元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
北島ファミリー
2015/10/29(木)
山田哲人選手…兵庫県出身の23歳で2010年のドラフト1位でヤクルトに入り、めきめきと力をつけると2015年シーズンにトリプルスリーを達成。
とありました。打てる、走れる、守れるといった三拍子揃った選手で、騎手で言えば、ペース良、折り合い良、追って良という選手のようですね。競馬では山田ではなく松田が注目を集めたいなと、ふと考えながらコラムを書いています。
それでは競馬の話をしましょう。野球では山田祭りが開催される中、競馬ではキタサン祭りが開催されました!牡馬最後の1冠菊花賞が京都競馬場で行われ、歌手の北島三郎さんがオーナーのキタサンブラックが前哨戦に続き、本番も見事に制しました。
レースはスピリッツミノルが果敢にハナを奪いに行き、そのままコーナーに入りました。この時点で、ペースは少し速くなるのかなと感じました。その中、1番人気のリアファルは3番手に控え、更にキタサンブラックは枠を活かし、内ラチを背負うようにポジションを取りました。ここが、今回の勝利での、まず一点目の勝利の要因でだと考えます。初めての距離に加え、血統としても決して3000mが合っているとは言えない馬だっただけに無理をさせず距離のロスを抑えたことが最後の脚に繋がったと考えるからです。その後、3歳馬の長距離戦らしく、バタバタとポジションが入れ替わる中、じっと内で我慢したキタサンブラックが直線を向かえると内を抜け出し勝利しました。
当日は内の芝が非常に良く、内から差し切っていたレースが多かったのを知っていた北村君の好騎乗あっての勝利だったでしょうね。今回は正に100点満点の騎乗になったのではないでしょうか。そして、2着にはリアルスティールが入り、力のあるところは見せてくれました。しかし、道中で、他馬との接触があったことも響き、最後は少し足りない結果となってしまいましたね。90点では勝てないのがG1と言うことを再認識させられた結果でしたね。そして、3着にはリアファルが入り、こちらも力があることを証明できたと思います。
レースの後の表彰式では、公言通り、オーナーの北島三郎さんがまつりを歌い、レース後にも大きな歓声が上がったのは、とても新鮮且つ、嬉しく感じました。是非、勝利記念に、あの馬で歌ったキタサン祭りを今回の記念品にCD化してくれたら面白いのになぁと思います。そして、先週のコラムに書いたサインは3-6のサブロー馬券ではなく、そのまま三郎の馬が勝つ!という結果にそっちか!と少し残念な気持ちになったレースでした(笑)。
そして今週は天皇賞(秋)が行われます。数々の名レースを生んできたレースに今年はどの様なドラマが待っているのか非常に楽しみであります。その中で、断トツの注目を集めるのはラブリーデイになるでしょうね。前走は58キロを背負い、終いの脚も活かして圧巻の勝利は本番に向けても絶好の仕上がりというところではないでしょうか。その他にも、私が見つけたサインはこの馬にあります!北島三郎さんの勝利に沸き立つ競馬界に、北島ファミリーで忘れては行けない男といえば、そうです山本ジョージさんですよね。実は、ラブリーデイを担当している子の名前も山本ジョージ君なのです。これは、馬の力だけでなく、北島ファミリーとして「これが競馬の祭りだ~よ~♪」となる予感がしています。
そんなラブリーデイに対抗しそうなのが、11月1日に相棒サイレンススズカを無くし、その思いを持って騎乗する豊ちゃん騎乗のエイシンヒカリになるのではないでしょうか。前走の毎日王冠では、他馬に仕掛けられることなく楽にレースを運んだことでの勝利だけに今回はどうなるのかと心配ですが、きっと何か見せてくれるのではないかと期待しています。その他にもイスラボニータやディサイファ、ショウナンパンドラなどにも注目が集まると思います。サインは北島ファミリーなのか、それともプレゼンターの東出昌大さんに掛けて、アン(杏)ビシャスが来るのか?それとも、クイーン馬券、北馬券に続く、デイ馬券になるのかは日曜日の東京競馬場で確認してください!!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。