古豪シンボリディスコ 千直マイスターが躍動の舞台へ
2017/7/23(日)
重賞初挑戦となった一昨年のアイビスSDでは9番人気2着と激走をみせてくれたシンボリディスコ。思えば、それ以降も堅実な競馬を続けているものの、馬券圏内は同じ千直の舞台だけ。通算でも4戦してすべて3着以内と得意としているコースともいえる。7歳ながら2度目の重賞出走となる今回。コース巧者ぶりを発揮してくれるのか。手応えのほどを師に伺った。
-:アイビスSD(G3)に挑むシンボリディスコ(牡7、美浦・高橋祥厩舎)について、よろしくお願いします。前走は少し間が開いていましたけど、レース当日の馬の仕上がり、気配はどのようにご覧になりましたか? 高橋祥泰調教師:ちょっと間が開いて、最後の1戦が余計だったかなと。間隔が開いていること自体は問題なかったと思うのですが、(レースに)出られないという状況もあったので、1回くらい余計に使っちゃったのが、前走に向けての調整でしたね。 -:1回余計に使ったというのは休む前の1戦が多かったと。 高:そうですね。あの頃は出られる、出られないというのがあったので、出られるところを探しながらという形で、ローテーションに微妙な変化があって迎えた前走だったのでね。 -:前走の前の馬の状態というのは、一時落ち込んだりした時期もありましたか? 高:この馬はもっと前からずっと遡っていくと、その前の休みを挟んでの競馬というのも出てくるので、今回だけ、前回だけという繋がりではなく、話はもっと広がってくるんだけど(笑)。 -:韋駄天S当日のデキ、仕上がりというのはどうですか? 高:時間をかけながらやっていたので、問題なく競馬には行けた感じはありました。不安なところは何もなかったけど、少し間が開いていた分、もうちょっとピリッとした脚があればどうだったかなと。勝った馬が強かったので、そういう意味では敵わなかったと思うけど、もうちょっとピリッとして欲しかったかな。 -:それは当日の馬の気配もそうだし、レースをご覧になってもそう思われたということですか? 高:そうですね。 -:前走後の馬の状態はどうでしょう。 高:1度放牧に出て、また帰ってきてというところで、今回はそういう意味ではちょっと間は開いているけど、「1回使った分の」という感じで割と楽にここまで来ていますね。 -:中間は坂路中心の調整となっています。1週前追い切りは伴騎手を乗せて追われましたが、その狙いと動きの評価もお願いします。 高:本番も伴で行くつもりなので、本人も今週から乗りたいということで乗ってもらいました。併せ馬の都合で時計が少し遅くなってしまったので、週末もう1回やらなければいけないかなという感じになっているのですよ。別に調整の狂いというのではないのだけど、時計の数字的な部分がちょっと気になってはいるので、週末の調教をどうしようかなと考えています。 -:週末、馬の状態を見ながらになりますが、現状での来週の調整予定は決まっていますか? 高:週末の動きを見ながら、来週また決まってくるのかなという感じです。ただ、今朝見たら、だいぶ体は引き締まって、いい感じになっているのでね。先週は数字的には同じですが、まだポタポタ、ポタポタとした感じで。どうかと思っていたんですけど、今朝見たらいい締まり具合になっていたので、体だけの様子を見ると、まずまずだなという感触は持ちました。週末の天候、気温を考えながら、どれくらいやるかというところですね。 -:伴騎手とはどのようなお話をされましたか? 高:「ちょっと(時計が)遅いよ」ということで、「ダメじゃないか」という話になっちゃったんですけど(笑)。本人ももうちょっとやりたかったんじゃないかなと思いますね。調整的な意味では不安感はないので、数字的なものだけだから、あとは伴がどう思いながらまた調教をしていくのかですね。 -:舞台は一昨年2着に来たアイビスサマーダッシュですけれども、直線1000mの競馬に対する適性はどうですか? 高:意外といいですよね。ネロと戦った1200mのオープン特別も惜しい競馬をしていたんですけど、千直でもいい競馬をしています。さすがにオープンに入ってくるとスカッと勝つような競馬にはなかなかならないんですけど、うまく対応できていますよね。ただ、勝つとなるともう一回噴射しないといけないかなと思います。踏みっぱなしでゴールまで行くのか、ちょっと残してもう一回踏めるのか。どの条件もそうなんですけど、単なるスピードタイプでは押しきれないですよね。踏みしろがどれくらい残っているか。特にオープンになってくると、違う速さの中で最後にどれくらい踏めるかが鍵になって来ますから。(馬に)その容量があるのか、ないのかですね。 -:最後にレースに向けての意気込みをお願いします。 高:G3で一昨年2着、前回はオープン特別で2着。勝った馬は強かったですし、あとどれくらいもうワンパンチが繰り出されるか。そこのところは手探りですね。
父は国営競馬所属の騎手であり、元調教師の高橋英夫氏。日本大学獣医学部を経て、獣医助手も務めたが、結果的に調教助手へ。30代の頃に厩舎を開業した。1996年にはタイキフォーチュンでG1初制覇。また、今では種牡馬としても活躍するサウスヴィグラスを手掛けたキャリアを持つ。今年は例年以上のペースで勝ち星を重ねており、アイビスSDでは久々の重賞制覇を狙う。
プロフィール
【高橋 祥泰】Yoshiyasu Takahashi