マイネルグリット

19年9/1(日)2回小倉12日目11R 第39回 小倉2歳S(G3)(芝1200m)

  • マイネルグリット
  • (牡2、栗東・吉田厩舎)
  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:マイネショコラーデ
  • 母父:ロージズインメイ

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レース直前に小雨から曇りの発表とはなったが、芝は朝から重馬場のまま。前半の3Fが33.7の激流とはなったがそれでも逃げたテーオーマルクスはラスト1Fまで粘りに粘ってはいた。一旦、トリプルエースが前に出たかと思えたが、ゴール前では外のマイネルグリットの体勢が完全に優勢。クビ差だけ凌いで勝利した。これでデビューの中京から3戦負け知らずで夏の小倉王者へと輝いた・・。

予報では午前中が雨、ところが終日、傘を見ていた。パドックでもテラスでも。ダート不良で芝は重だがかなりのハードコンディション。ラスト1Fから内を伸びて勝ったのは、6Rの360万馬券となったイルマタルだけ。あとは総じて外の伸びが良かった。馬場状態が予想以上に悪く、どの馬が上手いか不得手かは推測もできない。ただどの馬も同じ条件だと言うこと。それよりも前走から鞍上が替わっている馬が14頭中6頭いる。それがどう言う意味での乗り替わりなのかが素人には判らない。ジョッキーが二者択一をせねばならなかったのだろうとは推測する・・が。

勝った時のビデオを見直して検証はした。結論は、マイネルグリットがなかなか渋い脚を使うのは判ったということ。前走のフェニックス賞では、ゴール前の短いスパーンであの差をつけるのかと驚いたほど。和田騎手がトリプルエースに乗ったのは先に決まっていたからなのかとは部外者には判らない。ここが一番知りたいことだろうが。 1番人気支持はカイルアコナ。ノーステッキで勝ったデビュー戦のインパクトが強いのは当然。そして、ヒバリもなかなかの根性娘。混戦には強そうだと戦前の見立てだ。 馬体重発表で、ヒバリ16キロ増。小さな馬が短期間に増えているのは、体調も良くカイバ食いが旺盛なのだろうと解釈。トリプルエースの12キロ増、太いと言うよりも逞しいの印象だった。

スタートでそのトリプルエース、そしてラウダシオンの斎藤勢の2頭が後方に置かれた。発馬した瞬間に馬体がフラフラした内側の枠。ポンと出たのはテーオーマルクス。ロードカナロア産駒は総じてダッシュが速い。1F過ぎぐらいにヒバリが前へと出て来て、テーオーマルクスと馬体を並べて先行する。向こう正面では後方のトリプルエースが内をスルスルと上がって馬群に取りついているが、鞍上の手は動いていた。

2Fを過ぎてからは、外のヒバリが少しだけ前に出て先行。3コーナーのカーブを過ぎていい感じで行けているなと思ったが、4コーナー手前のラスト400のハロン棒では急に失速気味で後続馬群へと吸い込まれていく。何かあったな~と感づく。 一旦いい感じで上がり気味だったトリプルエースは、3コーナー過ぎぐらいでまたモタつく。一旦、交わしたラウダシオンにまた前に出られる。それでもその後400のハロン棒あたりでは、先頭からほぼひと塊りの馬群で直線へと入ってくる。

まだ1馬身先頭のテーオーマルクスだが、やや外へ膨れ気味な感じで廻る。2番手に上がっていたのがカイルアコナ。その後ろへマイネルグリット、外へゼンノジャスタ。一列後ろで外のラウダシオンは、武豊騎手の左ステッキが入る。その内へトリプルエース。また勢いが盛り返し気味ではある。 馬場の少し内目へテーオーマルクス。真ん中をカイルアコナだ。その外がマイネルグリットでラスト1ハロンを通過した。和田騎手の右ステッキでトリプルエースも息を吹き返したかの様に伸びだす。カイルアコナの内をグイグイと前へ前へと突き抜ける勢いだ。

ラスト100を切った。前の争いが熾烈。テーオーマルクスのリードがなくなる。青い帽子のトリプルエース。外のマイネルグリットの勢いがいい。カイルアコナの伸びはもうひとつ。外でゼンノジャスタに、更に外のラウダシオンも伸びだしてきている。ゴールまで追い合いが続く。トリプルエースかマイネルグリットかの追い合い、叩き合いとなったが、最後は外のマイネルグリットがクビ出ていた。3着は大外ラウダシオンが通過した・・。

火曜朝、馬道の傍を歩いていた吉田師に声をかける。馬上から祝福の声があちこちから掛かる。挨拶と祝いの言葉もソコソコに直球で聞く。《和田騎手はあちらを選んだのですか?》と。それに『えぇ、そうなんです』とは言うが眼は笑っている。《先に決まっていたんですか?》に、『前からそこは決まっていたようです』だった。 2頭は乗れない。先約を優先したと言うことだろう。ジョッキーの悩みは当然に判る。それでもその2頭がいい競馬をした。負けても気持ちはスッキリだったはず。 やはりあの勝負強さは本物だったマイネルグリット。これからあちこちで勝ち上がった馬との闘いである。また負けた馬も今日の舞台が合わなかった馬もいる。本当の戦いはこれからなのである。