競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【新潟記念】何やら混戦模様
2024/8/26(月)
他の4回も調べる。2017、18年は不参加。16年はムスカテールで7着。2021年はアドマイヤポラリスで15着。この10年で8回出走で4勝、2着2回の凄い連対率に勝率は5割である。
今年はレッドラディエンスとセレシオンの2頭投入。レッドラディエンスは58・5キロのトップハンデ。セレシオンは56キロ。共に前走と鞍上は同じ。レッドラディエンスの新潟は昨年8月、勝ち馬がドゥレッツアでは仕方なし。藤沢和厩舎から転厩しての8戦、3勝2着5回の連対100%である。
ただハンデ戦、前走で2馬身差2着のキングスパレスは据え置きの57キロ。マーメイドS2着のエーデルブルーメは54キロ。3歳牝馬のライトバックは52キロ。加えて台風10号が残した雨で馬場状態はどうなのかもある。何やら混戦模様となるか。
【キーンランドCの回顧】
24年8月25日(日)札幌11R キーンランドC(G3)芝1200m
- トータルクラリティ
- (牡2、栗東・池添学厩舎)
- 父:バゴ
- 母:ビットレート
- 母父:スペシャルウィーク
- 通算成績:2戦2勝
長い様で短い夏シリーズ。今週日曜はもう9月である。秋の最初のGⅠは9月29日の中山、スプリンターズSだ。そう、夏のサマースプリントシリーズ、第5戦キーンランドカップから約1ケ月少し。ここはその本番を見据える意味でも大事なレースでもある。
ナムラクレアが悲願のGⅠへの歩みとしてここからは昨年と一緒。昨年はここを勝って本番は3着。最近、少しズブくなったのか位置取りが後ろ気味とも思える。今回は内のこの②番枠がどう出るのかと思っていた。
注目はサトノレーヴ。サマースプリントSの緒戦、函館SSを勝ってのここである。1200はこれまで6戦5勝。そのサトノレーヴがプラス16キロでパドックへ出てきた。観た眼に太くも感じない。函館での調教欄を見ても十分に攻めての数字で太目はないと判断。
スタート自体はどの馬も五分に出た。ただ出た後で隣りとの間隔が狭まったりする。サトノレーヴはすぐに絶好位に居た。エトヴブレが先頭に出て、ビッグシーザーが外からその前へ入るも、その2頭の後ろをキープ。さらにオタルエバーがいちばん前に入り4番手も前が開いたポジション。行き脚を懸念していたナムラクレアもエトヴブレの真後ろ。
凄かったのがエイシンスポッターとオオバンブルマイ。スタート直後に狭くなり共に下げざるを得ず。オオバンブルマイに寄ってきたエイシンスポッターが前をよぎりあがって行った。いつの間にか絶好位。最後尾のオオバンブルマイは外へ進路を取る。直線への入りもナムラクレアは最内を突くも狭くなる。
その後ろのエイシンスポッターは外へだし勝ち馬の通った後。オオバンブルマイは4角で少し外へ張られるも凄い伸び脚。1200の適性十分。サトノレーヴが楽勝でほぼシリーズ王者。次なる戦いの中山へ繋げた。だが本番は3歳牝馬ピューロマジックが待つ。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。