【秋華賞】元大手牧場スタッフの評価トップ3+特注馬を発表!
2019/10/6(日)
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エスポワール
(牝3、栗東・角居厩舎)
父 | オルフェーヴル |
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母 | スカーレット |
母父 | シンボリクリスエス |
通算成績 | 5戦3勝 |
連対時 平均馬体重 | 475kg (最高:486kg) (最低:468kg) |
前走時馬体重 | 478kg |
POINT | |
牝馬らしい細身な印象を保ちつつ、筋肉の輪郭が明瞭に浮き上がった馬体を披露しており、全体のバランスも整っている。立ち姿からは高い素質を感じさせ、同世代の牝馬同士ならG1でも十分通用する能力を秘めていそうだ。胴周りは窮屈に見せないものの、腹側に対して背中が短く映る体型をしているため、瞬発力を生かすレーススタイルが合っている。胸が深く外貌からも心肺機能の高さが窺え、2000m前後の中距離向きの印象。瞬間的に繰り出せる脚も秘めており、決して不器用な馬ではないので、内枠ならなお良い。蹄の角度が地面に対して立っているので、高速決着への対応がカギになりそうだ。雨が降ったなら要注目。肋骨が薄っすら感じられ、後肢の下腿部にも太い血管が浮いており、馬体の張りも上々。好仕上がりでレースを迎えることができそうだ。 |
カレンブーケドール
(牝3、美浦・国枝厩舎)
父 | ディープインパクト |
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母 | ソラリア |
母父 | Scat Daddy |
通算成績 | 7戦2勝 |
連対時 平均馬体重 | 465kg (最高:470kg) (最低:460kg) |
前走時馬体重 | 464kg |
POINT | |
母父がストームキャット系のスキャットダディで血統的には短距離色が強いものの、胴周りの造りはゆったりとしており、全体のフレームに対してやや長めに映る体型。瞬発力よりも持続力に優れたタイプの構造で、ペースが流れやすく持続力が問われる秋華賞において有利な馬体と言えるだろう。今回は追い切りで落鉄して装蹄までの間を保護するためにプロテクターを着用しているが、オークス時の写真を見ても分かるように、蹄がかなり薄い。地面との接触面積が大きく、接触時間が長い分より大きなパワーを地面に伝えることができるため、踏ん張りの利く締まった高速馬場を得意とするタイプ。秋華賞は開幕2週目で高速決着になりやすいため、良馬場ならスピードを遺憾なく発揮できるはずだ。腹周りはオークス2着時よりも引き締まって見えるほどで、毛艶も良い。筋肉の張りも申し分のない状態で、勝ち負けが期待できる素晴らしい仕上がりだ。 |
クロノジェネシス
(牝3、栗東・斉藤崇厩舎)
父 | バゴ |
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母 | クロノロジスト |
母父 | クロフネ |
通算成績 | 6戦3勝 |
重賞勝利 |
19年デイリー杯クイーンC(G3) |
連対時 平均馬体重 | 437kg (最高:440kg) (最低:436kg) |
前走時馬体重 | 432kg |
POINT | |
腹周りが後肢に向かって引き締まっていて、体の柔軟性にも優れている。瞬発力タイプと見ているが、決して窮屈な造りではないので持続力が問われる秋華賞でも対応はできるはずだ。良馬場・高速馬場向きの薄い蹄も、過去の好走馬たちに見られた特徴で、総合的に判断して秋華賞への適性は高いと見ている。春は筋肉の付き方がなだらかで、牝馬らしい華奢な印象があったものの、夏を越して全体的に馬体がボリュームアップ。春よりも肩周り、腹周り、後躯、いずれもハッキリと成長が窺える。ただ、バランスは春同様に整っていて、綺麗なシルエットを披露している。バランスが良い分、舞台を選ばない活躍ができるタイプといえるだろう。ただ今回に関しては馬体の成長はプラスに捉えられる一方で、立ち姿からは若干の緩さを感じさせる。筋肉の張りに関しては、オークス時の方が良く見えた。あと一週でどこまで変わってくるか。 |
