2歳6月新馬勝ちからクラシックも主役 早期デビュー世代の代表格 ステルヴィオ
2018/4/8(日)
ノーザンファーム天栄・木實谷場長 独占インタビュー(2P)はコチラ⇒
牡馬では「早期デビュー世代」の代表格・ステルヴィオが、2歳6月の新馬勝ちから皐月賞制覇を狙う。2戦目以降も「中2カ月」という余裕を持ったローテーションで成長を促しながら順調に賞金を加算し、前走のスプリングS(G2)を快勝。昨年(2017年)のレイデオロに続いて牡馬クラシック戦線の主役を送り出すノーザンファーム天栄・木實谷(きみや)雄太場長に、デビュー時期を早める理由とローテーションを決める根拠を聞いた。
-:牡馬でもロードカナロア産駒のステルヴィオ(牡3、美浦・木村厩舎)がスプリングSを勝ちました。朝日杯フューチュリティS(2着)よりも前めのポジションにつけて差し切るレースで、皐月賞に向けて収穫も多かったと思いますが、レースを振り返っていかがですか?
木:課題のスタートもまずまず決めて、ここ2走よりもいいポジションで道中運ぶことができました。終いの伸びもこの馬本来のものでしたし、さらに頭数の増える皐月賞に向けて視界の広がるレースぶりだったと思います。
-:アーモンドアイの母フサイチパンドラは気性が荒かったという話がありましたが、ステルヴィオもキングカメハメハ産駒である半兄ボルゲーゼは気性が難しかったと記憶しています。最初から気性面を考えて調教をされていたのでしょうか?
木:特に意識して接しているわけではありません。フサイチパンドラの仔は今回初めて関東に所属しているので比較がつきませんし、ステルヴィオに関してもボルゲーゼの弟だからといって特別なことはしていません。ロードカナロア自身にも携わっていないのでどういう馬だったのかは分かりませんが、ステルヴィオに関しては初めて天栄に来た時から順応性が高く、扱いやすい馬でしたよ。普段の馬場入りの際や、レース当日のパドックでは少し気持ちの高ぶりが見られますが、走りだせば折り合いもつきますし、現状気性面に関しては問題ないと思っています。
-:全体的に見ると、ロードカナロア産駒は落ち着いている子が多いですか?
木:確かに、総じて扱いやすい馬が多いかなという感じですね。
-:ロードカナロア産駒の成長力という点に関しては、どう思われますか?
木:まだサンプル数が少ないですけど、ステルヴィオは朝日杯の時よりも(スプリングSのほうが)明らかに馬は良くなっていましたし、成長力がないということはないと思います。
「ロードカナロア産駒は総じて扱いやすい馬が多いかな。ステルヴィオも朝日杯の時よりも明らかに馬は良くなっていましたし、成長力がないということはないと思います」
-:昨年のレイデオロ(牡4、美浦・藤沢和厩舎)は年明け初戦の皐月賞からダービーを勝ちました。順調さを欠いて皐月賞トライアルに「使えなかった」としても、早い段階(ホープフルS勝ち)で賞金を加算していたから皐月賞、ダービーとも使えたというのが大きかったですか?
木:こればかりは結果論でしか語れないですからね。レイデオロの場合、皐月賞、ダービーをともにいい状態で出走させることを一番に考えてローテーションを選択しました。負けはしましたけど、皐月賞も自身のパフォーマンスは発揮できたと感じましたし、私自身もこれからの世代でクラシック戦線を歩んでいく上でいい経験をさせてもらったと思っています。
-:消耗度を考えると、ダービーやオークスまでできるだけ使う回数を少なくしたいという考えはありますか?
木:そういう考えはありません。数を使えばその分だけ経験を積むことができるわけですし、使えるならいくらでも使いたいというのが本音ですね。ただ先ほどもお伝えしましたように馬によって疲労の回復具合や成長度合いも違うので、あくまで個々の馬を見ての判断が大切なのではないでしょうか。
弥生賞7着のオブセッションはダービー出走を目指す
-:弥生賞のオブセッション(牡3、美浦・藤沢和厩舎)は残念な結果に終わってしまいました。
木:カーブを曲がれなかったというか、コーナーで内側からのステッキに過剰に反応してしまったようです。若さがモロに出たというところですね。
-:ステッキに過剰に反応するような面は見せていたのですか?
木:牧場ではステッキを何度も打つような調教は行いませんし、それは分かりません。
-:今後は青葉賞からダービーを目指すということですが、広いコースで巻き返しが期待できますね。
木:どちらかというとエンジンの掛かりが遅いタイプですので、コーナーが緩く、直線の長いコースに変わるのは間違いなくプラス材料ですね。皐月賞に出走させられなかったのは残念ですが、本番のダービーを前に課題が見つかったということを前向きに捉えています。