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今週のイチオシ

ザダル

(牡3、美浦・大竹厩舎)

トーセンラー
シーザシー
母父Lemon Drop Kid
通算成績4戦3勝
連対時
平均馬体重
484kg (最高:486kg)
(最低:482kg)
前走時馬体重492kg
POINT
バランスが良く、骨格全体のシルエットや特に後躯は父トーセンラーと似たパーツの構造をしている。父よりも胴周りの造りにゆとりがあり、胴自体を長く見せていることから、持続力や長距離適性はこの馬の方が長けていると考えられる。瞬発力勝負を得意とした父似の曲飛で、鋭い脚を繰り出すことも可能。菊花賞は4コーナーから直線にかけて横一杯に広がりゴチャつきやすいため、インコースや馬群を突いて伸びて来られるような一瞬の脚が速い馬に有利なレース。このレースへの適性はかなり高いと見ている。前走は休み明けで若干の緩さがあったものの、一叩きされてトモのボリューム感が増し、馬体全体により張りが感じられるようになってきた。背中に薄っすらと銭型が浮き始めているように、代謝の良さも窺える。上位争いに期待。
今週のイチオシ

サトノルークス

(牡3、栗東・池江寿厩舎)

ディープインパクト
リッスン
母父Sadler’s Wells
通算成績7戦3勝
連対時
平均馬体重
466kg (最高:472kg)
(最低:460kg)
前走時馬体重462kg
POINT
母リッスンの仔は500キロを超える全兄ムーヴザワールドを始め、比較的馬格に恵まれた肉付きの良い馬が多い印象。この馬は全体的にシャープに映る体型で、イメージ的には全姉のタッチングスピーチに近い。父ディープインパクト譲りの薄い蹄をもち、四肢も長く跳びも綺麗なので、本来は良馬場でこそ。骨格に対して胴が長く、ゆとりのあるシルエットなので、距離延長もOK。ディープインパクト産駒の中では瞬間的な切れよりも持続力に長けたタイプだが、前走では馬群を縫って追い込んで来た。この馬が得意とする淀みない流れになったとはいえ、あの器用な競馬ができるなら、本番でも楽しみ。ダービー時よりも筋肉の輪郭が明瞭になってきて、完成度が高まってきた。薄っすらと肋骨も浮いたムダのない仕上がりで、好勝負に期待したい。

タガノディアマンテ

(牡3、栗東・鮫島厩舎)

オルフェーヴル
タガノレヴェントン
母父キングカメハメハ
通算成績9戦1勝
連対時
平均馬体重
467kg (最高:468kg)
(最低:466kg)
前走時馬体重474kg
POINT
前走時はプラス10キロの474キロ。3歳春までは父オルフェーヴルらしくコンパクトで細身な印象があったものの、筋肉量の増加などで徐々にボリュームアップを果たし、すっかり逞しい体つきへと変化した。胸前やトモなど付くべきところの筋肉がしっかりと発達しているのは、母父キングカメハメハの影響も大きい。背中側が短く、腹側が長く見える胴の造りで、瞬発力に優れた体型。菊花賞の好走馬には瞬発力を武器とするタイプが多いが、この馬は全体に詰まったシルエットをしているため、3000mの距離はやや長い。2000m以下に適性がありそうで、今回は直線まで余力を残せるかがカギになりそうだ。前走との直接比較はできないが、後肢の下腿部には血管が浮いていて馬体の張りは文句なし。毛艶も上々で体調の良さを感じさせる。デキに関しては春以上と考えて良い。

ニシノデイジー

(牡3、美浦・高木登厩舎)

ハービンジャー
ニシノヒナギク
母父アグネスタキオン
通算成績9戦3勝
重賞勝利 18年東京スポーツ杯2歳S(G3)
18年札幌2歳ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
478kg (最高:486kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重488kg
POINT
背中がやや短く映る伸縮性に優れた構造をしており、飛節も緩やかではあるがカーブしていて曲飛に分類される。胴周りは決して窮屈な造りではないものの、一瞬の鋭い脚に特化したタイプと考えているため、一定以上の持続力が必要な菊花賞ではタイトな競馬が求められる。外回りで持続力勝負になるセントライト記念は不向きの舞台と考えていたので、ロスなく運べる内枠が引ければ面白い。距離は折り合い次第でこなせるはず。晩成型のハービンジャー産駒らしく夏を越してトモがパンとしてきており、休み明けをひと叩きして絞れたというよりも、よりパンプアップしてきた。この馬はダービー時のように立派に見せている時こそ走るイメージがあるので、良化傾向にあると見て良さそうだ。枠順次第で巻き返しの余地も十分。

