元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
G1馬の実力
2018/6/20(水)
皆様、こんにちは!とうとう、先週からワールドカップが始まりましたね。開幕カードでは、開催国ロシアが見事な勝利を挙げました。そして、我ら日本も初戦コロンビア戦で見事な勝利を挙げました!開始3分に相手選手が退場すると、そのPKを香川選手が決め、その後あれがファウルか?と少し疑ったFKを相手に決められ同点。いつも通りの日本代表だ……と落胆していたのですが、西野ジャパンの二本スタイル「タイプ香川からタイプ本田」に変更させ、ボールの稼働率から保持率を意識するチームに変化させましたね。
そのことにより、一人少ない相手を動かし、とうとう本田選手のCKから大迫選手が頭で決めて2-1。そのリードを守り、見事な勝利を挙げました。PK、FK、CKと得点が全て止まったボールからだったことからも、世界との厳しい戦いにセットプレイの大切さを思い返せた試合になりました。次はセネガル戦!頑張れ日本!!
それではW杯にも負けない日本競馬の話に参りましょう!函館スプリントSではG1馬セイウンコウセイが見事な復活を池添謙一君と遂げましたね。スタートから果敢に出していくと、コースを知り尽くした乗り方で見事な勝利でした。今回の勝利で完全復活か?と聞かれれば疑問が残りますし、コース適性が高かった上に好騎乗があったことが勝利の要因だったと思いますが、池添君と今後どこまでのパフォーマンスを見せるのか、非常に楽しみになりました。力が要る馬場では能力を発揮するだけに、雨が降れば気をつけなくてはいけない一頭だと思います。
東京のユニコーンSでは、圧巻の走りでG1馬ルヴァンスレーヴが勝利を挙げました。こちらは同い年で最大のライバル、ドンフォルティスがいないところでは負けないだろうと思っていましたが、心配していた体調も万全ではないにしろ、やはり力が違いすぎましたね。これで万全な態勢になれば、更に差は広がったのではと思わされるようなレースでした。鞍上ミルコも力が違うと強気の競馬を進めましたが、まさにその通りの結果になったと思います。次はJDDになると思うということでしたが、まだまだ走りに体が追い付いてないことからも、無理をせずにゆっくりといってほしいというのが個人的な見解です。
使い込んできてもさらに良さを見せたのがグレートタイムでしたね。王者がいないところでは十分1番人気になる資質があることを見せつけるレースでした。内々で我慢して直線ではスペースがなく、少しついていないところはありましたが、それでも抜け出してくる気持ちの強いレースは今後楽しみになる一頭だと思います。
今週は春のG1シーズンの最後、宝塚記念が行われます。春のグランプリと呼ばれ、ファン投票を元に出馬メンバーを選出するレース。今年は早くにスワーヴリチャードが参戦をしないとなり、第1位にはサトノダイヤモンドが選ばれました。なかなかピリっとしてこないとありましたが、名門池江厩舎は最後まで攻めの調整をしてくるのではないかと思っています。普通に走ればこの馬と思っていますが、馬場や復活状態、全てが問題にもなっています。菊花賞馬対決でもあるキセキも出走してきます。前走は全く競馬にならず、鞍上もレースを諦めてしまったレースとなりましたが、今回はミルコに戻ることからも、癖馬の扱いの上手さでどこまでカバーできるのか非常に楽しみです。
その他にも雨となればパフォーマプロミスや去年の勝者サトノクラウンも面白くなりそうです。晴れならば、私はヴィブロス推しでいきたいですね。調教過程を見ていても動きは抜群。狙い済ました友道厩舎ほど怖い厩舎はありませんから。当日は関ジャニのメンバーも来るということで、多くのお客様の来場が期待されます。是非、競馬の選抜メンバーと関ジャニ。全てをご覧に競馬場へお越しください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。