
前走時の馬体重が500キロちょうどと、牝馬ながら立派な馬格を誇る。横幅の広いトモと、肉付きの良い肩周りの筋肉はさすが一線級で活躍しているスプリンター。スピードと同時にパワーが必要なセントウルSにおいて強みになるはずだ。昨年は当レースを回避しているが、適性は高いと見ている。飛節の折りも深く後肢のピッチが利く一方、短距離馬の中では胴に伸びがある体型をしており、スピードの持続力に長けている。前走の北九州記念では外枠から脚を余すことなく外を回って進出していたように、この馬の持ち味を最大限に生かした好騎乗だった。今回も伸び伸びと走らせてあげることで高いパフォーマンスを見せてくれるはず。できれば外枠が欲しい。激走後の反動も感じさせず、毛艶や馬体の張りも上々。大きな上積みは感じないが力は問題なく発揮できそうだ。

ファンタジスト

(牡3、栗東・梅田智厩舎)

ロードカナロア
ディープインアスク
母父ディープインパクト
通算成績8戦3勝
重賞勝利 18年京王杯2歳ステークス(G2)
18年小倉2歳ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
467kg (最高:484kg)
(最低:448kg)
前走時馬体重482kg
POINT
春はクラシック路線を歩んでいたが、父ロードカナロアから遺伝した豊富な筋肉量と、骨格全体に対して詰まり気味の胴はいかにも短距離向きのイメージ。前走の北九州記念は14着と大敗してしまったものの、本質的にはスプリント戦に適性があると考えている。春よりもキ甲が伸び、馬体のバランスが良くなった。どちらかといえば素軽い走りで勝負するタイプで、馬力の必要なセントウルSではもう少しボリュームアップが欲しいところではあるものの、馬体重は新馬戦から30キロ以上増えており、より筋肉が主張する体型へと変化している。これからまだ馬体が成長する余地は残されており、キッカケ一つで復活する可能性も十分にある。前走時は若干余裕残しの印象だったが、今回は幾分軽さを感じさせるシルエットをしているので、より動ける態勢になってきた。銭型も浮いているように代謝の良さも示しており、巻き返しに期待。
今週のイチオシ

ミスターメロディ

(牡4、栗東・藤原英厩舎)

Scat Daddy
Trusty Lady
母父Deputy Minister
通算成績10戦4勝
重賞勝利 19年高松宮記念(G1)
18年中スポ賞ファルコンS(G3)
連対時
平均馬体重
483kg (最高:492kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重492kg
POINT
デビューからの4戦はダートで走っていたように骨量・筋肉量は共に豊富で、馬体重(前走時492キロ)以上の迫力を感じさせる。しかし決して重苦しさはなく、立ち姿からは素軽さも感じるため、1分7秒3の高速決着となった高松宮記念にも対応できたのだろう。セントウルSは馬格そのものの大きさよりも、フレームに対して豊富な筋肉量を携えている馬が好成績を残しており、高松宮記念ともリンクしやすい。当レースへの適性は高いと見た。藤原英厩舎はひと叩きして馬が良くなる傾向があるものの、約5ヶ月ぶりのレースながら太め感なく仕上がっており、下腿部にも血管が網目状に浮き上がっているように馬体の張りも申し分ない。いきなり力を出せる状態にあると見た。
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