コントラチェック
(牝3、美浦・藤沢和厩舎)
父 | ディープインパクト |
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母 | リッチダンサー |
母父 | Halling |
通算成績 | 6戦3勝 |
重賞勝利 |
19年フラワーカップ(G3) |
連対時 平均馬体重 | 464kg (最高:468kg) (最低:458kg) |
前走時馬体重 | 460kg |
POINT | |
前走時460キロとは思えないほど肉付きの良い体型だが、バランスが整っているため全く重苦しく映らない。骨格に対して立派な筋肉を備えているからこそ、スピードに富んだ競馬を披露することができる。胸が深く心肺機能に優れているが、やはり胴の造りは詰まり気味。2400mのオークスから距離が短くなる点は好材料も、本質的にはマイル辺りがベストの印象。また逃げて結果を残している馬ではあるが、胴周りは背中が短く、腹側が後躯に向かって引き締まっている「瞬発力タイプ」の造りであるため、タメて切れを生かすような競馬も見てみたい。持続力が問われる秋華賞の流れにどこまで対応できるか。蹄、繋ぎの角度も地面と垂直に近い角度に立っているため、高速決着よりも若干時計の掛かる馬場・条件が合うイメージ。しかし休み明けながら下腿部の張りはオークス時よりも良化している印象で、太目残りも感じない。デキに関しては文句ない状態といえそうだ。 |
サトノダムゼル
(牝3、美浦・堀厩舎)
父 | ディープインパクト |
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母 | ダリシア |
母父 | Acatenango |
通算成績 | 3戦3勝 |
連対時 平均馬体重 | 450kg (最高:454kg) (最低:448kg) |
前走時馬体重 | 448kg |
POINT | |
前走時で448キロと牝馬らしい華奢なイメージのある馬だが、細身ながら付くべきところにしっかりと筋肉が付いている。輪郭もハッキリ浮き上がっているため、数字以上に存在感のある立ち姿を披露している。繋ぎはやや長めで、蹄壁の角度が地面に対して傾斜した「ベタ蹄」の構造。地面との接地時間が長い分、締まった馬場をより大きなエネルギーで踏みしめることができるので、良馬場で良さが出る典型的なタイプ。骨格に対しての筋肉量も豊富なので、高速決着にも十分対応できるはずだ。胴長とまではいかないものの、背中と腹側のラインが平行に近い形であるため、良い脚を長く繰り出すことも可能。持続力勝負になりやすい秋華賞でも上手く流れに乗り、持ち前の決め手を生かせるはずだ。腹周りは細すぎず、かつムダ肉のないベストな状態で、トモの半腱半膜様筋にも大きなスジが浮き上がっている。好仕上がりと高いレース適性で上位進出も十分。 |
シェーングランツ
(牝3、美浦・藤沢和厩舎)
父 | ディープインパクト |
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母 | スタセリタ |
母父 | Monsun |
通算成績 | 7戦2勝 |
重賞勝利 |
18年アルテミスステークス(G3) |
連対時 平均馬体重 | 477kg (最高:480kg) (最低:474kg) |
前走時馬体重 | 458kg |
POINT | |
ディープインパクト産駒らしいバランスの良さがありつつ、腹袋に丸みがあって全体にどっしりと見せている点は、母父モンズーンの影響が出ていると考えて良い。繋ぎは立ち気味で、蹄底も比較的しっかりと厚みがある。数字以上に重厚感のある体型を考慮しても、スピード勝負より時計が掛かる条件の方が向いている印象を受ける。父の産駒は良馬場向きの馬が多いが、この馬に関しては多少馬場が渋っても問題なく力を発揮できるだろう。他馬が力を発揮できない状況になれば相対的に有利だ。春はふっくらとした見た目でありながら、使う度に馬体重を減らしていた。若干背が伸びた雰囲気もあり、遠征でも今回は馬体重を増やしてくるのではないだろうか。今回は休み明けでも馬体が締まっているように、いきなり動ける態勢に整った印象だ。 |
シゲルピンクダイヤ
(牝3、栗東・渡辺厩舎)
父 | ダイワメジャー |
