元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
歴史
2017/9/13(水)
皆様、こんにちは!先週の27時間テレビは見ましたか?毎年、24時間テレビと27時間テレビを楽しみにしているのですが、今年の27時間テレビは少し風変わりなテーマでの放送となりましたね。それぞれの県が持つ歴史を語り、歴史自慢をするというもので、例年の若者向けと言うよりは、私達の年齢の人に喜ばれるような作りとなっていました。確かに、若者のテレビ離れが囁かれる中だからこその転換に、家にずっといる私達にとっては楽しい内容だったと思います。昔は勉強も余り好きではなかっただけに、今になって、あぁなるほどと歴史に対して考えられた週となりました。
さて、競馬の歴史のページに挑んでいるサトノダイヤモンドとサトノノブレスの話をしましょう。日曜日にフランスで行われた凱旋門賞のステップレース・フォワ賞に参戦した2頭でしたが結果は6頭中の④着、⑥着となりました。凱旋門賞の歴史上では、このステップレースで惨敗した馬は、凱旋門賞で勝てないというものがあるみたいですね。しかし、本番までにまだ日程があるだけに、そのジンクスも、更に日本競馬の凱旋門賞未勝利という歴史のページも改めてもらいたいと思います。
今回の個人的な見解で言えば、少しラビット役のサトノノブレスが遅すぎたかなという思いと、やはり休み明け緒戦のサトノダイヤモンドはあれくらいかなという思いです。ノブレスのペースは騎乗した川田君がコントロールできるでしょうし、ダイヤモンドも叩き2走目は期待できますからね。ただ、馬場だけはどうしようもない気がします。今回も特殊な馬場で、ダイヤモンドも少しのめりながらのレースをしていました。本番でも大きく乾くことはないでしょうし、ここは少し心配です。こうなるとやはりサトノクラウンにも挑戦してほしかったなぁと思ってしまいますね。まだ諦めるには早いので、名門池江厩舎の立直しに期待したいと思います。
日本では3つの重賞が行われました。その中でも、阪神で行われたセントウルSでは、前回は前が開かず悔しい思いをしたファインニードルとミルコのコンビが見事な勝利を収めましたね。スタート直後、大外枠に当たったフィドゥーシアが一瞬ハナを奪いそうになったファインニードルを抑えハナをきりました。それに続くようにラヴァーズポイントが続く形となり、その後ろにファインニードルがつけました。ペースとしては、少し遅めとなり、これは前残りもあるぞと思っていると、大外が響いたか、それとも前回目一杯の競馬で疲れが出たのかフィドゥーシアが脱落する中、1頭分空いたスペースをファインニードルとミルコは見逃さずに飛び出すと、後ろから迫るラインミーティアとダンスディレクターを抑え、見事に勝利しました。夏に力をつけてきた馬が見事、前回の屈辱を晴らしての勝利はスカっとするような勝利でした。
このレースの結果、見事サマースプリントチャンピオンになったのは西田君とラインミーティアでしたね。いぶし銀の騎手が、ここでコツコツと頑張ってきて結果を出したこともまた、改めて嬉しい結果でした。その他にサマーシリーズの騎手部門は北村友一君となり、こちらもコツコツと自分の競馬を勉強し、勤め上げてきた結果だと思いました。夏には根性の減量での勝利があったり、脚元に不安にあった馬を復活勝利させたりと堂々と胸を張れる1位だったと思います。こう言った結果を見ると、改めて、コツコツと頑張っている騎手にも報われる、このシリーズの意味を感じられました。
さて、今週は3日間競馬!皆様、資金は計算して使ってくださいね!そんな中には、秋のクラシックに向けたトライアル重賞が2つ行われます。日曜日には阪神でローズS、月曜日には中山でセントライト記念が行われます。特にローズSでは本番さながらのメンバーになりそうで、非常に楽しみな一戦となります。
まず、注目を集めるのが、立直しに期待したいファンディーナと絶好調岩田君のコンビです。皐月賞では思ったレースの中でも脱落してしまいましたが、それでも力に見切りをつけるのは早すぎると思っています。その他には、外回りなら本領発揮となるアドマイヤミヤビ。今回からコンビがルメールに戻ることもあり、長い脚をどう使うかが見物です。オークス②着のモズカッチャンも楽しみですね。こちらは外回りも内回りもいけるタイプですし、ミルコも感触を確かめながらのレースをすると思います。その他にもミリッサやリスグランシューといった力のある馬も出てきますし、非常に楽しみな一戦です。歴史の1ページに新たな怪物達が名を刻むのか!歴史を見届けるのは皆様です!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。