競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【エリザベス女王杯】ひと泡、吹かせて欲しい
2024/11/4(月)
3歳馬の参戦は今年はレガレイラだけ。ホープフルSを勝って皐月賞、ダービーへと駒を進めたのが昔の様に感じる。秋はローズSへ出走して牝馬路線へと修正してきた。そのローズSでは2馬身の出遅れ。タラレバではないが五分の出なら違った結果か。体を10キロと増やしてと今回は正念場、おそらく1番人気になるだろう。ディープインパクトに繋がる血である。
ディープインパクト産駒はサリエラ。それこそR・ムーア騎乗である。去年はマーカンドが乗った。そのマーカンドはシンティレーション。そんな関東馬は9頭のエントリーだが栗東滞在馬は皆無で直前輸送となる。関西馬で穴はと探すとホールネス。まだ7戦めで前走で馬体増とまだまだ成長中。ひ処。
【アルゼンチン共和国杯の回顧】
24年11月3日(日)東京11R アルゼンチン共和国杯(G2)芝2500m
- ハヤヤッコ
- (牡8、美浦・国枝厩舎)
- 父:キングカメハメハ
- 母:マシュマロ
- 母父:クロフネ
- 通算成績:42戦7勝
これほどに競馬をTV観戦した週はないだろう。土曜は普通に、日曜は朝6時頃から夕方まで、そして月曜には 夕方にたっぷりとだった。馬券の成果は言うまい。
土曜の関西は相当なる雨、近所の川が濁流の凄い勢いで怖いぐらいだった。京都では視界が悪く中止になるレースも。そして嘘の様に晴れた日曜。東京競馬は良馬場の発表だったが少し内を開けての道中で直線も外へ出てくるレースが多かった。
メインのアルゼンチン共和国杯。何となく荒れそうな予感はしていた。しかし、それも許容範囲だと。だがその上を行く結末となった。ゴールを白い色が過ぎて行った。え、え?。ハヤヤッコ!。とビックリして思わず二度、三度と見直したぐらい。確かトップハンデだった筈と競馬新聞を見直す。やっぱり58・5キロだ。それも8歳馬だぞ~と。クロミナンスにタイセイフェリークは読める。だがハヤヤッコは勘定に入れてない。
レースをPVで見直す。クロミナンスは馬群の後ろめの馬のなか。最後方がハヤヤッコ。ここにアドマイヤハレーもすぐ前に居るし、タイセイフェリークと後ろの馬群の外を行く3頭、少し前にクロミナンスだった。勝ち時計の2・29・0は過去10年を観てもいちばん速いもの。上り3Fの36・1はいちばん遅い。何せ道中で11秒台が6つもある流れ、これを消耗戦と言うのだろうか。
直線でクロミナンスが先頭に立った時はそのまま押し切るのだろうと思えたが、ゴールが近づくにつれ脚色も怪しくなり最後はタイセイフェリークにも交わされそうだった。サヴォーナもセレシオンも直線では脚色悪し。ハヤヤッコはいつも人気以上に走る。2歳デビューから7年、去年だけ勝ってないがほぼ毎年勝っている馬。ダート重賞1勝、芝はこれで函館記念に続いて2勝め。頭が下がるベテラン馬の激走。恐れいりました。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。