元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
イコカ
2017/5/10(水)
皆様、こんにちは!この間、京都競馬場に住み込みをしていた時の友人が遠路から出てくるというので、こちらの友人と共に電車で京都の街中まで行ってきましたよ。私が現役時代は、移動は用意されたタクシーが多かったため、大人になっても電車の乗り方が分からなかったんです。何度か息子と共に電車に乗ったことはありましたがイコカの使い方もお金の入れ方も分かっていませんでしたからね。それが、今はイコカまでは使えるようになったのですが、次は乗り換えがこれまた難しい。今回は友人が私を誘導してくれましたので、何とかたどり着きましたが、都会の乗り換えが課題となった旅でした(笑)。
さて、私が旅に出かけているなか、東京ではNHKマイルCが行われました。混戦が予想されていましたが、レースを制したのは典ちゃんとアエロリットでした!典ちゃんが惚れ込んだ馬で、ずっと乗り続けてきた上に、結果が出せたことは本当に嬉しかったのでしょうね。ゴール後には派手なガッツポーズまで飛び出しましたからね。データを後で聞くと東京マイルではダントツの確率で典ちゃんが③着以内にくるとあったみたいですね。
レースは超ロケットスタートを決めたアエロリットと内から、少しかかりぎみにモンドキャンノが飛び出していきました。その後、ボンセルヴィーソがハナを奪い返し、少し早めの展開になりました。それを見るように内から押し出されるように1番人気に推奨されたカラクレナイが見ながら進め、迎えた4コーナー。アエロリットは止まるどころがグングンと引き離し、見事な勝利を手にしました。義兄弟でのG1制覇は感動しましたね。もう少し、距離を延ばしても良さそうに思える内容に、秋の秋華賞も楽しみな一頭になりました。
②着には、ダートでも活躍したリエノテソーロが入りましたね。この馬は本当に強いですね。ダートでも芝でも走りますし、今後はダート界で無双するかも知れません。1番人気に推奨されたカラクレナイですが、道中は完璧という位置にいたにも関わらず、4コーナーでは手応えが怪しくなり、最後は挟まれるような不利もありブービーとなってしまいましたね。牝馬は見えない疲れが溜まりやすいことからも、初輸送・初左回り・初東京競馬場と全てが裏目に出てしまったレースとなってしまいました。これで一旦、放牧となると思いますが、来年のヴィクトリアマイル辺りでは、再度注目したい一頭に変わりはありません。
そのヴィクトリアマイルが今週、東京競馬場で行われます。先週と同じコースで行われるG1ですが、こちらは牝馬だけというのもあり、非常に難しいレースになっています。しかし、今回は脚元の不安がなくなった女王が圧倒的な強さを見せるレースになると思っています。そうです、女王ことミッキークイーンです。去年の秋までは思った調教ができない中でも大崩れすることもなく、頑張っていた当馬ですが、前回のレースでは圧巻の走り。もちろん、道悪が上手なのも相まっての強さでしたが、それでも力は圧倒的に上位だと思っています。逆に、この馬に勝てる馬はいるのかな?と思っていますが、枠や展開次第ではと、他の馬も虎視眈々と逆転を狙っています。
筆頭に挙げたいのがルージュバックです。前走は不完全燃焼なレースで終わってしまいましたが、溜めれば確実に使う脚は、うまく乗れば圧勝もあるのではと思わされています。その他には復活してきたレッツゴードンキや年齢がいけばいくほど味が出てくるスマートレイアー、切れ味抜群も馬体重次第のアドマイヤリードに、復活かけるクイーンズリングと言ったところではないでしょうか。女心はいつまで経っても難しい。しかし、ジェントルマンの気持ちで、当日の女子達の読み切ってください!今週日曜日はイコカ(※関東はSuica)で競馬場にイコカ!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。