競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【ヴィクトリアマイル】アーモンドアイの最終追い切りに注目
2020/5/12(火)
昨年の安田記念で大きな不利を受けながらも僅差の3着と、負けて強しのアーモンドアイ。問題はドバイで開催中止となって帰国してきた点。精神面も含めてどうなのか。昨年の有馬記念、香港行きを自重しての国内での競馬となったが思いもしない負け方だった。もっともあの時のリスグラシューには敵わなかったとは思うが、内容が悪かった。
そもそもアーモンドアイはデビューから常に人気をも背負う馬で、最初のG1桜花賞を勝った時だけ人気を他に譲った以外は全て1番人気の国民的アイドル。人気も実力も国内No.1馬だろう。
ただG1馬は他にもいっぱい。2歳女王ダノンファンタジーに、オークス馬ラヴズオンリーユー。ディープインパクト産駒は他にも淀姫のサウンドキアラ、鞍上も魅力のプリモシーン。
結局は、アーモンドアイ次第なのである。最終追い切りに注目。
20年5/10(日)2回東京6日目11R 第25回 NHKマイルC(G1)(芝1600m)
- ラウダシオン
- (牡3、栗東・斉藤崇厩舎)
- 父:リアルインパクト
- 母:アンティフォナ
- 母父:Songandaprayer
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どうやら2歳女王のレシステンシアは、初めての左廻りをかなり気にしていた様だ。画面で見えたのは4コーナーを先頭で廻って来た処。まだラウダシオンに並ばれてない場面だった。先頭なのに体がちょっと外へ逃げ気味な感じだった。外へ行くまではないものの、スムーズには見えなかった。
自分のペースで行けていたはずだったのだが、実際は後ろのラウダシオンに無言のプレッシャーをレシステンシアは受けていたのか。あっという間に外目を交わされてしまっていた。もう一度盛り返すとかの余裕もなく、後ろから来る併せ馬の2頭を何とか凌いだ印象であった。
そもそも日曜の東京は、雨が午前中に降る予報だったのが画面では雨粒は一度も確認できなかった。結局、土日とも芝はずーっと良馬場発表。
そんな絶好のスピードの生きる馬場コンディションで、レシステンシア有利は認めるところ。展開面でも楽、そう読めていた。ところがラウダシオンがこの位置で競馬をするとは想いもせずだ。
PVで観るとスタート直後、鞍上のミルコはかなり手綱を押して押して出て行かせている。スタート自体はそう早くなかった模様だ。だが鞍上は《前に行く》の強い意志を持っていたようだ。楽に先手を取ったレシステンシアに、《交わして先に行くぞ》までの気配を見せた。
3番手が2番人気のタイセイビジョン。すぐそばにギルデッドミラーもいて、そこへ金子オーナーの勝負服、ストーンリッジが絡んでは行くがジトっとした流れ。そんな中でサトノインプレッサはブービー、最後方にウイングレイテストの縦に長い展開。ルフトシュトロームも出が良くなく後ろ。結局は外枠の馬には不利な流れ、完全に前残りの競馬となり、 あと200からラウダシオンが力強く伸びて快勝。レシステンシアは、今まででいちばん終いが頼りなかった。ラウダシオンのムキムキの体が印象的でもあった。
ここからダービーへ行く馬はいないはず。先々のマイル路線にしても、ちと物足りない内容だった。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。