競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【中京記念】重賞全場制覇へ
2024/7/15(月)
ま、愚痴を言った処で仕方あるまい。先週日曜は早くから不良馬場となった小倉の芝。最終週ぐらい完全な良馬場で開催して欲しいもの。ハンデ戦でエルトンバローズがトップの59キロ。昨夏に重賞初挑戦でGⅢ、秋にはGⅡの毎日王冠で4連勝とした。今年はまだ調子が出てないが路線を考えれば当然か。
そしてエピファニー。春の小倉大賞典勝ちとか関西圏の競馬を栗東調整で結果を出している。前走の大阪杯はゲートが全てか。セオは鞍上の岩田康Jの流れが魅力だ。そしてニホンキロキーフは小倉巧者の3戦3勝。春にマイルCの3着は記憶に新しい。そしてアルナシーム、横山典Jの重賞全場制覇は小倉を残すだけである。
【函館記念の回顧】
24年7月14日(日)函館11R 函館記念(G3)芝2000
- ホウオウビスケッツ
- (牡4、美浦・奥村武厩舎)
- 父:マインドユアビスケッツ
- 母:ホウオウサブリナ
- 母父:ルーラーシップ
- 通算成績:10戦4勝
16頭中で10倍台のオッズが10頭とファンも混戦必至との見立て。サヴォーナが2番人気トップナイフよりかなり売れての1番人気。そのサヴォーナをパドックで見た瞬間に競馬新聞に《重苦しい!》と書き込んだ。
良く見える馬に〇をつけて見直すと②枠2頭とホウオウビスケッツ。2枠はエンパイアウエストとグランディア。しかし、3着アウスヴァールには何の印象も持たなかった。この馬を馬券に入れないと3連複も3連単も当たらない。ホウオウビスケッツが絶対にいいと思える読みなら、その先を行くアウスヴァールの前残りを考えるのかも知れないが、当方の馬券の軸はオニャンコポン。スタートから前めでの競馬をする。前が有利の読みだからこそこのポジションでなのだろうが、結果は裏目に出た。
前めで絶好の位置にいるだろうのデビットバローズは4角手前で、もう手応えがなくなり、直線入り口では最後方。アクシデントか?と思ったが、ちゃんとゴールへは入っていた様子。そして1番人気のサヴォーナは①番枠が災いしたかの様な競馬内容だった。2コーナーを廻って意識は外へ。ほぼ同じ位置の内ラチ沿いに居たグランディアとは対照的な結果になった。
そのグランディア。ラチ沿いを進んで前からは4頭め。3頭めのオニャンコポンだけが伸びなかった。何せ、今年の函館記念は岩田康誠Jの独壇場であったと言っていいだろう。ゲートも真っ先に出て、行きたいアウスヴァールを行かせて、2コーナー過ぎに行きたがる馬を御して落ち着かせる。前のアウスヴァールを上手に使って追いだしは直線のあと1Fから。独特の岩田Jのステッキで気合を入れての独走。最後は3馬身半の完勝劇。
そしてグランディア、経済コースで脚を貯めての直線。相手が強過ぎた。三浦皇Jも今、乗りに乗れている。夏は人も馬も勢いなのだ。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。