ダイワメジャー以来の連覇へ。昨年のマイルチャンピオンシップ覇者・ペルシアンナイトが連覇に挑む。昨年アグネスデジタル以来17年ぶりに3歳馬としてこのレースを制覇。今年は未だ勝利はないものの、大阪杯でスワーヴリチャードに食い下がって2着になるなど、存在感を見せている。状態の良さ、そして成長を口にする陣営に、連覇の可能性、展望を直撃する。

前走は斤量59キロで直線スムーズさ欠く

-:マイルCS(G1)に挑むペルシアンナイト(牡4、栗東・池江寿厩舎)について、今年初戦から振り返ると大阪杯で2着。2000m戦だった訳ですが、去年のマイルCSで初G1を勝ってからは勝ち鞍からは遠ざかっていますけど、調教では常に動いていますね。

斉藤勲調教助手:調教は動いていますし、いつも良い具合なんですけどね。

-:中山記念(5着)から動きは良かったと思うんですが。

斉:はい。ずっと良いんですけど、結果が出ていないだけですね。

-:その辺の難しさはありますか?

斉:乗り難しくはないと思うんですけど、一瞬の切れがないのかもしれないですね。大跳びで、スッと動けないところがあるのかもしれないですね。

ペルシアンナイト

-:富士S(5着)の時も前に行った馬に届かなかったという形もあるから、流れ的には先行馬がバテて、という競馬の方が良さそうですか。

斉:そういう感じの方が良いですね。

-:そういう意味では、マイルCSというのはけっこう先行馬受難で、馬場的に開催後半になっているからだと思うのですけど、大体差しが来ますからね。

斉:そうですね。馬場的にも良いんじゃないですかね。

-:33秒台の切れは持っている馬ですけど、馬場的にはもうちょっと速い先行馬もいますからね。今朝(11月8日)の1週前追い切りはどうでしたか。

斉:馬なりで、いつも動きは良いですね。時計は85くらいで、終いは12秒ちょっとくらいですね。本当はもう少しやっていいところですけが「ゴール過ぎてからもやっておいた」とは乗り手は言っていましたけどね。

-:時計よりも負荷は掛かったということですね。

斉:負荷は掛かっていますね。思ったよりも(上がってきた時の)息がしんどそうだったから、負荷は掛かっているのかなと。いつも心拍数などのデータを取っているんですけど、抜群に良いんですよ。

ペルシアンナイト

▲1週前追い切りを行うペルシアンナイト(CW6F84.4-67.7-52.8-38.9-12.3秒)

-:多分、この馬はいつも安定して良いんじゃないですか。

斉:そうですね。結果的には、マイルだと、少し忙しいのかもしれないですね。

-:不利というか、スムーズさを欠くところがありますね。

斉:安田記念(6着)の時もなかなか出られなくて、前が詰まって、富士Sも前をカットされたみたいで。

-:しかも、富士Sは斤量が59kgでしたからね。

斉:そうですね。その辺は大丈夫かなと思っていたんですけど、他が軽いですからね。

-:そう考えると、あの5着というのは縁起が良いと言ったら語弊がありますが…。

斉:去年も5着の後に勝つという。力はあるので、あとは運でしょうね。

「タフな流れになってくれた方が」

-:馬体の変化はありますか。

斉:1回使って筋肉が盛り上がってきて、パワーアップしていますよね。乗っていて、全然違いますからね。昨年と比べても、全体的にちょっと大きくなったという感じですかね。最初から完成度は高かったから、それがもう一回り大きくなった感じはあるんですけどね。

-:ペルシアンナイトだけじゃなくて、ハービンジャー産駒というのが何か使っている方が良いイメージがありますよね。

斉:そうですね。この馬も本当にタフだと思うんですけどね。バテているのをあまり見たことがないような気がしますね。

-:天候的には雨が降っても大丈夫なのですか?

