サウンドトゥルーが連覇へ視界良好だ。前走のJBCクラシックは強気のレース運びで差し切り勝ち。惜敗続きにピリオドを打ち、欲しかったタイトルをつかんだ。この秋3戦目でも、状態は日本テレビ盃から絶好調をキープ。高木登調教師は自信を持って最大目標の舞台に送り出す。

－：チャンピオンズカップ(G1)連覇に挑むサウンドトゥルー(セ7、美浦・高木登厩舎)についてお伺いします。秋の日本テレビ盃から振り返っていただけますか？

高木登調教師：夏休みを終えていい状態で戻ってきて、調整もすごく楽で、いい感じで休み明けの中では一番いいくらいのデキだったので、これは勝負になりそうだぞと思ってレースに向かいました。最後ちょっと手前を変えられなくて負けてしまいましたが、そこは休み明けの分かなというのはありましたね。

－：これまでの休み明けとの違いはどのあたりにありましたか？

高：硬さがないというか、柔らかみがありました。ちょっとコトコトしている馬で、良くても他の馬よりはちょっと硬めなんです。そういうズングリムックリしたような体型なんですけどね。

－：日本テレビ盃後の馬の状態はいかがでしたか？

高：叩き良化型なので順調といえば順調だったんですけど、自分の中では現状維持ですね。初戦からこんなにいい状態だったので、むしろこの状態を暮れの(東京)大賞典とかまでずっと維持できるかな……と思うくらい、具合は良かったです。

－：現状維持をテーマに調整されてJBCクラシックに向かわれたということですが、当日の馬の感じはいかがでしたか？

高：本当に良かったですよ。自信を持っていて、東京大賞典とチャンピオンズカップを勝って、あと欲しいのはJBCクラシックのタイトルだったので、勝ちたかったレースでした。

－：レースは見事な差し切り勝ちでした。振り返っていただけますか？

高：日本テレビ盃のときに4コーナーに前が4頭いて、外を回るのはどうかなと思ったらしいんですけど、多少待った動きもあったんですね。だから強気に乗ってほしいなという気持ちがあって、「ウチのが一番強いぞ、という気持ちで乗ってくれ」と大野には言ったんです。その通り3コーナーから自分で勝ちに行ってくれました。

－：これは行けそうだな、という確信はありましたか？

高：正直、大井の2000mってけっこう難しいんですよ。メンバーも緩くないですし、やるたびに勝ち馬が変わっているくらいの混戦ですから。ウチのは追い込みなので、どうしても流れに左右される部分はありますけど、その中でもスローだろうがなんだろうがずっと3着以内に頑張ってくれていたので、行けるかなという感じでしたね。

－：実際に欲しかったタイトルを取れて、レース後の馬の状態はいかがでしたか？

高：そのままキープしていますよ。元気がいいので(1週前の段階で)3本乗っていますし、あまり楽をさせて逆に緩むのは嫌なので、刺激を与えるためにある程度の時計は出しています。やっぱり、ここが一番デカいレースなので、チャンピオンズCを頂点にしたいですからね。

チャンピオンズC連覇へ主戦の大野騎手を背に1週前追い切り

－：1週前追い切りは大野ジョッキー騎乗しました。指示と狙い、動きの評価を教えてください。

高：もうできてると思うんですけど、大野には確認のために終いをサッと伸ばしてもらいました。そんなに調教でガッと動くタイプではないので、いつも通りやりすぎずにそのままキープするという感じですね。

－：ジョッキーとお話されたことは？

高：変わりなく、いいと言っていましたよ。

－：去年勝ったレースに向かうわけですが、あらためて去年を振り返っていかがですか？

高：ポジション的にあそこなので、見ていて気持ちいいものではないですよね(笑)。その前の年(2015年)は詰まっちゃったんですが、自分は内にこだわりたかったんです。後ろから行って大外を回しても絶対に届かないと思ったので、詰まってもいいから内を狙ってくれと。オーナーにも了解を取りました。スタートして「もしかしたらノンコ(ノユメ)が前にいるからな」という話はしていたんですよ。そうしたら案の定、前にいて進路を取られて、大野も悩んだ末に外に出したんでしょうけど間に合いませんでした。そのこともあったんですが、去年は見事に真ん中がスパーンと開いてくれました。

－：先生もこの勝利は嬉しかったのではないですか？

高：(2015年の)東京大賞典から1年間ずっと勝てなかったので、嬉しかったですね。

－：あらためて連覇への意気込みをお願いします。

高：本当にいい状態で迎えられそうなので、このままキープしたいなと思っています。前に強力な馬もいますし、簡単じゃないですけど、何とか(連覇と)いきたいなと思っています。