ヒシゲッコウ

(牡3、美浦・堀厩舎)

ルーラーシップ
ラルケット
母父ファルブラヴ
通算成績4戦3勝
連対時
平均馬体重
483kg (最高:486kg)
(最低:480kg)
前走時馬体重486kg
POINT
デビューから2000m以上を使われ、前走の阿寒湖特別では2600mにも対応した。長距離実績では出走メンバーの中でも上位の部類だが、全体に肉付きが良く、どっしりとしたフォルムで一見すると長距離馬に見えない。肩が寝ていて肩関節の可動域が広く、ストライドがしっかり伸びるからこそ、長めの距離でもバテることなく伸び続けられるのだろう。この馬の特徴は何と言っても大きな腹袋。このような重厚感のある造りは底力を要する、上がりの掛かる展開や馬場に強いとされる。初勝利が急坂のある中山、近2走は時計の掛かる洋芝の北海道シリーズで連勝と、この馬が得意としそうなパワーを要する条件を走って好成績を収めているため、直線スピードの問われる菊花賞は適性的に未知数。個人の見解では、やや重厚感がありすぎると見た。休み明けでも筋肉の張りが素晴らしく、肋骨が薄っすらと浮いていて太目感はない。問題なく力を出せる状態に整った。

ホウオウサーベル

(牡3、美浦・奥村武厩舎)

ハーツクライ
バランセラ
母父Acatenango
通算成績5戦3勝
連対時
平均馬体重
480kg (最高:488kg)
(最低:472kg)
前走時馬体重488kg
POINT
バランスの良いシルエットで、素質の高さを感じさせる。筋骨隆々といった雰囲気ではなく、筋肉の付き方はややなだらかに見せているが、長距離馬らしいフォルムとも言えそうだ。前脚が長く、肩の角度も寝ていて前脚の可動域が広いので、3000mへの距離延長も問題ないはず。良い意味で突出した印象のない立ち姿だが、骨格に対して胴周りはゆったりとした造りをしている。飛節も真っ直ぐに伸びた直飛であるため、持続力を生かした競馬が合いそうな印象だ。中団後方で我慢させるよりも、菊花賞では4角で前を射程圏に入れるくらいの早めの動き出しに期待したい。繋ぎが長く、蹄も薄いタイプなので、何とか良馬場で本番を迎えたいところ。肩周りや後肢の下腿部にも血管がしっかりと浮き上がり、馬体の張りも上々。レース間隔は開いたが太め感もなく好仕上がり。

メイショウテンゲン

(牡3、栗東・池添兼厩舎)

ディープインパクト
メイショウベルーガ
母父フレンチデピュティ
通算成績9戦2勝
重賞勝利 19年報知杯弥生賞(G2)
連対時
平均馬体重
461kg (最高:466kg)
(最低:458kg)
前走時馬体重446kg
POINT
筋肉の付き方がなだらかで、全体的にシャープな印象を与える体型をしている。背中と腹側のラインが平行に近く、瞬間的に速い脚を使うというよりも長く良い脚を使う持続力タイプだ。菊花賞では一定以上の持続力が必要だが、同時に瞬間的に速い脚を繰り出す必要があるため、今回は決め手勝負にどこまで対応できるかがカギ。胴自体はそこまで長くはないものの、シルエットに対して前脚が長い構造で素軽い体つきであるため、距離自体は何とか持ちそう。ただ、ベストはやはり2000m前後と見ている。前走時の馬体重が446キロ、春よりも体重は減った。立ち写真のイメージも春先と雰囲気が変わらず、G1で好勝負するにはもう少しパワーアップした体に成長する必要がありそう。背中に銭型が浮いているように代謝の良さが表れており、体調自体は良さそうだ。

ユニコーンライオン

(牡3、栗東・矢作厩舎)

