元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
ラグビー
2015/10/15(木)
それでは競馬の話に参りましょう。まずは、3日間競馬の初日にはいちょうS改めサウジアラビアロイヤルCが行われ、ブレイブスマッシュが見事優勝を飾りました。今年の2歳からトーセンの冠名を外した島川オーナーの思い入れのある血統で、怪我により思い通りに走れず引退した父トーセンファントムに母トーセンスマッシュとトーセン夫婦の結晶での勝利は喜びが大変大きかったと思います。1番人気に推奨されたイモータルは直線で少しもたついた分、最後届きませんでしたね。まだまだ2歳だけにハミの変更や調教次第では、今後は更に怖くなる一頭だと思います。
日曜日には豪華メンバーが集まった毎日王冠が行われ、こちらはエイシンヒカリが、まんまと逃げ切り重賞2勝目を手にしました。ただでさえ気性の荒い馬に大勢のお客さんということで非常に心配しましたが、本当に豊ちゃんの技術は天才でしたね。馬をなだめるように進めると、直線でもよれることなく追い、最後の最後でもうひと脚を使わせるところを含め、あの馬をここまでコントロールできるのは本当に豊ちゃんだからこそだなと思いましたね。そして逆に、他の騎手達は逆に思い通りに逃げさせてはダメだったのではないでしょうか。もう少し、競りかけるなど勝負を挑まなくてはいけなかったなと個人的には思いました。そして、期待していたアンビシャスも古馬との対戦で、力やエンジンの違いを感じましたね。まだまだ3歳ですので焦らず、挑戦してもらいたいと思います。
3日間開催最後には京都大賞典が行われ、G1馬ラブリーデイが圧巻の走りを見せ付けましたね。最大斤量の58キロを背負い、あの高速馬場に対応できるのですから、本当に大関から横綱へといった貫禄が出てきたように感じます。しかし、今回は池江厩舎としては本番前に、かなり仕上げてきているなという印象を受けましたね。斤量58キロで高速決着と疲労がどこまであるのかが心配にはなりますが、それでも、今回の勝利で天皇賞(秋)は大大大本命へと挙がったと思います。
今週の競馬は牝馬最後の1冠秋華賞が行われます。まず、注目されるのはミッキークイーンになるでしょうね。前走でのアイドリングを終了し、本番に向けて準備万端と言ったところではないでしょうか。しかし、女王にも不安は残りますね。初の京都に加え、内回りコースだけに安全に外という考えだけでは届きませんし、かと言って内を攻めすぎれば詰まる可能性もある。そこを考慮すると、差し馬にとっては本当に騎手の腕が試されるレースとなりそうです。
そして、2番手に桜花賞馬レッツゴードンキが選ばれるのではないでしょうか。前走の超ハイペースでも4着に残せたのは結果、力の証明になったと思います。岩田君がここで馬の力を把握できていると思いますので、非常に怖い存在ではありますね。その他にも、成長力がある豊ちゃんのトーセンビクトリーに、距離が長いとはいえ、内枠が当たれば怖いクイーンズリングと注目が多いレースになりそうです。最後の1冠を決めるのはどの馬か!迷ったらさくら色の帽子と五郎丸ポーズで迷わず5番をチョイスしましょう(笑)。今週はラグビー馬券!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。