元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
悲願花
2016/9/22(木)
皆様、こんにちは! 今年もまた彼岸花が咲き乱れました。赤く綺麗な色は秋を思わせてくれます。色々な思いがある花ですが、今年は悲願花として願いを叶えてくれる花になるよう、頑張っていきたいと思います。
さて、悲願の2冠を目指し、京都競馬場ではローズS が行われました。天候はあいにくの雨で、更には馬場が所々と色が変わり、非常に悪い芝の中、勝利したのはオークス馬シンハライトでした。今回もまたギリギリの鼻差での勝利は、本当に馬の勝負根性を褒めるしかありませんね。しかし、私としては陣営にとっては狙った競馬と違ったように思います。スタート直後、スッと下げ、外に出そうとした際に外を張られたことにより、更に1列下げるポジションになってしまいました。京都の本番を考えれば、下げたくなかったと思います。
そして、もうひとつの想定外は悪条件での上がりにあると思います。やはり、あのコンディションで、あの脚は負担が心配になりますからね。1番人気で、負けられないポジションの馬だけに仕方がないとも思いますけどね。本当に強いシンハライトに本番での巻き返しができる馬がいるか、また出てくるのか楽しみです。2番人気のジュエラーは、まだ太かったですね。京都を想定したレースは、素晴らしいかったですし、あとは馬がどこまで戻るかが問題になるでしょうね。本番までに最強女王に対等してくれることを楽しみにしています。
今週の神戸新聞杯は最後の一冠をかけて、菊への切符を掴みたい馬と、ここは負けられないサトノダイヤモンドの対決になりそうです。マカヒキ、リオンディーズとクラッシック戦線からいなくなり、主役はサトノダイヤモンドに譲られるのではないでしょうか。しかし、それに待ったをかけたいのは、やはりエアスピネルでしょうね。夏を越して、馬がどう変わったか、非常に楽しみです。
個人的には笹田厩舎のもう一つの矢レッドエルディストに注目しています。少し、のんびりした馬ですが、勝負師・四位くんの巧みなベテランの技で、あっと言わせる一発もあるのではないかと期待しています。悲願を叶えるために、勝負してくる挑戦者からも目が離せませんよ!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。