元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
取り返せ!ゴールデンウィークマネー!!
2016/5/5(木)
さて、そんな休みのない競馬では、先週の日曜日に京都競馬場で天皇賞(春)が行われました。レース前から有名人オーナー対決(北島三郎氏と佐々木主浩氏)に注目が集まる中、1番人気にはグランプリホースのゴールドアクターが選ばれ、続いて絶好枠を引いた豊ちゃん騎乗のキタサンブラック、シュヴァルグランと続きましたね。レースはスタートと同時に名手によって決められたような絶好のレースになったと思います。スタートを自然に出すと豊ちゃんの芸術ともいえる逃げを見せ、正確に刻んだラップのまま4コーナーを回りました。直線では豊ちゃんをマークしていたカレンミロティックが抜け出しましたが最後の最後でキタサンブラックが4cmの差で勝利を勝ち取りました。
これで豊ちゃんは当レースをV7になり、生きる伝説が、更なる伝説へとなりましたね。しかし、本当にあの正確に刻まれるラップタイムは、実は機械なんではないか?と疑いたくなる程の技術で、誰にも真似できる代物ではないものを見せてもらえたと思います。そして、2着に敗れた謙一君は桜花賞に続いての数センチ差というのは、本当に苦しいでしょうね。しかし、三冠馬オルフェーヴルでも相当なプレッシャーに勝ってきた彼ですから、近い内にリベンジがあると思います。この悔しさを次に活かして欲しいと思います。1番人気に推奨されたゴールドアクターは途中で口を割る悪さを見せてしまいましたね。この性格からも、やはり内に入れたかったでしょうね。ここで、見えた欠点をどのように改善してくるのか、個人的には楽しみにしています。
さて、皆様のゴールデンウィークで使ったお金を取り返す、G1・NHKマイルCが今週末行われます。少し前までは、○外(外国産馬)のダービーと呼ばれていたのが、今年は国産馬のみの出走になりそうです。これも、日本の生産地の努力の賜物とも感じます。そんな中、まず注目を集めるのは牝馬ながら、トライアルで見せた強さは本物メジャーエンブレムが出てきますね。前走では、力を発揮しきれずの敗戦だけに、ここが正念場ではないでしょうか。しかし、心配もあります。前走でもローテーションを長めに取っていた当馬だけに、体が減りやすいのでは?あまり数が使えない馬では?などと個人的には不安に感じているところがあります。しかし、前走であまり無理をしなかったことが、ここで活きてくるかもしれませんけどね。
随分前よりマイルの馬ではないか?と言っていたロードクエストも出馬します。勝利している左回りで、直線の長い東京であれば、久々にあの切れ味が爆発するのではないでしょうか?勿論、この馬も早熟では?という懸念はありますが、それでも頑張って欲しい血統ではありますからね。イモータルも安定した結果を出しているだけに目が離せません。個人的には、このレースは穴馬にも注目しています。特に注目しているのはハクサンルドルフですね。前走でも口向きの悪さが際立ちながらも、あの上がりでしたからね。どこまで修正されているかがポイントになると思います。そして、もう1頭はティソーナです。あの馬体は目を見張るものがありますし、折り合いも心配ないところを見ると、メジャーエンブレムのひとつ後ろのポジションで最後にすくって勝つかも知れませんよ。今回は頭を決めて、穴馬とからめる馬券が面白いかも知れません。
ゴールデンウィークで使ったお金はゴールデンウィークで取り返しましょう!当日は木村多江さんがプレゼンターです。是非、皆様、最後は東京競馬場で!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。