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母 | ムーンライトベイ |
母父 | High Chaparral |
通算成績 | 6戦1勝 |
連対時 平均馬体重 | 457kg (最高:462kg) (最低:452kg) |
前走時馬体重 | 460kg |
POINT | |
背中が短く、相対的に腹側が長く見える伸縮性に優れた体型をしており、典型的な切れ味を活かしてこその瞬発力タイプ。曲飛で後肢の回転力にも長けている点を考慮しても、瞬間的な加速力はメンバー随一と言っていい。背中が短くても窮屈な印象はないので、2000mの距離も保つと見ている。秋華賞は持続力勝負になりやすいため、本来得意なレースの流れとは言い難い。ただ桜花賞では馬群を縫って追い込んで来たように器用さも持ち合わせているため、インコースでロスなく我慢して終いに懸けるような競馬ができれば上位進出の可能性もある。蹄は小さめで角度がやや立っているので、道悪もある程度までは苦にしないはず。前走時の敗因は速すぎる馬場にあったと見ており、この馬にとっては一雨降るくらいの馬場でちょうど良いかもしれない。前走時に引き続き毛艶が良く、皮膚を薄く見せていて状態面の良さが伝わってくる。見限るのは早計か。 |
シャドウディーヴァ
(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)
父 | ハーツクライ |
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母 | ダイヤモンドディーバ |
母父 | Dansili |
通算成績 | 8戦1勝 |
連対時 平均馬体重 | 468kg (最高:472kg) (最低:464kg) |
前走時馬体重 | 472kg |
POINT | |
父ハーツクライ譲りの骨格に対してゆったりとした胴周りが特徴的。飛節は緩やかにカーブしており後肢の回転力にも長けているが、本質的には胴の長さを生かした持続力勝負に強い体型と見ている。蹄は薄く、蹄壁の角度・繋ぎも斜めになっており、良馬場でのスピード勝負に向いた形。持続力と高速決着への対応力が問われる秋華賞向きの馬体構造で、フローラSではインコースを突いて伸びて来たように器用さも秘めているため、小回りコースにも対応できるはずだ。できれば内目の枠が欲しいところ。イメージ的には同じハーツクライ産駒で当レース2着のヌーヴォレコルトに近い。前走時も太め感なく仕上がっていたが、一叩きされよりムダ肉が削げ、全体にシャープさが出て来た印象がある。毛艶に関しては今回の方が上で、体調面・仕上がりは共に不安なし。人気薄でもマークは必至で、一発に期待したい。 |
ダノンファンタジー
(牝3、栗東・中内田厩舎)
父 | ディープインパクト |
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母 | ライフフォーセール |
母父 | Not For Sale |
通算成績 | 8戦5勝 |
重賞勝利 |
19年関西TVローズS(G2) 19年チューリップ賞(G2) 18年阪神ジュベナイルF(G1) 18年KBSファンタジーS(G3) |
連対時 平均馬体重 | 456kg (最高:460kg) (最低:442kg) |
前走時馬体重 | 458kg |
POINT | |
前走時で458キロと牝馬としては平均程度の馬格だが、筋肉量が豊富で輪郭も彫刻のようにハッキリと浮き上がっているため、立ち姿は非常に見栄えがする。ローズSをレコードで勝利したのも、この筋肉から生まれる大きな推進力・スピードがあってのものだろう。ディープインパクト産駒らしく蹄も薄いため、高速決着の申し子と言っても過言ではない。スピード勝負になりやすい秋華賞では有利に働くはずだ。胴が詰まり気味で、瞬発力を生かしてこその体型で2000mの距離がカギになるが、春よりは折り合いに進境が窺えるため、タメが利けばギリギリこなしてもいい。ローズSでは仕上がりに関して「これまでで一番良く見える」と評価したが、ひと叩きされて後肢の下腿部にはより明瞭に太い血管が浮き上がっており、筋肉の張りが更に増してきた。毛艶も引き続き良い状態で、文句なしの好仕上がり。上位進出は必至と見ている。 |
パッシングスルー
