元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
ウインウィーク
2017/7/26(水)
皆様、こんにちは!土用の丑の日を迎えましたね!うなぎ好きの私からすると、お祝いでもないのに無条件でうなぎが食べられる、本当に嬉しい日でした(笑)。現役時代で言えば、中京のうなぎが楽しみだったのも思い出されます。そして、何より栗東トレセンの近くにあったうな𠮷さんのうなぎも好きでしたね。トレセンっ子なら一度は食べたことがあるうなぎだと思いますし、豊ちゃんの紹介でとんねるずの番組にも出ていましたからね。暑い夏はうなぎでスタミナをつけて、何とか乗り切りましょう!
まずは先週の競馬にまいりましょう。夏競馬最後の中京では名物中京記念が行われ、ウインガニオンが見事3連勝で初重賞を手にしました。体がしっかりしてきたことに加え、安定したレース運びができるようになったことが、この勝利につながったのでしょうね。
今回のレースではレース前に降り出した雨の影響もあり、馬場が大荒れになる中、スタート直後、トウショウピストが果敢にハナを奪いにいく形となりました。すると、すぐに2番手での競馬を選択した津村君。前が大きく離れていたことからも、ここで単騎逃げのような形となり、馬もリラックスできたことが、まず勝因のひとつだったと思います。そして迎えた直線では、ラチ沿いの馬場がまだ生きていることを知っていたというコース取りで、後続馬を引き離す形となり、見事なまでの圧勝を見せてくれました。あんな馬場もこなせるとなると、幅も広がるだけに、夏のサマーチャンピオンも狙える逸材では?と思っています。
②着にはグランシルクが入りましたね。無難な今までしたかった競馬ができたレースでしたが、最後は勝ち馬が強かったという結果となってしまいましたが、中京リーディングの名に恥じないレースを福永君も見せてくれたと思います。1番人気に推奨されたブラックムーンでしたが、こちらは展開が向かなかったということではないでしょうか。ハマれば気持ちいいくらいのレースができる当馬ですが、あとは展開次第というのは、今後の課題にもなりそうです。レースでは手前を換えることをなかなかせず、直線でも前回の爆発力のある上がりではなかったことからも、この馬場はあまり合わなかったのかなと感じました。土日の中京に、函館重賞でも②着に入ったウイン勢によるウインウィークな週末でした。
今週からは札幌、新潟、そして小倉の夏競馬の始まりです。皆様もくれぐれも間違えないように競馬場に向かって下さいね!そんな夏競馬の始まりには2つの重賞が待っています。札幌ではクイーンSが行われ、新潟では名物アイビスサマーダッシュが行われます。クイーンSには、豪華2頭のG1ホースが出馬してきますね。
アエロリットは秋華賞に向け古馬と戦うことで、何かを掴みたい一戦だと思います。斤量も52キロというのにも注目したいですね。そして、ようやく本格したアドマイヤリードにとっては、G1でないとも落とせない一戦になりそうです。課題であった体も安定してきたことで、調教メニューもこなせていますし、ここでは負けられないと思います。そんな中でどの馬が穴候補かと私なりに見たところ、注目したい一頭はヤマカツグレースになります。今回は斤量が51キロになり、謙一君もこれのために体を絞ってくるでしょうし、何より開幕週の馬場も向くような気がします。親子での重賞制覇にここでも期待したいですね。皆様にとって、馬券が当たるウインウィークに今週はなりますように!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。