競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【アルゼンチン共和国杯】今年は荒れそう
2024/10/28(月)
台風21号が大きくスライスして来そうだが関東圏にまでは影響ないと思う。馬場は先週からBコースで芝は良好の筈。長丁場のハンデ戦のわりには過去10年を観ると順当気味に収まってはいるレースだ。
参考になるのが目黒記念であろう。3着クロミナンスが58キロ。目黒記念より僅かにハンデ増。トップハンデはハヤヤッコの58・5キロ。2年前の1月から15戦連続で重賞出走が前走のOP特別で途絶えるも8歳馬ながら健在だ。
またマイネルウィルトスは2021年7月から15戦連続の重賞出走継続。2年前にここ2着もある。サヴォーナも居る。狙ってみたいのがメイショウブレゲ。前走ドンジリ人気の3着も常に凄い脚を使う。今年は荒れそうではある。
【天皇賞・秋の回顧】
24年10月27日(日)東京11R 天皇賞・秋(G1)芝2000m
- ドウデュース
- (牡5、栗東・友道厩舎)
- 父:ハーツクライ
- 母:ダストアンドダイヤモンズ
- 母父:Vindication
- 通算成績:15戦7勝
天皇賞のパドックをTV画面で観ていてもドウデュースの馬体は実に良く見えた。過去でいちばんシルエットが 良かったぐらいに感じた。またリバティアイランドは予想どおりの馬体増で出てきたがこちらも悪くないもの。
逆にレーベンスティールはやや入れ込みで若さが出ていたパドックだった。ソールオリエンスも良く見えてた。馬場入場から返し馬と映してくれたがドウデュースは素晴らしいフットワークだった。そしてゲートOP。当然にドウデュースを中心に観ていた。スタートも決まりスッと下げる独特の流れ。後ろから2頭めもいい感じでの走りだった。
遅い流れでも折り合っての追走。まるでダービーを思い出す感じだった。直線もゆっくり外へ出してからの追いだし。ステッキをまず2発。少しして5発連続で入れて最後は手綱を押すだけ。ゴール後は右指で1を示していた。NO1の意味か今度聞かねばなるまい。前を行くホウオウビスケッツが3着に粘るスローな展開。あの位置から差し切ってみせた。
ふと、ドウデュースの刻んだ3F32・5の強烈な末脚。過去はどうだったのか調べた。2005年のヘヴンリーロマンスが32・7。そして2009年カンパニーが32・9。そして2022年、イクイノックスの32・7。32秒台は過去でこの4回のみ。
2003年にシンボリクリスエスのレコード更新時は33・6。2011年トーセンジョーダンは34・2。去年のイクイノックスがマークした驚愕の1・55・2の時は34・2。レコード更新時は全体が速い流れだから上りが速くならないのは当然。ドウデュースが秋の天皇賞で過去でいちばんの切れを見せた。
これで4年連続GⅠ勝利。凄い事でもある。火曜朝に厩舎へ駆けつけて前川助手と握手。ドウデュースはカイバ桶から顔を出さずと相変わらずの食欲の秋でした!
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。