元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
連闘、お見事う
2018/6/6(水)
皆様、こんにちは!今年もこの季節がやってきましたね。そうです、24時間テレビのランナー発表です。今年はAnzen漫才のみやぞんさんが選ばれたと報道を見ました。みやぞんさんと言えば、絶対音感があったり運動神経も抜群とまさに天才肌の人間だけに、今回のマラソンも私たちの想像を超えるパフォーマンスを平然としてきそうな期待があります。いったい、豪華メンバーが揃う24時間テレビでどんなことが起こるのか、今から楽しみです。
それでは豪華メンバーは競馬も同じ、G1馬4頭が揃った安田記念の話にまいりましょう。まずは1番人気に推奨された初マイル挑戦のスワーヴリチャードはマイナス10キロと少し見た目で腹がひれあがって出てきました。この時点で馬の形自体は一番綺麗に見えましたが、走るための体だったかと問われれば少し細かったと思います。それでもやってくれると思っていましたが、勝ったのは矢作厩舎の執念モズアスコットでしたね。モズアスコットは賞金面で出走が苦しくなったため、前週のオープン特別でレースを走っていたにも関わらず、連闘での勝利に本当にビックリしました。当日の阪神でも連闘のサイモンラムセスと小牧君が勝利し、まさに連闘の日でもありましたね。
レースでは心配されたスワーヴリチャードがスタートを決めると、大きく遅れたのはサトノアレスと蛯名君でした。その後、1コーナー入口ではペルシアンナイトとモズアスコットが接触する形になりました。この時にスッと引いたのがルメール。そして、逆になだめるのに時間がかかったのが川田君でした。そこでポジションが変更されるも、力が抜けたように冷静に見ていたルメールが直線ではスワーヴリチャードの抜けた後を狙い直線一気で勝利しました。逆にペルシアンナイトはモズアスコットに勝利の道を譲り、悔しいレースとなってしまいました。もし狙っていた箇所が逆ならと悔やまれるレースだったと思います。
しかし、今回の安田記念はタイムが速すぎますね。さらに言えば、東京の1600mは1800mを得意としている馬が有利と言っていましたが、あそこまで速いと1800mで必要なスタミナより、1400mをベストで走れる瞬発力とよーいドンに対応できるかになります。今回は週中に雨が降ったことで馬場が固くなったことからも、モズアスコットに対してはベストな馬場。逆にいつもの東京1600mを得意とする馬にとっては残念な馬場だったと思います。こういった運をも味方につけた陣営こそ、G1での勝利に対する必要なワンピースと思わされたレースでもありました。
さぁ、函館開幕まであと1週間!夏競馬は突き進みます。そんな週の中でも注目はマーメイドSです。阪神競馬場で行われるハンデ重賞で、若い騎手は斤量次第での一発を狙っていると思います。案の定、初重賞になりやすいレースですから、色々と見逃せませんよ。そんな中、私の注目はレイホーロマンスと岩崎君です。実績的にいっても、そろそろ決めたいところでしょうし、52キロのハンデならば今回こそ!と思います。ベテラン勢もやられないぞと、やはり力のあるミリッサやミエノサクシード、そしてキンショーユキヒメの3頭からは目が離せません。読みにくいハンデ重賞。迷ったときはデムルメ!という言葉も使えない今回は、いったいどうなるのか。非常に楽しみな一戦です!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。