元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
今週は真夏の大一番
2016/8/19(金)
さて、そんな中でも競馬は続きます。まずは先週のレースを振り返りましょう。まずは北海道で行われたエルムSでは、私の推奨馬リッカルドが重賞初挑戦にして、初勝利をあげました。今まで相手に合わせるようなレースが多かった馬だけに、今回は鞍上の黛君も上手くいった!という感じではないでしょうか。特に早めに出しながらも、後ろにも横にも馬を置きながら、諦めずに負い続けたことが勝因だったと思います。そして、②着に入ったクリノスターオーも気分屋ですが、今回は勝ちきりたいところでした。
新潟で行われた関屋記念では、戸崎君騎乗のヤングマンパワーが、見事マイル重賞、2勝目をあげました。こちらのレースは少しバタバタとなりましたね。何度も変わる先頭争いから、完全に勝ち馬の勝利パターンの競馬になりました。そんな展開を予想でもしていたかのような戸崎君の騎乗は、本当に神憑っていましたね。そして、何よりも頭が高い馬を必死に立て直してきた厩舎の努力が、ここでの勝利に繋がったと思います。今後のマイル戦線を考えると、注目しておかなければいけない1頭になりました。
今週もまだまだ競馬は続きます!札幌では怪物モーリスと天才モレイラのコンビが、新たな路線への布石になるか札幌記念が行われます。やはり、注目はモーリスになるでしょうね。この馬ばかりは、2000mで使うならばモレイラしか乗りこなせないでしょう。そのモレイラを迎えてのレースだけに、新たな可能性としても応援したいです。その他には、復活が見たいヌーヴォレコルトになると思います。しかし、黙って2頭に好きな競馬を他の騎手もさせてはいけませんね。そんな意味で、思い切ったレースができればハギノハイブリットやヒットザターゲットの1発に期待しています!
そして、小倉で行われる北九州記念はベルカントとラヴァーズポイントの一騎打ちを楽しみにしています。斤量では5キロ差があるわけですからね。サマースプリント王を決める意味でも大事な一戦になると思います。是非、夏の思い出に生観戦を!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。