競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【きさらぎ賞】平林雅芳がライブで観てインパクトの強さを感じた注目馬とは
2020/2/4(火)
1週前の登録は10頭。それもオープン馬は2頭であとは1勝馬。関東馬の2頭が1勝級とダブル登録の少ない馬数。次週に共同通信杯があるからなのか、毎週レースがあるせいなのか。
そのなかにグランレイの名前を見つける。やっぱりあの馬だと確認する。朝日杯の回顧で気になる馬がいたと書いたグランレイである。当日の返し馬でやんちゃな面を見せていた馬だが、実戦では4角までブービー、直線で斜め外へと出してきて大外へ。メンバー最速の上り脚を駆使して3着。勝ったサリオスの陰に隠れてはいたが、実際にライブで観ていて初めて感じるインパクトの強さだった。《この馬は走ってきそう》と思った馬。
2頭のオープン馬、東京スポーツ杯でコントレイルの2着の アルジャンナと札幌2歳S2着のサトノゴールドは同じ1勝馬だが、アルジャンナは過去10年で池江厩舎4勝とここに強いデータもある。だがまだ戦っていない強みもあるグランレイに注目だ。
【シルクロードSの回顧】
20年2/2(日)2回京都2日目11R 第25回 シルクロードS(G3)(芝1200m)
- アウィルアウェイ
- (牝4、栗東・高野厩舎)
- 父:ジャスタウェイ
- 母:ウィルパワー
- 母父:キングカメハメハ
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モズスーパーフレアはゲートが開いた瞬間は一番前にいなかったが、少し行ってから先頭に立ち、あとは馬体を並ばせない逃げを展開できた。道中のラップは前半の3F通過が33.9で4Fが45.0、5Fを56.5と数字的にはかなり遅めの数字だ。それも単騎で行けているのだからあと1Fを11秒台で押し切れれば勝ってくださいの数字。
ところが今の京都は2開催目で4メートル外へ出てきている芝だが、例年以上に1月は雨が多かった。内がかなり荒れて、開催後半は少し外めが伸びていたかと思う。その頻度が多かったところが今回は内ラチ沿いとなるコース形態。PVで見ると、直線の芝は内がかなりボコボコしている様に見受ける。最後まで2番手追走のセイウンコウセイを抜かせない粘りをしていたが、12.5と時計がかかった様に微妙に馬場の悪いところを通ってきたツケが最後に出た。
3角でドンジリ近い位置のナランフレグと、その前のエイティーンガールが2,3着。そのエイティーンガールの少し前にいたアウィルアウェイが勝った。この3頭は終始馬場の外めを通っていた。内ラチ沿いを走ってきたモズスーパーフレアが4着。その少し外め追走のセイウンコウセイが5着。普通、1200は内ラチ沿いを走る方が距離ロスがない分で最後の伸びが違ってくる。今回は内を走った馬で前へ行った2頭だけが電光掲示板。あとは後塵を浴びていた。馬場状態がそれだけ最後の振り絞る力に影響していたと言えよう。
火曜の朝の坂路監視小屋で音無師は『よく走ったよ~』とアッサリしたもの。そうそう、勝ったアウィルウェイはインディチャンプの下。師は『うちのはステイゴールド産駒なのに、距離が持って1800。うちのも短いのはむしろいいはず』と母ウィルパワーの短距離系を強調もしていた。スプリントの戦いは、3月29日の高松宮記念が春の頂点。タワーオブロンドンがスタンバイする。今日のメンバーが、そこでどこまで通用するのかだろう。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。