斉:多少は大丈夫だと思いますけど、大雨はちょっと…。去年の富士Sが泥んこ馬場でしたからね。跳びが綺麗なので、キツいですね。

-:ただ、京都の外回りのマイル戦というのは、この馬は嵌まりやすいですか。

斉:嵌まると思いますけどね。ハイペースになってくれれば。みんなが脚を使えるような展開だとしんどいかもしれないですけど、タフな流れになってくれた方がスタミナはあるので。

ペルシアンナイト

-:ポジション的にはやっぱり後ろ目からになりそうですか。

斉:後ろ目になるんじゃないですかね。去年も外(18番)からですからね。結果、上手いこと乗ってくれましたからね。

-:(同じ厩舎の)サトノアラジンとダブりますね。

斉:あれも大外ぶん回ししかのタイプでしたからね。

-:あの馬も外枠の方が成績は良かったような気がしますからね。

斉:外枠で流れに乗って。

-:あまり切り替えしたりせず、ブァーンと来た方が。今のところの体重は、富士Sからの変化というのはどんなものですか。

斉:ちょっと増えていると思うんですよね。いつも使ったら(筋肉が)盛り上がってくるので。輸送がそんなにないですから、この間がマイナス6キロで、プラスになるんじゃないかなと思うんですけど。

-:立ち写真を見ても、大きく見えますね。やっぱり何かシッカリしたというか、何かちょっと締まった感じがしますね。

斉:本当ですか。ちょっと大人になった感じがありますね。うるささはありますが、競馬に行けば大人しいですよ。

-:それがすごいですね。ハービンジャー産駒と言ったら、けっこう元気が良過ぎるところがあるじゃないですか。

斉:普段は元気が良いんですけど、競馬に行ったら真面目ですね。

-:それはどういうことなんでしょうね。

斉:レースに集中しているんですかね。

ペルシアンナイト

厩舎3頭出し「切れ味なら上」

-:マイルCSのパドックを観るファンは、どういう感じだったら良いのですか。

斉:どういう感じが良いのかなぁ。集中して歩いている時は良いんじゃないですか。入れ込んだり、ソワソワするようなこともないので。

-:あと1週間ありますけど、この後週末と来週の調整はどんな感じになりそうですか。

斉:週末に坂路でちょっと大きめを乗ってから、来週は馬なりだと思うんですけどね。

-:もう態勢は整っているということですね。今年を振り返っていただいて、斎藤さんが一番自信のあったレースはどこでしたか。

斉:安田記念の時は馬がすごく良かったと思ったんですけどね。結果は出なかったですけど、馬は一番良かったと思うんですけどね。

-:あのレースもけっこう時計が速かったですからね。

斉:速かったですね。やっぱりスプリンタータイプじゃないと無理ですね。

-:31秒台の前半ですからね。

斉:1400とか、モズアスコットのようなスプリント系の馬じゃないとちょっと厳しいレースだったのではないかと思うんですよね。

-:スピードの限界ですね。ペルシアンナイトはそれよりももうちょっと、1800とか2000でもやれるというタイプですからね。

斉:そうですね。スタミナが要る競馬の方が。

ペルシアンナイト

-:今回はアルアインもマイルCSに来ますし、同じ厩舎のジャンダルムと3頭出しですね。

斉:3頭で頑張りたいですね。切れ味勝負なら、ペルシアンの方が上かと思いますけど、ポジション的にはアルアインが前でしょうね。

-:楽しみですね。

斉:そうですね。いつも良い勝負しているしね。

-:ファンが多いと思いますし、去年の勝ち馬でもあるし、人気も多分上位になると思うので、富士ステークス5着から1着ということもありますし、ファンに一言お願いできますか。

斉:今年は勝てていないので、何とか連覇できるように頑張ってもらいたいです。

-:馬は安田記念にヒケを取らないコンディションにありますか。

斉:はい、ありますね。

-:多分、パドックを観たら、これは良いなと思いますか。

斉:良いなと思うと思うんですけどね。

-:それも楽しみにしておきます。

斉:お願いします。