元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
胸躍る変則3日間
2017/3/15(水)
皆様、こんにちは!LINEに友達に作ってもらった孫のスタンプができ、用もないのに押してしまう松田です。最近のテレビはと言うと、もっぱらWBCですね!私も野球ファンとして、非常に興奮する毎日を過ごしています。特にオランダ戦やキューバ戦は、長丁場の中での粘り勝ちと、疲れが溜まりながらも次に繋がる勝利になったと思います。ここから、もうひと踏ん張り、ふた踏ん張りを期待し、優勝できるように応援したいと思います。
それでは先週の競馬を振り返りましょう。阪神で行われたフィリーズレビューでは、ミルコが日曜メイン6連勝の偉業を達成しました。今回のレースは展開も味方しましたが、それにしても乗れていますね。スタートから道中、そして最後まで完璧なレース運びをしていますからね。しかし、このレースでは浜中君が斜行する形になり、マイルCSに続いての騎乗停止となりました。被害を受けた馬としては絶好のレース展開だっただけに悔やんでも悔やみきれない不利になったと思います。4コーナーから、急いでしまったのが原因でしょうね。もう少し、ゆっくりと出してあげていれれば、勝ち馬は違ったかも知れません。ダントツの1番人気に絶好の手応えで回ってきたカラクレナイが気になってしまったためかも知れませんが……。
これで、カラクレナイは3連勝で桜花賞の切符をもぎ取りましたね。本番では頼れる相方は違う馬に乗るため、新しい鞍上も非常に楽しみではありますが、この馬の能力を出し切ることができれば桜花賞もいい競馬になるでしょう。ピンクの桜が紅に染まるのか!?それは本番までの楽しみにしたいと思います。
今週は変則3日間開催になります!土曜日は阪神・中京、日曜日は阪神・中山、月曜日は中山・中京になりますから、皆様気をつけてくださいね!その中でも、注目は日曜日の阪神大賞典になります。昨年度の有馬記念を制し、凱旋門賞挑戦を明確にしたサトノダイヤモンドが出走してきます。キレ味があるようで長くいい脚も使えるタイプですし、この距離は大丈夫だと思います。対抗にはここで一矢むくいたいシュヴァルグランに注目したいです。復活した福永君が、どんな戦術で対抗するのか観る前から楽しみです!
日曜日に行われるスプリングSはサトノアレスに注目が集まるでしょうが、個人的な注目はアウトライアーズになります。田辺くんの最近の勢いに、この馬の能力が足されれば非常に楽しみな1頭です。その他にも距離の壁を超えればモンドキャンノ、勢いに乗るミルコとトリコロールブルーからも目が離せません。楽しみな3日間は是非、競馬場で過ごしましょう!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。