アポロケンタッキー2つ目のビッグタイトルから再びドバイへ！

2017/10/29(日)

アポロケンタッキーが初G1制覇の地で2つ目のビッグタイトルを狙う。前走の日本テレビ盃は久々の1800ｍでJRAのライバルに競り勝った。重賞3勝は京都(良)、大井(重)、船橋(稍重)とすべて違う条件で、陣営も驚くほどの進化を遂げた。富岡潤調教助手は、JBC制覇への手応えとドバイ再挑戦への思いも語ってくれた。

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距離不足を心配した前走の勝利は「まさか」

－：前走、日本テレビ盃で重賞3勝目をマークしたアポロケンタッキー(牡5、栗東・山内厩舎)ですが、JBCクラシック(Jpn1)へ向けてのお話をよろしくお願いします。前走は接戦でしたね。

富岡調教助手：良く勝ってくれましたね。1800が久々だったので、どうなのかと思っていたのですが、2着くらいに来てメドが立てば、次に繋がればなと思っていたのですが、まさか勝ってくれるとは思わなかったですね。

－：「2着くらいだったら……」というお気持ちというのは、やっぱり仕上がり、休み明けもあって、ですか？

富：適性的にも2000m以上を使っていたので、1800はちょっと忙しいのではないかと思っていましたね。外枠(11番)も良かったのだろうし、やれるのだな、と実感しました。ちょっと注文が付くかもしれないですけどね。

－：かなり大型の馬なので、外枠の方が良いですか。

富：そうですね。注文が付くと言ったら付くのだけど、(1800も)こなしてくれたから、今後の競馬にも良い方向に影響してくるし、良かったんじゃないかと思います。

▲山内厩舎で幾多の活躍馬を手がけてきた富岡助手

－：レースを観ていても、身体が大きいのが分かるほどですよね。

富：ああいう競馬に持ち込めれば強いですね。接戦でもバテないし、結局、最後まで惰性で行けるのが大型馬の強みなのかもしれないです。だから、逆に言えば(時計の)速い勝負になったら疑問符が付くのですがね。

－：僕なんかは、中京のチャンピオンズC(0.4秒差の5着)なんかは馬場が軽いイメージがあったので、けっこう展開が流れていましたけど、最後にあそこまで来たのはけっこうやるなと思いましたけどね。

富：あそこまで来られるというのは、力のある証拠なのでしょうね。正直、中京なんかは時計も速いから、馬には申し訳ないけど、僕もちょっとあそこまではやれないんじゃないかという気持ちはもちろんありましたね。僕らが思っている以上に馬が力を付けているのでしょうね。

「パク(内田博幸)さんが初めて乗ったのですが、追い切りも乗っていない状態。それで、返し馬に行くじゃないですか？もちろん僕ら調教助手はゲートに行かないとダメなので、この馬の口を取った瞬間に、パクさんが『この馬勝てるかもしれないよ』と言い出して、(返し馬で)それなりには掴んでいたんでしょうね」

－：東京大賞典は、僕も当日取材に行ったのですが、砂が冬場で独特というか、ちょっと粘りつくような感じだったので、あの日はこの馬にとってけっこう合う条件だったのかなと思うのですが。

富：それはムッチャ面白い話で、パク(内田博幸)さんが初めて乗ったのですが、追い切りも乗っていない状態。それで、返し馬に行くじゃないですか？もちろん僕ら調教助手はゲートに行かないとダメなので、この馬の口を取った瞬間に、パクさんが「この馬勝てるかもしれないよ」と言い出して、(返し馬で)それなりには掴んでいたんでしょうね。でも、僕からしたら“何言ってんだ、この人”と思ったんですよね。けっこうメンバーも強かったんじゃないですか？そうたら勝ってしまったので、やっぱり言っていることは本当だったんだと。あのアドバイスにはちょっとビックリしましたけどね。

－：さすが南関東で年間最多勝記録を塗り替えたジョッキー。馬場適性を一番知っていますよね。

富：(元・大井所属で)もともと地元だし、そういう意味もあって、乗ってもらったんですよね。今だから言えるのですが、他の騎手に任せる話もあったのですが、調教師が「パクさんの方が良いんじゃない」という話になって、変わったのですがね。

－：大きな馬ですし、何となく内田さんの追いっ振りも合うのかなという感じもしますね。

富：確かに合っていますね。馬に癖自体はないものの、結局、乗り役の選択肢は間違っていなかったということですね。今まで勝っている中でも、色々なジョッキーが乗っていますけど、みな何も言わないですからね。そういうところは注文が付かないですよ。