競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【スプリンターズS】短距離馬の血が開花する
2024/9/23(月)
そして香港から2頭、ビクターザウィナーとムゲン。ビクターザウィナーは高松宮記念で3着だ。夏の王者サトノレーヴ、今回も鞍上はレーンJ。モレイラにシュタルケと横文字も豪華だ。
逃げるのはピューロマジック。3歳牝馬の54キロは魅力。枠順次第では面白い存在。オオバンブルマイ、初の1200の札幌でも凄い脚でゴール前を賑わした。悲願のGⅠ制覇のナムラクレアはこのレースも3度めで今回は横山武史J。
だがサトノレーヴに着差以上の強さを感じた札幌戦。1200戦の随一の負けは出遅れだった。父ロードカナロア、母サクラバクシンオーの短距離の血はここで大きく開花。
【神戸新聞杯の回顧】
24年9月22日(日)中京11R 神戸新聞杯(G2)芝2200m
- メイショウタバル
- (牡3、栗東・石橋厩舎)
- 父:ゴールドシップ
- 母:メイショウツバクロ
- 母父:フレンチデピュティ
- 通算成績:7戦4勝
ダービー組がその戦歴からも違いを見せるのか、この夏で成長した馬がさらに上へとの足掛かりをつかむのか。夏休みの宿題を提出する一戦。良馬場で始まったが9Rから稍重発表。台風14号からの影響でかなり水分を含んだ芝となった。
ひとつ前のレースで内を通った馬が1、3着。馬場の真ん中は良く見えるが、実際は荒れてる様に見える内の方が伸びていた。夏の小倉で2勝めをあげたメリオーレムが1番人気。ダービーを無念の取り消しとなったメイショウタバルが2番人気。ダービー出走組の4頭でいちばん先着のジューンテイクが3番人気とやや割れ気味。
メイショウタバルの逃げは誰しもが予測。どんな逃げになるかが問題。皐月賞の様に57秒台の逃げとなるのか。毎日杯時の逃げて、なおゴール前の2Fめが10・9の切れを出す馬。ゲートが開く。最初はインテグレイトが前に出る。内からジューンテイク。ジワーッと外からメイショウタバルがあがる。ゴール板過ぎあたりで先頭。そのままカーブに入って行く。
2コーナーでは後続とは4馬身ぐらい。最後方ヤマニンステラータで縦長の流れとなる。浜中Jとメイショウタバルが造るペースは絶妙。道中で11秒台もあり後ろを離し気味なのに1000通過は1分ジャスト。4角に入る前に後続の手が動きだす。メイショウタバルは肩に置いたステッキで促され後400から鞍上が追いだす。最後の2Fが11・7。内々の2番手ジューンテイクに迫られたが半馬身我慢した。馬場も味方だろうが、自分の型を持っている馬は強い。
メリオーレムは好位置の競馬も直線は馬場の真ん中を選択も僚馬オールセインツに抜かれ5着。ショウナンラプンタが内から伸びて3着。やはりダービーへ向けた組の決着だった。タバルの母メイショウツバクロは新馬戦勝利が石橋師。競馬の面白さである。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。