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菅沼輝正調教助手

菅沼輝正調教助手


-:宝塚記念に出走を予定しているジャガーメイルについて、菅沼輝正調教助手に伺います。よろしくお願いいたします。

菅:よろしくお願いします。

-:前回、天皇賞前にもお話を聞かせてくださってありがとうございました。まずは天皇賞を振り返っていただけますか?

菅:ちょっと体重が減っていましたけど、パドックでは「スッキリしてちょうど良いかな」という感じに見えました。気合乗りも良かったし、気配は良かったですよ。

-:体重は京都記念が480キロ、天皇賞は472キロでマイナス8キロでの出走でした。

菅:そうですね。勝負をかけて追い切りもビシッとやりましたしね。その分かな、と思いました。でも、追い切りが終わったあとも疲れた様子はありませんでしたし、雰囲気は良かったですよ。厳しい調教だったかもしれませんけど、オープン馬ですからね。担当厩務員に聞いても「バテていませんし、ケロッとしていますよ」と言っていました。

-:非常に良い状態でレースを迎えられて。レース内容はどうご覧になられましたか?

菅:いつもよりは前のポジションにつけていましたね。3、4コーナーあたりで普通は動きたくなるところですけど、じっくり構えてね。前との距離が射程圏内ギリギリかな、というポジションにいましたけど、ジョッキーが「ジャガーメイルの終いの脚がしっかり切れる」というのを頭に入れてくれていて、キッチリと差し切ってくれました。凄い勢いでまだ伸びそうでしたもんね。素晴らしい内容だったと思います。

-:念願の初重賞タイトルがG1で。

菅:今まで何回かもったいないレースがありましたけど、今回はキレイに差し切ってくれて。自分のペースで走れたからあれだけキレイに勝てたんでしょうけどね。ジョッキーも焦らずに上手く乗ってくれたと思います。馬の力を信じてくれていたんでしょうね。



-:天皇賞前の追い切りでウィリアムズ騎手が騎乗されていましたね。

菅:そうですね。そのときも「具合が良い」と話していました。それが馬との信頼に繋がったのかもしれませんね。

-:レース後のジャガーメイルの様子はいかがでしたか?

菅:特に疲れが見えたりという反動はありませんでした。レースが終わってしばらく厩舎にいましたけど、どこか痛くしたところもありませんでしたし、疲れた様子もありませんでした。そのあとは厩舎から山元トレセンに移動して調整を進めました。

-:なるほど。

菅:今、山元トレセンから帰ってきて3週間くらい経ちましたけど、3本くらい追い切りをしました。それで今日(6/17・木)にビシッとやろうという予定で。良い動きでしたよ。

-:内容を教えていただけますか?

菅:ポリトラックの3頭併せで追い切りました。先頭のクォークスターから5馬身遅れてサイオン、そこから5馬身遅れてジャガーメイルが行って、4コーナーから3頭一緒に併走する形でした。

-:ジャガーメイルに対して、何か指示はありましたか?

菅:少し重めだったら追っておいて欲しい、という指示でした。どのくらい息が出来ているか確かめる意味で長めに行ったようですね。騎乗した石橋脩くんも少し手綱をしごいていましたけど、直線でもそれなりに応えてきてくれていましたから、動きは良い方だと思いますよ。

-:石橋騎手が少し手綱をしごいた、ということは多少重めに感じた点もあったのでしょうか?

菅:いや、10馬身後ろから追走していましたからね。その分ですよ。

-:なるほど。追い切り後、石橋騎手とはどのようなお話をされましたか?

菅:「ブリンカーを着けた方がもっとやる気になりますね」と言っていました。今日の調教ではブリンカーを着けませんでしたけど、彼はブリンカーを着けたときにも乗ってくれたことがありますから、比較してそう感じたんでしょうね。レース本番ではブリンカーを着けようと思っています。

-:そうですか。来週の追い切りはどのような予定をお考えですか?

菅:馬の状態を見ながらになりますけれども、短めに馬なりでサッとやると思います。今日の追い切りでグッと良くなると思いますよ。

-:見た感じの雰囲気もガラッと変わりますか?

菅:いや、あまり外見に変化を見せない馬なんですよ。カリカリしたところも見せませんし、のんびり屋ですね。内面は燃えているのかもしれませんけど(笑)。外見では変化が分かりにくいタイプです。



-:そうですか。さて宝塚記念ですが、舞台は阪神2200メートルになります。これに関してはいかがですか?

菅:大丈夫だと思いますよ。距離もそれなりにこなせますし、右回りでも左回りもこなせますから。ジョッキーも引き続きウィリアムズ騎手ですから心配はしていません。

-:心強いですね。最終追い切りでウィリアムズ騎手が騎乗する予定はありますか?

菅:いえ、今のところそれは考えていません。もう実戦でも乗ってもらっていますし、ジャガーは変なクセも全然ありませんから大丈夫です。

-:勢いに乗ってG1連勝といきたいですね。

菅:そうですね。ここまで順調にきていますし、このまま良い状態でレースに送り出してあげたいですね。頑張りますので応援よろしくお願いします。

-:期待しています。お忙しい中、ありがとうございました。



【菅沼 輝正】 Suganuma Terumasa

1979年から2002年まで(旧姓・森安)ジョッキーとして活躍。
引退後は調教助手に転身し、現在は美浦・堀厩舎でジャガーメイル、キンシャサノキセキ、アリゼオをはじめとする所属馬の調教を担当する。
今週はジャガーメイルが宝塚記念に出走予定。天皇賞春に続くG1連勝を狙う。