元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
ウェーブ
2017/3/22(水)
皆様、こんにちは! 最近エアウェーブのクッションを貰い、体がほんの少し楽になった松田です。エアウェーブとはスポーツ選手が移動用に使うクッションやマットレスらしいのですが、私はマッサージチェアに置き使用しています。そんなエアウェーブ使用者も多いであろう侍JAPANですが、準決勝で敗退してしまいました。今回の対戦相手はアメリカと言うことで、苦戦をするだろうなと考えてはいました。まさに1発勝負と言った緊張感のある試合でしたね。そして、やはりあったエラー。WBCでは、日本チームで毎回起きてしまうエラーは能力と言うより、メンタルの部分ではないかと思ってしまいました。これは競馬でも言えるかも知れません。日本人騎手にはメンタル強化が大事になってきている時代と感じてしまいます。練習や調教で上手くてもレースで馬同様に自分の力を出せば、もっと輝ける騎手がいると私は思っていますからね。
それでは先週のレースを振り返りましょう。際立って注目を集めたのは阪神大賞典でしたね。レースはスタートから先頭が次々と入れ替わる形となるおかしな展開となり、最終的には丹内君が小倉で見せたレースを再現しようとしましたが、王者に対し、非常に楽なレースを作る結果となり、サトノダイヤモンドが圧勝しました。一言、強いと言う印象でしたね。3歳時のクラシック前に見せたように、決して休み明けから全力で走るタイプではありませんが、それでも他馬を圧倒しましたからね。
②着にはシュヴァルグランが入りました。こちらは、福永君も力では敵わないと悟った上で早めに仕掛け、勝ちにいった中での敗戦でしたね。展開を考えれば、少し早すぎたかな?とは思いますが、策士の考え無くして、あの動きはしないでしょうし、これは本番に向けて、何か案が浮んだかも知れないと思わされました。そして、最高の競馬をしたのはトーセンバジルの四位君でしたね。ベテランらしい、落ち着いたレース運びで、直線ではもしや!と感じさせられたレースでしたからね。決め打ちでハマった時の爆発力は本当に四位君にはあるなと改めて思わされたレースとなりました。
今週はドバイワールドカップデーですね!連覇を期待されたリアルスティールが出馬しなくなったようですね。非常に残念ではありますが、ここは安全を第一に考えて止むを得ません。今年の参戦馬の中で、私が一番楽しみなのはエピカリスになります。他のレースでは海外馬が圧倒的に強い今年のメンバーの中で、UAEダービーはやってくれるのではないかと思います。今年はドバイの馬券も買えるようなので、是非、日本馬応援馬券を皆様宜しくお願い致します!
日本では電撃のスプリント高松宮記念が中京競馬場で行われます。ビックアーサーの故障により、主役不在となった今回ですが、1番人気にはメラグラーナが選ばれるのでないでしょうか。何よりも力強いキレ味抜群の走りは見ていても本当に楽しみな1頭ですからね。その他に私が推奨したいのは前走ノーカウントと見てシュウジ、前哨戦で試した感があるソルヴェイグ辺りに注目しています。その他にも状態とタイム次第ではレッドファルクスやレッツゴードンキにも注目しています。
エアウェーブならぬ、日本馬が世界で起こすビックウェーブを期待したいと思います!チーム日本に大きな声援を送りましょう!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。