(牝3、美浦・黒岩厩舎)
父 | ルーラーシップ |
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母 | マイティースルー |
母父 | クロフネ |
通算成績 | 5戦3勝 |
重賞勝利 |
19年紫苑ステークス(G3) |
連対時 平均馬体重 | 468kg (最高:476kg) (最低:460kg) |
前走時馬体重 | 476kg |
POINT | |
ややトモ高に映る体型は父ルーラーシップから遺伝した特徴で、後肢が長い。父の産駒は比較的胴長体型の馬が多い印象で、場合によっては緩く見せることもあるが、この馬は良いバランスでまとまっている点に好感を受ける。腹側のラインが後躯に向かってカーブを描きながら引き締まっており、身体の柔軟性に優れた造りをしているため、瞬発力を生かすような競馬が合っている印象。近2走は早めに動く競馬で勝利を収めているが、じっくり溜めるレース運びでも鋭い決め手を発揮できて良いはずだ。繋ぎが長めで、蹄も薄い良馬場向きのタイプ。スピード勝負は得意で、脚の使いどころがハマれば上位に食い込めるポテンシャルを秘めているだろう。春よりも背が伸びて骨格のバランスが良くなっており、筋肉の張りも申し分ない。背中には銭型が浮き上がっているように毛艶も良く、体調の良さが伝わってくる。上位トップ3からは漏れてしまったが、必ずマークしておきたい。 |
ビーチサンバ
(牝3、栗東・友道厩舎)
父 | クロフネ |
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母 | フサイチエアデール |
母父 | サンデーサイレンス |
通算成績 | 7戦1勝 |
連対時 平均馬体重 | 471kg (最高:476kg) (最低:466kg) |
前走時馬体重 | 474kg |
POINT | |
特に盛り上がるように発達した胸前と、丸みのあるトモに素晴らしい筋肉が付いており、同世代の牝馬では随一とも言える筋肉量を誇る。オークスは15着と大敗したものの、腹周りを見ても全体にどっしりとしたパワーに秀でた体型をしており、2400mの距離は長すぎた。ローズSで好走できたのも、高速決着になってスピードの絶対能力が問われる馬場・展開になったからだと考えられる。今回はさらに持続力も求められるので、条件的には前走の方が合っていた印象。夏を越して更にパワーアップしたこともあり、距離適性はより短いところに、スピードタイプに変化している印象があるため、今回は2000mへの対応がカギになりそうだ。引き続き毛艶は黒光りしていて見栄えする状態を保っており、体調の良さが立ち姿から伝わってくる。筋肉の輪郭は前走よりもハッキリとしていて、馬体の張りも良化。仕上がりに関しては文句なし。 |
フェアリーポルカ
(牝3、栗東・西村厩舎)
父 | ルーラーシップ |
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母 | フェアリーダンス |
母父 | アグネスタキオン |
通算成績 | 6戦2勝 |
連対時 平均馬体重 | 476kg (最高:490kg) (最低:468kg) |
前走時馬体重 | 490kg |
POINT | |
同じ父ルーラーシップのパッシングスルー同様、腰高に見える父の産駒らしい体型。どちらかと言えばこの馬の方が全体にスッキリとして映るイメージがあるものの、紫苑Sではコチラが490キロ、パッシングスルーが476キロと実に14キロの差があった。春との比較で胸前~肩周りの筋肉が増してきていることと、トモの張りもアップしている印象があり、また背丈も伸びて骨格のバランスが良くなった。上昇度に関しても甲乙つけがたいところだが、個人的にはこちらが上と見ている。背中よりも腹側が長く見える胴周りの造りをしており、体の伸縮性に優れた、瞬発力タイプ。ただ窮屈な形には見えないので、一定以上の持続力も秘めていると考えて良さそうだ。繋ぎ・蹄は晴雨兼用タイプと見ている。筋肉の輪郭がハッキリと浮き上がってきたあたり、馬体の張りが良くなっている印象があり、叩いての効果も感じられる。侮れない1頭だ。 |
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