元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
松山君の成長
2017/4/19(水)
皆様、こんにちは!突然の豪雨に襲われたて始まった今週ですが、いかがお過ごしでしょうか。私はと言うと、孫のお宮参りに行ってきましたよ。孫は産まれた日は大雪、病院から家に帰る日も大雪、外に出る日は必ず天気が良くないことから今回も心配していましたが、何とか天気が保ってくれたと安心していると、やってきました大雨。何とか濡れずに全てを終了させることができましたが、雨女の孫の引きの強さに今回も脱帽させられた週となりました(笑)。
それでは先週の競馬の話にまいりましょう。中山競馬場では天気が晴天に恵まれた第77回皐月賞が行われました。今年は牝馬の参戦もあり、大変な注目を集めた中、勝利したのは若武者・松山君とアルアインでしたね。レースはスタートから少し早いペースでレースが進むなか、3番手につけたアルアイン。3角から4角にかけてさらにペースアップすると、今回の松山君は非常に冷静な判断で一呼吸置きましたね。内からファンディーナが出てくることを想定したのか、はたまた周りの動きのために自然とそうなったかは分かりませんが、ここの一呼吸こそが最大のファインプレーでした。
直線では内から迫っていた同厩のペルシアンナイトを払いのけ、本当に見事な勝利でした。前半59秒のペースで行きながらも後半34秒2は本当に馬も強かったと思います。松山君はこれがJRAの初G1勝利となり、本当に嬉しかったでしょうね。②着に敗れたペルシアンナイトとミルコも素晴らしいレースをしたと思います。道中では内が空いているとみるや、すぐに判断して進路を変えました。そこで本人としては、もう一呼吸置ければと言うところだったでしょうが、前にはファンディーナがいたことからも、スペースを取る動きをしたことが最後に止まった原因だったとは思いますが、それが無ければ②着はなかったはずですし、最高の騎乗だったと思います。そう考えれば、結果としてアルアインの能力が強かったということでしょう。あとは、1角で松若君のバタバタが無ければ、また違った形になったとも思いますけどね。
1番人気に推奨されたファンディーナは、初めての揉まれる競馬も敗因の一つになっていますが、個人的な意見としてはローテーションにあるでしょうね。そう考えれば前回のレースまでがベストなところだったと思います。この後に立て直してくれば、あの怪物じみた強さを見せてくれるのではと思っています。そして、個人的な意見ですが、次のクラシック、ダービーでは着順の大幅な入れ替わりや出ていなかった馬が掲示板を占めることになるかも知れません。ここに出てきていない馬の出現がダービーでの鍵にもなりそうです。次の本番までに、最高の上がり馬からも目を離さないようにしてくださいね!!
来週からの6週連続の前にG1は一呼吸ですが、今週で一区切りの福島では福島牝馬Sが、そして再開幕となる京都ではマイラーズC、東京ではオークストライアルのフローラSが行われます。この中で私は安田記念にも直結するマイラーズCに注目しています。今回も豪華なメンバーが揃いましたが、最大の注目はエアスピネルになります。前回の敗因も明確になっていますし、何よりも私が懸念している坂もないことから、今回はエア!という気持ちでいます。
2番手はイスラボニータになるでしょうね。なかなか勝ちきれない馬だけに、ここで復活すれば本番も!という気持ちになるでしょうし、こちらも結果にこだわったレースをしたいところではないでしょうか。その他には、鞍上が替わるプロディガルサンも、終い勝負になれば面白いでしょうね。その他にもスピネル対決ブラックスピネルやG1騎手・松山君とクルーガーにも注目していきたいと思います。今週の競馬も晴れることを願っています!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。