まだまだ若い!夏男ヤングマンパワーが関屋記念連覇へ上昇一途
2017/8/6(日)
ヤングマンパワーが、気温の上昇とともに調子を上げてきた。前走の安田記念は16着と大敗したが、17番枠から外を回された上に展開も厳しかった。レース後は放牧に出されてリフレッシュし、中間の追い切りの動きは抜群。関屋記念連覇へ、手塚貴久調教師に手応えを聞いた。
-:関屋記念(G3)のヤングマンパワー(牡5、美浦・手塚厩舎)の1週前のお話を伺いたいのですけど、まずは去年の勝ったレースについて振り返っていただけますか?
手塚貴久調教師:去年はすごく良い状態で使えたということが一番大きかったと思います。レース内容も時計が速かったですし、徐々にポジションを押し上げていくような感じで、着差は僅かだったんですけど、観ていて安心できるような内容で勝ってくれたなと思っています。
▲15年に3着、16年に1着。2年連続で馬券圏内と好相性
-:今年は安田記念からのステップになりますけど、その安田記念(16着)について振り返っていただけますか?
手: 前々走のマイラーズC(3着)から調子がちょっと上向きになってきていたので、安田記念は割と良い感じの状態で使えたなと思ってはいたんですけど、実際のところ、枠順も外め(17番)の枠を引いてしまって。ペースも彼にとっては速いのかなという感じだったので、終始外々を回る内容で、厳しい展開だったと思います。ただ、勝負に行ったんで、勝ちにこだわる乗り方をしてくれと(松岡)ジョッキーには頼んだので、ああいう形になったのもやむを得ないかなと思っています。
-:レース後の過ごし方を教えて下さい。
手:いつも通りなんですけど、安田記念の後はちょっと疲れたように見受けられたので、休ませるというか、立ち上げて乗り出す期間を少し後ろにずらしたんですけど、(ノーザンファーム)天栄の方でシッカリ休ませてもらって、立ち上げて乗り出してからは順調に来て、先々週に入厩して戻ってきたんですが、動きは本当に良いなと思っています。
-:今週の1週前追い切りには石橋脩ジョッキーが跨って、こちらの評価についてはいかがですか?
手:中間の本追い切りはずっと坂路でやっていた馬なんですけど、ちょっと気分転換というか、馬の雰囲気を変えようかなと思って、下(ウッドコース)で追い切ってみたんですが、動きは良かったですよね。騎乗した石橋君も好感触というか、そんな感じだったです。
-:この後は様子を見ながらということになると思いますけど、現状では来週はどのように調整されていく予定ですか?
手:週末と来週は、坂路でいつも通りのパターンで行こうかなと思っています。1週前にウッドチップでやったということは最近では珍しいというか、そんなにやっていなかったので、それをやれたということは逆に良いスパイスになっていれば良いなと思っていますし、今週の動きを見た感じでは、それほど強い調教もいらないなという雰囲気だったので、来週は坂路で良いかなと思っています。
-:先ほど「昨年は非常に調子が良かった」というお話がありましたけど、現在はいかがですか?
手:良いですよね。やっぱり夏の時季は代謝が良いのか分からないですけど、馬の雰囲気はとても良くて、1年を通して馬の張りが一番良い時季がこの真夏というか、暑い時季なので、今年の今の雰囲気というのは、本当に去年に近いものが出てきているし、馬は1つ歳を取っているんですけど、まだまだ若々しく見えるし、馬の張りなんかを見ると今年も良いデキで臨めるかなと思います。
1週前追い切りでは石橋脩騎手が感触を確かめた(左)
-:最後に連覇の懸かるレースですけど、意気込みをお願いします。
手:関屋記念はなかなか連覇ができないレースなんですけど、斤量は昨年より1キロ増で済んでいるので、その後の実績を考えれば仕方がないかなという所はあるんですが、コース適性とレースを使う時季には不足がないので、今年も良い競馬ができるように頑張ってもらいたいなと思っています。
-: ありがとうございました。
プロフィール
【手塚 貴久】Takahisa Tezuka
1964年9月20日生まれ。栃木県出身。1989年5月にJRA競馬学校厩務員課程に入学し、同年10月から美浦・相川勝敏厩舎所属の厩務員となる。1990年3月に美浦・佐藤林次郎厩舎、4月から美浦・佐藤全弘厩舎所属の調教助手となる。1998年に調教師免許を取得。1999年4月11日の中山6Rで初勝利を挙げ、ベルグチケットのフェアリーSで重賞初制覇。2011年にアルフレードの朝日杯フューチュリティSでG1タイトルを獲得し、2013年に東京競馬記者クラブ賞を受賞した。重賞はG1の2勝を含む19勝。