No Nay Never
Muravka
母父High Chaparral
通算成績7戦3勝
連対時
平均馬体重
527kg (最高:544kg)
(最低:510kg)
前走時馬体重516kg
POINT
父ストームキャット系×母サドラーズウェルズ系という血統構成もあり、骨格・筋肉量ともに豊かで雄大な馬格の持ち主。全身の筋肉が隆起しており、パワー型の印象がある。力を要するような馬場状態やコースで持ち味が生きるだろう。菊花賞は直線での瞬発力が問われるレースで、素軽い末脚を秘めた馬が有利。今回は決め手勝負への対応がカギになりそうだ。また前走時の馬体重が516キロとかなりの大型馬でもあり、3000mという長距離はスタミナを消費してしまう可能性が高い。本質的には2000m前後を得意とする馬体の構造で、勝負どころまで余力を残せるかも好走におけるポイントといえそうだ。前走に引き続き馬体の張りが素晴らしく、筋肉の輪郭が明瞭に浮き上がっている。大型馬だが肋骨が薄っすらと感じ取れるように、ムダのない仕上がりも好印象。デキに関しては文句なし。

レッドジェニアル

(牡3、栗東・高橋忠厩舎)

キングカメハメハ
レッドアゲート
母父マンハッタンカフェ
通算成績7戦2勝
重賞勝利 19年京都新聞杯(G2)
連対時
平均馬体重
482kg (最高:484kg)
(最低:480kg)
前走時馬体重488kg
POINT
腹側に対してやや背中側が短く見える胴の造りをしていて、腹周りのラインも後躯に向かって引き締まっている。末脚を武器とする馬に多い瞬発力に秀でた体型で、胴自体は窮屈な造りでなく、四肢もスラっと見せているので距離延長も問題なさそう。鋭い末脚に特化している印象がありロスのない競馬でこそ持ち味が生きそうなので、できれば内目の枠が欲しいところ。ひと夏を越して全体的にボリュームアップしたと神戸新聞杯前にも触れた通り、前走はプラス12キロと馬体重を増やしていた。決して太いワケではなかったので、成長分と捉えて良いだろう。ひと叩きされて全体に引き締まった印象があり、馬体の張りも更に良くなってきた。毛艶も光っていて体調の良さが伝わってくる。前回は積極的な競馬を見せたが、今回はこれまでと同様にじっくり脚を溜める競馬を見てみたい。巻き返しの可能性も十分。
今週のイチオシ

ワールドプレミア

(牡3、栗東・友道厩舎)

ディープインパクト
マンデラ
母父Acatenango
通算成績5戦2勝
連対時
平均馬体重
474kg (最高:476kg)
(最低:472kg)
前走時馬体重472kg
POINT
骨格に対して胴周りはゆとりある造りをしており、背中がやや長め。胴が詰まり気味で、全体にまとまった体型だった全兄ワールドエースとはあまり似ていない。兄は鋭い瞬発力を武器としていたが、この馬は持続力に長けた構造で、長く良い脚を繰り出せる馬体構造。中長距離への適性もワールドプレミアの方が上と見ている。神戸新聞杯前は兄ほどの切れ味を感じなかったものの、レースではメンバー最速タイの上がり32秒3をマークしており、脚の回転力もしっかりと示してくれた。瞬間的に速い脚を使える点は菊花賞において有利に働くだろう。前走時もデキの良さが目立ったが、一度使われてより筋肉の輪郭がハッキリと浮かび上がるようになり、短期間でパワーアップしてきた印象。銭型が浮き体調も抜群に良さそうで、再度上位争いに期待したい。
今週のイチオシ

ヴェロックス

(牡3、栗東・中内田厩舎)

ジャスタウェイ
セルキス
母父Monsun
通算成績8戦3勝
連対時
平均馬体重
486kg (最高:492kg)
(最低:478kg)
前走時馬体重490kg
POINT
胸前やトモにしっかりと筋肉が付いている一方、良い意味でパーツが主張しすぎないバランスの良さを感じさせる。父ジャスタウェイは瞬発力型のイメージが強いが、ズバ抜けたパフォーマンスを披露していたのは持続力勝負になった天皇賞(秋)やドバイデューティーフリー。この馬も胴周りが父と似た構造で、良い脚を長く繰り出せる、持続力に優れた体型と言えるだろう。菊花賞は持続力と同時に直線スピードの速さも問われるが、このバランス良い素軽い体つきであれば、スピード負けすることも無いはず。中内田厩舎はボディコンディションスコアが低めな、細身な仕上げをしてくることが多い中、前走は若干ふっくらと見せていた。今回は肋骨が薄っすらと浮き、下腿部にも太い血管が浮き上がっている。大一番に合わせてビッシリ仕上げられた印象で、デキに抜かりなし。持続力を生かした強い勝ち方に期待したい。
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