ジャパンカップは蹄鉄緩んで3着 200%の仕上げで有終の美飾る キタサンブラック
2017/12/23(土)
いよいよ、王者キタサンブラックが引退レースを迎える。前走のジャパンカップは蹄鉄が緩んだ状態で走り3着でゴールした後、落鉄した。中間は道悪で勝った天皇賞(秋)、アクシデントのあった前走のダメージもなく順調そのもの。12月13日の1週前追い切りでは、いっぱいに追われて自己ベストに迫る猛時計をマークした。有馬記念は2年連続でファン投票1位での出走で3着、2着。清水久詞調教師のラストランに懸ける強い思いを聞いた。
-:有馬記念でラストランとなるキタサンブラック(牡5、栗東・清水久厩舎)についてお伺いします。ジャパンCは残念な結果(3着)になってしまいましたけど、レースを振り返っていただくといかがでしたか?
清水久詞調教師:特に何もなく、自分の競馬はできたと思いますけどね。-:レース後に落鉄というのが、いろいろな方面から声が挙がったと思うのですが、どこの部分で落ちたのでしょうか?
清:ゴール板を過ぎてからですね。
-:レース中から外れかかっていたのか、(ゴール板を)過ぎてからポロっと落ちたのか気になるところなのですが?
清:はっきり分からないですけど、たぶん緩んでいたんじゃないですか。(蹄鉄が)浮いた状態で、パタパタ緩んだ状態で競馬をしていたんじゃないですか。
-:馬に乗ったことがない人間からすると、緩んでいた状態で走ることの負担というか、競走能力への影響はいかがですか?
清:こればっかりは馬に聞かないとわからないですけど、緩んだ状態で走っていると何かが引っ付いている感じなので、やっぱり走りづらいんじゃないですかね。
-:靴が脱げかかる感じですかね?
清:人間で言えば、そんな感じじゃないですか。ちゃんと片方はシッカリ履けていて、片方は紐が緩かったとか、そういう感じじゃないですかね。
-:写真によっては着いているようにも見えるので、いつ取れたのかなというのがありました。
清:ゴール板を過ぎてからですね。少しぐらいの緩みじゃ、写真では分からないですよね。
-:分からないことではありますけど、もしかしたら、直線の途中かどこかで緩みかかったのかということでしょうか?
清:そこはしょうがないですよね。もう次のことを考えているので。
-:元々、蹄に関しての話は伺ったことはなかったのですが?
清:初めてです。
▲ジャパンCでは外から2頭の強襲に遭い3着だった
「(思い出のレースに)順番は付けられないですよね。勝ったレースも負けたレースも、全部はっきり覚えています。負けは負けで悔しいですしね。負けた馬ともう1回やるなら次は逆転してやるぞという気持ちはありますよ」
-:昨日(12/13)の追い切りはいかがでしたか?
清:良かったですよ。理想的な、思い通りの追い切りができました。
-:時計的にもかなりしっかりやられたようですね?
清:そうですね。優秀ですね。
-:時計的にもほぼ理想どおりですか?
清:あれぐらいやりたかったですからね。あの時計にしてはお終いもしっかりしていましたし、動きも良かったです。
-:今までの時計をちょっと調べたんですけど、今までで2番目に速いぐらいの時計だったのかなと思います。
清:あれぐらいの時計は何度か出したことはありますけどね。
-:来週に関してはどういう予定ですか?
清:これから来週までの状態を見極めながらですね。そのやる時の状態で、どれぐらいでするかですね。
-:前回、蹄のアクシデントがあった中で、レースを使ってのダメージとか、そこら辺といのは問題なかったですか?
清:ないですね。
-:やっぱりそれだけタフさというか、体の強さがあるんでしょうか?
清:元々、丈夫で健康な馬ですからね。
-:天皇賞(秋)後の状態も全然問題なかったですか?
清:なかったですね。
-:これだけの人気馬なので、乗り出しの日にちがどうこうとか、いろいろなコメントを見ていると、みんな重箱の隅を突くような感じがするのですが、そういうのを全部乗り越えてきているというのはすごいかなと思いますね?
清:それぞれ見方が違いますし、それぞれの立場もありますし、あまり適当な言い方じゃないかもしれないですけど、何を言われても慣れましたね。やっぱりそのレース毎、レース毎に本命を打たない方はその理由が必要になると思うので、そういう方の立場も分かるので、別に何を言われようが、どういうような捉え方をされようが、別に慣れたというか、何とも思わないというか、みなさんの評価の違い、評価の仕方もあるでしょうしね。
-:先生には、やっぱりその中でも見返してやろうという思いはあるんでしょうか?
清:周りからいろいろ言われること、突っ込まれることに対して見返してやろうというのはないですけど、負けた次なんかはやっぱり次は勝つぞ、負けた馬ともう1回やるなら次は逆転してやるぞという気持ちはありますよね。
-:前回はそういったアクシデントがあった中で3着と敗れてしまいましたけど、スターホースが最後のレースに向けて、逆転というシナリオができたのかなと思う部分もあるのですが?
清:そういう風に捉えた方が、僕も気持ちが前向きになりますよね。
-:負けたあとに話を検量室前で聞いていて、やっぱり次は勝つシナリオというか、何かできるのかなと思って聞いていたのですが、今までのレースを振り返って、1番思い出のレースは何かありますか?
清:1番、2番とか順番は付けられないですよね。勝ったレースも負けたレースも、全部はっきり覚えています。負けは負けで悔しいですしね。
-:管理されてきたどの馬も一生懸命やられていると思いますけど、先生はこの馬に対する思い入れが強いところはありますか?
清:あまりブラック、ブラックと言っていると、他の馬主さんもいますからあまり言えないですけど、やっぱりこの世界は、こういう馬が出たらみんな引っ張るぞと昔から言われているように、こういう馬が出てくれれば多少気持ちは、ね。どの馬もその馬に合った調整方法できっちり仕上げて、良い番組を探してあげて、良い状態で競馬に持っていくという、やっていることは一緒なんですけど、心の中でやっぱりこういう馬が出れば、そこに一番目にいってしまうのはどなたも一緒じゃないですか。