この原稿を書いている火曜朝、外へ新聞をとりに行くだけでもびしょ濡れの雨である。週刊天気予報でも日曜後半にも傘マークがある。宝塚記念は夏前のGⅠ。だが、時期的に梅雨も関係してくるので馬場状態が鍵。今年は京都開催ではあるが、上から降る雨には太刀打ちできない。完全なる良馬場では競馬できないかも知れない。

ドウデュースの最大の敵は雨。あの凱旋門賞はとんでもない馬場状態だったと聞く。日本ではなかなか考えられない馬場コンディションなのだろう。でも先週、水曜の1週前追い切りを終えて馬を待つ前川助手が『日曜の馬場はパシャパシャだったけど、むしろ喜んで走っていたよ』と。あんまり雨は気にしなくともいいのだろう。

同じく洋行帰りの1戦となる天皇賞馬ジャスティンパレス。レーン騎乗のシュトルーヴェも気にはなる。大阪杯組も充実しているだろう。多くのファンの後押しでドウデュースが4年連続でのG1制覇となるか。京都が熱い!

【マーメイドSの回顧】

24年6月16日(日)京都11R マーメイドS(G3) 芝2000m)
  • アリスヴェリテ
  • (牝4、栗東・中竹厩舎)
  • 父:キズナ
  • 母:ルミエールヴェリテ
  • 母父:Cozzene
  • 通算成績:19戦4勝


これから関西は梅雨が来るだろうの鬱陶しい時期である。そんな何とも言えない嫌な空気感を爽やかにさせてくれた永島まなみ騎手とアリスヴェルテが見せてくれた圧逃的勝利と言えるだろう。

最内枠で同じく逃げを戦法としているベリーヴィーナスとの逃げ合戦をまずは制した。道中はこれで大丈夫なのかとハラハラさせる後続を大きく離す逃げ。そして坂を下って入ってきた直線では、馬券を買っていない人でも《頑張れ!》と応援をしたのではなかろうか。

そんな永島まなみ騎手と重賞初勝利となったアリスヴェルテ。紐解けば、紐解くほどに中竹厩舎でじっくりと熟成させてきた血統の様だ。母ルミエールヴェリテはコジーンの産駒。ゴールドアリュールを父にした最初の産駒は残念ながら勝ち星を手にする事はなかったが、同じ父のリアンヴェリテはマリーンSやコーラルSを逃げきるダート8勝馬。

父がキズナに替わっての4頭めがアリスヴェルテ。2歳時にアルテミスSで3着。チューリップ賞でも8着。1勝馬でチャレンジしたローズSは13着だったが、他の16戦では全て電光掲示板に載る堅実派。今回は前半1000Mを58・3で行き、後半1000Mを58・9でまとめている。終いもそう速力は落ちていない。前走はもっと速く、56・8で行って粘り切っているのだから凄い粘り腰の馬だ。

エーデルブルーメもホールネスも終い脚をしっかり使って良く猛追はしてはいるが、あそこまで。凄かったのがファユエン、最後方から大外を差してきていた。いろんな馬が居るものですな。永島まなみ騎手はこれでJRA勝利が97勝。あと3勝は時間の問題だろう。

ベテランがダービーを勝利。そして若手も女性ジョッキーも活躍する。競馬をいろんな角度から面白くさせてくれている最近である。毎回、毎度、いろんな顔を見せる競馬だ。